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2019年、来るか、金融ショック

2019/06/11

 

 最近マーケットが思ったよりも揺れているので、改めてマーケットについて書きたいと思います。

 

 [アボマガ No.66]では、昨年クリスマス明けからの株価上昇を必ずしもバブルが続いているとは見てはいけない、注意したほうが良いことをお話ししました。

 

 当時はこうした注意喚起する見方が少なく、むしろアナリストのレポート等を見ると短期的な楽観ムードが漂っていましたが、現在はこうした楽観ムードが打ち砕かれた格好となっています。

 

 改めて市場を観察すると、投資の外野の人たちの見方とは異なり、投資の現場にいる市場参加者の悲観ムードは昨年秋より醸成されてきました。またトランプ政権の動きを見ると、今年の株安を覚悟している、むしろ望んでいるとさえ見えます。

 

 現在の市場の悲観的ムードを変えることはもはや難しく、Fedが利下げしようが利上げしようが、いずれにせよマーケットの大きな調整が起こりやすい時期に入っているのかもしれません。

 

[アボマガ No.72 73]今年来るか、金融ショックの記事(一部)です。2019/06/04に配信したものです。

 

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悲壮感増す市場参加者たち

 (省略)

 

歴史から学ぶ市場?

 市場が悲観的傾向を強めていることは、必ずしも理由がないわけではありません。

 

 米国で逆イールド化が進んでいるためです。

 

 10年物米国債と3ヵ月物米国債との利回り差(イールドスプレッド)のマイナス化が進んでおり、5月末時点で-0.21ポイントとなっています。

 

 逆イールドは歴史的に不況入りのシグナルであるため、債券運用者等のマーケットの現場にいる人たちはどんなに直近の米国経済指標が思ったよりも堅調でも、悲観気味に見てしまうのでしょう。

 

画像ソース: FRED

 

 これは歴史的事実をもとにした考えですから、そう簡単に態度を変えることはできません。

 

 4月中旬を境に、今年Fedによる1回以上の利下げがあると予想する市場参加者の割合が伸びており、現在は市場の8割強が1回以上の利下げを予想しています。

 

 特に今年2回以上(正確には今年0.5ポイント以上の)利下げがあると予想する市場参加者が急増しており、現在は1回の利下げと2回以上の利下げを予想する人々がそれぞれ市場参加者全体の4割ずつ、計8割となっています。

 

 利下げ予想を強めている主な理由は、米国経済がピークアウトし弱含むとの見方が強まっているためです。

 

画像ソース: FT

 

 逆イールドという歴史的事実が市場参加者の心の内奥に存在し続ける以上、とんでもなくポジティブなデータが出てこないかぎり、市場の悲観的なセンチメントはより悪化しやすい状況にあると考えます。

 

 現在の金融市場はかなり危険だということです。

 

トランプにとって理想的な米国株の値動きとは

 5月以降の市場の動揺を招いたのは、これまで10%の関税がかけられていた2000億ドル相当の中国からの輸入品への関税を25%引き上げるとトランプがツイートしたことです。

 

 米国株が安くなるとトランプ政権にとって打撃になるから、これはトランプによる自滅と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

 私はそうは思いません。

 

 まず、トランプ政権にとって米国株高はトランプ大統領の支持率を高める手段であり、目的ではないことを忘れてはいけません。

 

 トランプ大統領の現時点における最大の目標は来年の大統領選挙で再選を果たすことです。

 

 再選を果たすために、必ずしも今後「常時」米国株が上昇を続けなければいけないわけではないでしょう。

 

 トランプ大統領にとって必要な米国株の推移は、次の2つを満たすことだと考えます。

 

  • 2020年に入り、大統領選挙当日までの短期のあいだに米国株が上昇する
  • トランプ大統領が就任した日から大統領選挙当日までの中期のあいだに米国株が上昇する

 

 トランプ氏が大統領に就任した2017年1月20日から今日まで、米国株(S&P500指数)は21.2%上昇しており、2つ目をクリアできる可能性はそれなりに高いと言えます。

 

 

 よってトランプ大統領にとって、今年2019年は米国株が一時的に安くなっても来年の大統領選に与える影響は比較的軽微だと考えます。

 

 むしろ、市場サイクルがピーク付近にある現在において、いまのうちに一時的に米国株を安くしておいたほうが、2020年に入り大統領選当日までに米国株を上昇させやすくなるでしょう。

 

 トランプ大統領はFedに対し、何回も利下げしろ、量的金融緩和を再開しろと言ってきました。

 

 現在Fedの金融政策はグズグズしており、今後短期的に米国株安が起こっても「Fedが利下げや量的金融緩和に躊躇してグズグズしているからだ」と責任転嫁しやすいでしょう。

 

 そうやってFedに責任転嫁し、Fedに大規模な量的金融緩和を再開させるなどして、一時的に下がった米国株を大統領選当日に向けて上昇させた方が、よりドラマ感がありトランプ大統領の支持率上昇や再選に寄与するでしょう。

 

トランプ政権のステルス相場操縦術

 (省略)

 

Fedに残された金融ショックを防ぐ選択肢は...ほぼない

 Fedはこのまま金融政策をグズグズ先送りしていると、近々米国株安が引き起こされ、その責任を取らされる可能性が高いわけです。

 

 この状況下でFedが利下げという当たり障りのない金融緩和策を再開すればどうでしょうか。

 

 これは米国株や米国経済の先行きが悪いというメッセージをすでに悲観気味な市場に伝えることを意味しますから、金融ショックにつながりかねません。

 

 過去にもITバブルやサブプライム住宅ローンバブルがピークアウトしたとき、Fedの利下げ決定はその後の米国株の大幅調整をもたらしました。

 

 トランプ政権はFedの遅すぎる利下げを非難することで、金融ショックの責任をFedに押し付け、米国株下落の責任を回避することにつながります。

 

 現在、次のFedの金融政策で最も確率が高いのが利下げですが、残念ながらこれは金融ショックを生み出し、その責任がFedに押し付けられるリスクが高いと考えます。

 

 

 ではFedが利上げすればどうなるかというと、金融市場に流動性ショックが走る可能性が高まります。

 

 Fedの量的金融引き締め策により、米国銀行システム内の準備金(銀行がFedに預ける預金)が減少傾向にあることはお話しした通りです。現在の準備金の下落ペースを考えれば、今年の終わりに準備金がQE2開始前の水準にまで落ち込みそうです。

 

画像ソース: Yardeni Research

 

 実はトランプによる関税率引き上げのツイートがあって以来、米国の国債除く債券市場から資金流出が起きています。

 

 ジャンク債市場からは4週連続で資金流出が続き、投資適格債券市場からも5月の第4週から資金流出が起き、第5週には2015年12月以来の規模である51億ドルの資金流出がおきました。

 

 米中貿易戦争の激化や世界経済後退懸念が出たためであり、昨年10月-12月を彷彿とさせる出来事が起こっています。

 

上:ジャンク債、下:投資適格債券

上画像ソース: FT

下画像ソース: Bloomberg

 

 今回の債券市場からの資金流出トレンドの拡大は、今年に入り投資適格債券・ジャンク債の満期ラッシュ期に突入して初めての本格的なものです。

 

 Fedが利上げすれば、借り換えできない債券発行企業のデフォルトが多発し、投資適格債券やジャンク債からの資金流出を加速させ、本当に債券市場で流動性ショックが起こっても不思議ではなく、それがドル流動性も枯渇させ、金融危機につながるおそれがあります。

 

 5月以降のトランプ政権の動きは、Fedの利上げという選択に対してとてつもないリスクを押し付けているのです。

 

 

 では最後に、Fedが大規模な量的金融緩和を再開するなどして米国株が再び反発・上昇基調に転じたらどのようになるでしょうか。

 

 米国経済が決して悪くなく、今後世界有数のエネルギー輸出国となる米国で大規模な量的金融緩和を再開すれば、そう遠くない将来に米国含め世界的に高インフレとなることは間違いないでしょう。

 

 米国経済が非常に悪い状況で高インフレを覚悟で大規模な緩和策を行うならまだしも、米国経済が堅調な中での大規模な緩和策の実施はFedの存続意義を消し去ります。

 

 この選択肢は米国経済の不況入りや米国株の大幅調整が起こる前に選択される可能性はほぼない、あり得ないでしょう。もし仮に実施されれば、Fedはそう遠くない将来に文字通り消滅してもおかしくありません。

 

 

 現在の金融市場には少なくとも次の3つの特徴的な要素が見えることがわかりました。

 

  • 比較的堅調な世界経済成長率と、逆イールドを基底とした悲観的な市場センチメントとのあいだの齟齬
  • トランプ政権による巧みな政治的ステルス相場操縦術
  • 市場サイクルがピーク付近にあるなかでの米ドル需給のタイト化

 

 これらがFed包囲網を形成してしまっているように見えます。Fedには、金融ショックを先送りし自身への責任を回避するための金融政策の選択肢が、ほとんど残されていないのではないでしょうか。

 

 今年は、嫌な予感がします。

 

 **********

 

 今年はどこかの時点(秋ごろ?)に一時的な金融ショックが起こる可能性が結構高そうです。

 

 最後に、リーマン危機における2008年9月11日から10月8日までの4週間のドル建て金価格の推移を載せておきましょう。

 

 4週間で金価格は22.9%上昇しました。

 

 

 

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