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IMFは世界の中央銀行として世界を支配したいのか?

2017/11/01

 

 今回は、IMFのラガルド専務理事が今年9月29日にイングランド銀行によるカンファレンスでスピーチした内容について、個人的な感想を呟いていきます。あくまで個人的な感想です。

 

 タイトルは「中央銀行とフィンテック — 素晴らしい新世界?」。IMFが将来、世界の中央銀行になって、世界統一暗号通貨を発行して、世界統一の金融規制を敷きたいという願望を感じさせるものでした。

 

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ラガルド専務理事の発言にボヤいていく...

これからの時代にフィンテックが中央銀行をどう変えていくのでしょうか。今日の基調講演ではこの問題に焦点を当てたいと思います。

 

3種類の技術革新がもたらすかもしれない影響について考えていければと思います。この3つの技術革新とは、仮想通貨金融仲介の新形態、そして人工知能 (AI) です。

 

1. 仮想通貨

 

現時点では、法定不換紙幣や中央銀行といった既存秩序に対して、ビットコインのような仮想通貨が突きつけている挑戦は皆無か、あったとしても取るに足らないものです。それは、なぜでしょうか。その訳は、仮想通貨はボラティリティが高く、リスクも大きく、電力を過剰に消費するからなのです。また、仮想通貨の基盤技術には拡張可能性がまだありません。規制当局からみると多くの仮想通貨が不透明すぎます。いくつかの仮想通貨はハッキングの対象にもなりました。

 

 「ビットコインのような」とわざわざビットコインを一例にあげているということは、IMFにとってはビットコインは邪魔な仮想通貨(暗号通貨)なんですかね。

 

 実際、ビットコイン支持者たちは、非中央集権的で国際的にも支持されているビットコインという暗号通貨がすでに存在しているのだから、IMF発行の暗号通貨は不要だと、IMFに敵対する意見を持っているようですしね。

 

 

国家制度が脆弱で、自国通貨が不安定な国々を考えてみましょう。米国ドルのような外国通貨を選択する代わりに、こうした国々は仮想通貨の利用を増やすことを意識するようになるかもしれません。通貨のドル化2.0と呼びましょうか。

 

IMFの経験から、新しい通貨に関する調整が指数関数的に、つまり飛躍的に、加速し始める分岐点がわかっています。例えばセーシェルでは、2006年に20%だったドル化が2008年に60%まで跳ね上がりました。

 

 すごいことを述べてますね。ラガルド専務理事は、いままで米ドルが国際決済通貨として、またペッグ通貨として築いてきた地位が、少なくとも部分的には様々な仮想通貨に奪われていくだろうと考えているみたいですね。

 

 しかもその移行プロセスは、我々が想像するよりもずっとずっとスピーディーで大きな規模であると、ラガルド氏は考えているのです。

 

 

仮想通貨をなぜ市民は保有するようになるのでしょうか。その理由は、将来いつか、紙幣と比較して、より簡単に、そして、より安全に、仮想通貨を手に入れられるようになるかもしれないからです。とりわけ、僻地にある地域ではその違いが際立つことでしょう。そして、さらには、仮想通貨の方が、安定性が高くなりうるからでもあります。

 

 将来、仮想通貨を世界的に広めて事実上のキャッシュレス社会を実現するには、「簡単」「安全」「価値が安定」であることを、技術的な裏づけの元で世界中の市民に宣伝していくことが大切であると考えているようです。

 

 言い換えれば、今後、米ドルや日本円の「簡単でない」「安全でない」「価値が不安定」という面がピックアップされれば、仮想通貨への移行にプラスに働くだろう、ということです。

 

 決済の面倒さ、退蔵の面倒さや危険性、バブル崩壊や政治リスクによって生じる米ドルや日本円の価値変動、といったことですね。今後のマネーに関するメディアの報道姿勢も注意しておくとよさそうですね。

 

 

完全に透明な形で発行し、予め定めた信頼の置けるルールの下、つまり、モニタリング下に置いたアルゴリズムに基づいて統制することも可能でしょう。もしくは、変化するマクロ経済環境を反映した「スマート・ルール」による統制になるかもしれません。

 

 前者と後者の仮想通貨統制方法は、全く別物に見えるのですが。前者は人間による統制ですが、後者はAIが自律的に仮想通貨に掛かる金融政策を変えていくということですので、人間がすべてをモニタリングするのは可能なのでしょうか。

 

 前者は人間による監視、後者はAIによる監視が必要になるだろうという点で、全く違うような気がします。

 

 

民間発行の仮想通貨が不安定でリスクが高いままだと、人々は中央銀行に対して法定通貨のデジタル版を提供するよう要求するようになるかもしれません。

 

 今後の中央銀行の金融政策の舵取りや、メディアがどのようなスタンスでマネーに関する報道を繰り出してくるのか、楽しみですね。

 

 

2. 金融仲介の新形態

 

ひとつ可能性としてあるのが、銀行機能の解体ないしアンバンドリング (複合機能の解体) です。将来、私たちは電子ウォレット上に、支払いサービス用には最低限の残高しか残していないかもしれません。

 

残りのお金は、投資信託や、ビッグデータやAIを駆使して信用評価を自動化した強みを持つP2Pレンディングのプラットフォームでの投資に向けられるかもしれません。

 

 ラガルド専務理事は、仮想通貨が世界中の国際決済で使用されることで、低金利環境が続くだろうと述べているのです。

 

 国際金融規制によってグローバル銀行は貸し出しに消極的にならざるを得ませんし、仮想通貨の進展による個人間でのP2Pレンディングが普及すれば、金融機関のみならず、世界中の人々が貸し手になれるのです。

 

 そうなれば、貸し出し競争が起こって低金利圧力が掛かるでしょう。当然、預金の金利も下がらざるを得ません。

 

 人々は運用利回りを求めて、投資信託への投資やP2Pレンディングにお金を振り向ける、振り向けざるを得なくなるだろうということです。

 

 基本的な金融や資産運用知識がない人々にとっては、なかなか厳しい時代に突入するのかもしれません。

 

 

規制面でもやり方を変える必要が出てくるかもしれません。規制当局は従来、しっかりと確立した法人の定義に沿って監督を行ってきました。しかし、新しいサービス事業者が新しい姿や形をとって、絶えず出現してくるような環境では、こうした新しい存在をカテゴリーに分けることは、それほど簡単な話ではないかもしれません。

 

・・・

 

規制当局はさらに広い範囲に対して注意を向けていく必要が出てきそうです。金融の担い手に対して監督を行うことから、金融の活動を監督することへと移行する必要性が生じそうです。

 

 ボーダレスにマネーがあっちへこっちへ流れていくのだから、金融規制当局が金融活動をより直接的に規制できるよう、権限を強化すべきだと言っています。マネーを通じた世界のコントロール権限を規制当局に与えるべきだとラガルド氏が主張していると受け取っても、極端とはいえないかもしれません。

 

 

国境を越えて手を伸ばすことが非常に重要です。というのも、私たちが対象とする規制の対象が広がるからです。国ごとに存在する主体から、国境を越えた活動へと、規制の焦点が移行していきます。地元にある銀行の支店から、量子暗号化された国際取引へと規制の対象は拡大するのです。

 

国際通貨基金 (IMF) には 189 か国が加盟しており、こうした議論を行うのには最適な場所 となります。

 

 上記のような金融規制権限をIMFに与えるべき、だと言っているのです。IMFが世界支配の野望を抱いていると考えても、極端な考えとは言えないでしょう。

 

IMFもまた進んで変化を受け入れなければならないでしょう。新たな対話相手を招き入れることもそうですし、デジタル版のSDRの役割を考慮することもそうです。

 

つまり、IMFもポッドでの旅に前向きなのです。

 

 IMFが暗号通貨版SDRを発行し、これを介して世界のマネーをコントロールしたいのでしょうか。

 

 

3. 人工知能

 

皆さん、安心してください。それでも、人間は必要です。

 

・・・

 

機械が金融政策を支配することになるとは私は思いません。2040年に、中央銀行に出勤した総裁は血の流れる人間で、扉を開くと、人間のスタッフが総裁を迎えることでしょう。少なくとも、そこには生身の人間が数人いるはずです。

 

 エリートの世界でも、淘汰が起こると言っています。少なくとも、そこには生身の人間が数人いるはず、ということは、大半が消えると言っているのです。

 

 あっ、このラガルド氏のスピーチはあくまでグローバル経済・金融界の人々に向けたもので、一般人に対して向けたものではありませんのでご注意ください。

 

**********

 

 ラガルド専務理事が見通す未来が実現するかどうかは不明ですが、一つの可能性として、頭の片隅にいれておくと良いかもしれませんね。

 

私が利用しているゴールド購入サービスのブリオンボールト。ラガルド専務理事が見通す未来に、世界通貨システムの大変動が含まれているようです。そのとき、ジャブジャブに刷られた不換紙幣の価値も動揺することになりましょう。

 

金価格と比較した先進国通貨の推移

画像ソース:World Gold Council

 

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