2018年のある時点から、日本の海外送金環境がやや厳しくなっている可能性


ネットでらくらく日本語対応「海外⇔日本」双方向送金。
私も使ってみました。ユニオンバンクの口座保有者は必須かも!?→



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2018年のある時点から、日本の海外送金環境がやや厳しくなっている可能性

2018/09/20

 

 本サイトでは米国証券口座の開設および、そのために必要な海外送金の準備や海外送金の方法を紹介しています。

 

 先日、次のような問い合わせがありました。

 

 「私のサイトで紹介している日本の某銀行→Firstrade(米国証券会社)への海外送金が、その某銀行の都合で出来ない」という内容です。

 

 どうも、その日本の某銀行は

 

  • マネーロンダリングおよびテロ資金供与防止対策の強化のため、外貨送金の規制を強化中
  • いままでなら可能だった外貨送金についても見直しを図っている

 

のだそうです。

 

 その後個人的に海外送金に関して調査しました。現時点での結論は以下です。

 

  • 2018年以降の日本の海外送金環境は、以前に比べてやや厳しくなっている可能性を否定できない。この環境は少なくとも2019年まで続きそう。
  • 金融庁による不正海外送金対策強化が関連していると思われる。これは邦銀による国際送金処理の国際的な信用回復・維持が目的であり、日本国民に対する直接的な海外送金制限が目的ではない
  • 海外送金は現在もおそらく可能である

 

【追記:2018/11/06】中間報告
 これまで情報提供された方々、ご協力誠にありがとうございました。情報提供された方々の結果を見るに、現時点でも基本的に海外送金は出来るようです。なかにはFirstrade宛の高額送金で成功した事例もありました。

 

 ただ、失敗事例も何件か受け取りました。Firstradeといった海外法人宛の送金は失敗確率が高まるようです。一方で、Firstradeへの送金は失敗したものの、同じ銀行からユニオンバンクへ送金したら上手くいったという事例もありました。

 

 どうも、下で述べているように、金融庁が不自然な海外送金と考える事例の一つである「海外法人への海外送金」が海外送金停止のターゲットとなりやすいようです。

 

 海外送金するうえで、自らが名義人である海外の銀行口座を持っておくことが必須となりつつあるのかもしれません。本サイトでは米国の銀行であるユニオンバンクの口座開設方法を説明しています。この機会に口座をつくっておくと便利かもしれません。ユニオンバンクは日本で口座開設可能です。

 

 

目次

 

金融庁による不正海外送金対策強化の動き

 まず、現状の日本の金融当局の動きを、金融庁が2018年8月に公開したこちらの資料をもとに説明します。
【金融庁】マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の現状と課題

 

 2018年2月に金融庁が「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を公表しました。このガイドライン公表後から、金融庁は各邦銀に対する、海外送金におけるマネーロンダリング・テロ資金供与防止対策強化に乗り出したと考えられます。

 

 金融庁が2018年2月にガイドラインを公表した理由は、大きく次の2つです。

 

  • 現在、日本の銀行によるいくつかの海外送金や国際決済の事例を海外当局や海外議会が問題視しており、日本金融システムの国際的な信用喪失を防止するため
  • 2019年秋に実施予定のIMFによる金融審査(第4次FATF対日相互審査)にパスするため

 

 特に2番目が重要だと考えられます。FATF対日審査は5年に一度、IMFにより行われる審査です。もし落第点をもらうと、金融制度を是正するよう国際機関から責められ続けられることになります。また金融株が暴落するなど、市場に混乱をもたらすリスクもあります。
【財務省】対日金融審査について

 

 つまり、金融庁は日本の金融機関がこれからも国際的なルールの枠組みで国際送金を行えるよう、審査を前に万全の準備をしておきたいのです。これが、2018年のある時点を境に日本の海外送金が以前よりも厳しくなっている一番の理由だと考えられます。

 

 金融庁の資料をみるかぎりは、決して資本移動規制が目的であるとは言えませんので、そこは誤解してはいけません。

 

 しかし、2019年秋に第4次FATF相互審査が実施されることもあり、少なくとも2019年末まではこれまでより海外送金しにくい環境が続きそうです。

不自然な海外送金事例から考えられる対処法

 では金融庁はどのような海外送金の事例を問題視しているのでしょうか。「日本の某銀行→Firstrade(米国証券会社)への海外送金が出来ない」という問題に関係するであろう事例が見つかりました。

 

※太字・赤字は私が付加したもの

事例1 不自然な送金が実行された事例

 

<概 要>
約1か月の間複数回にわたり、金融機関の個人口座に現金で持ち込まれた多額の現金が、十分な確認を経ず、外国銀行の海外法人口座に送金された
<事案の経過>
顧客がこれまで個人取引を行っていた支店や他の支店に、複数回にわたって現金を持参し、その都度、口座への入金及び全額の海外への送金を依頼。資料を提示しながら海外法人への貸付目的と説明した。
送金依頼を受けた金融機関は、当該送金人の住所・氏名・送金目的を示す資料が揃っていることから、犯収法等の違反はないとして送金取引を実行。送金に当たって、海外送金責任者に速やかに情報が報告されず、管理部門にも情報伝達が行われなかった。
<課 題>
多額の現金を持参して口座に入金し、海外法人に対して、貸付金の名目でその全額を送金するといった、当該顧客にとって、これまでにない不自然な取引形態であったにも拘らず、犯収法等で規定された最低限の資料の確認(本人確認等)に止まり、送金目的の合理性、送金先企業の実態・代表者の属性、資金源等、送金のリスクについて実質的に検証が行われず、複数回の高額送金が看過された。
短期間のうちに頻繁に、多額の、取引直前の現金入金による送金が続いた点等を踏ま
え、営業店又は管理部門で危険性を検知し、取引実行の前に、以下のような点を確認すべ
きであった。
- 検証すべきだったポイントの例 -
・ 取引直前の現金入金に基づく多額の現金送金の合理性
・ 短期間に頻繁に多額の送金が行われる事情
・ 個人の生活口座を通じ海外企業に送金することの合理性
・ 貸付の経緯、送金の資金源
・ 入金申込のあった支店で取引を行う合理的な理由
さらに、外部からの指摘を受けるまで問題意識を持たず、再発防止策や態勢見直し等の対応を行っていないほか、海外の送金先口座からの資金の移動状況を、送金先銀行に確認するなどの情報収集を行っていないなどの課題が見られた。具体的な対策の実施と併せて、ガバナンスの強化や関連部署間の連携が重要となる。

 

 上の事例および金融庁の報告項目(固有リスク)をみるかぎり、次の要素が海外送金の成否に関わりそうです。

 

  • 送金額(高額だと送金できない確率が高まる。200万円が一つの目安)
  • 送金先の海外口座種類(個人または法人。法人口座だと送金できない確率が高まる)
  • 送金頻度(頻度が多いと送金できない確率が高まる)
  • 送金目的

 

 Firstradeといった海外証券会社に送金する場合、2番目の「送金先の海外口座種類」に必ず引っかかります。送金相手が「海外証券会社」や「海外証券会社が提携している清算機関(クリアリングハウス)が保有する法人口座」といった法人口座となるためです。

 

 必ずしも「邦銀→海外証券会社」への海外送金ができないとは断言できません。実際、私は2018年に「SMBC信託銀行→ユニオンバンク(6月)」や「トランスファーワイズを使った、日本とユニオンバンクとの双方向海外送金(3-4月)」に成功しています。

 

 金融庁が提示する不自然な海外送金の事例を見る限り、次の3つを守れば海外送金ができる確率は高まると考えています。

 

  • 1回の送金額を高額にしすぎない(目安は200万円以下)
  • 送金先を個人口座にする(特に自分名義の個人口座)
  • 送金頻度は多くても1ヶ月に1回にする

 

 特に重要なのは2番目です。2番目を満たすためには海外の銀行口座を開く必要があります(ユニオンバンクなど)。

 

 海外の銀行口座を一つ持っているだけで海外送金の利便性は大きく高まりますので、これを機に1つ開設しておくと良いかもしれません。

もしよろしければ情報提供にご協力下さい

 とはいえ、私も外部の人間なので当然海外送金の実態についてはよくわかりません。

 

 そこで、もしよろしければ「2018年2月以降に海外送金された方で、海外送金できたか否か」について情報提供していただければと思っています。

 

 教えていただいた内容をもとに、現在、どのケースで海外送金可能・不可能なのかをまとめて、いずれ本サイトで結果を公表したいと思っています。そしてもう少し確実な対応策についても書けたらよいと思っています。

 

 もしよろしければ、以下の注意をご覧になったうえで、その下のリンク先から皆さんの海外送金の結果について情報提供をお願いします。

 

【重要】入力された情報の取り扱いについて

 入力された情報は、現在の日本の海外送金環境の把握や、当サイト・メールマガジンの海外送金に関する記事の改善のために利用させていただきます。それ以外の用途で利用することはありません。

 

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