Fed副議長の後任クラリダ氏「ポール・ボルカーは私の英雄の一人だ」


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Fed副議長の後任クラリダ氏「ポール・ボルカーは私の英雄の一人だ」

2018/04/18

 

【2017/04/17 日本経済新聞】FRB、利上げ路線堅持 副議長に中道派クラリダ氏指名

 

トランプ米大統領は16日、空席だった米連邦準備理事会(FRB)の副議長にコロンビア大教授のリチャード・クラリダ氏(60)を指名すると発表した。同氏は金融政策を専門とするエコノミストで、現体制の緩やかな利上げ路線を支持する人材だ。過激路線を強めるトランプ大統領だが、FRB人事は市場の混乱を防ぐ穏当路線を保っている。

 

 今後のFedの金融政策が、イエレン議長時代までと比べてダイナミックで変化の大きなものになる可能性がますます高まった。

 

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リチャード・クラリダ氏について

 リチャード・クラリダ氏はハーバード大学で博士号を取得した経済学者で、現在はコロンビア大学大学院の教授、投資会社PIMCOのグローバル戦略アドバイザーを務めています。

 

 ブッシュ政権のときには経済政策担当の財務省次官補を務めた経験があります(ちなみに就任初日は奇しくも2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件発生日と同日でした)。

 

 クラリダ氏はマクロ経済学の専門家で、金融政策、為替、金利、国際資本フローという、世界金融・経済システムの根幹部に関する研究を行ってきました。

 

 クラリダ氏はこれまで、Fed、ECB、日銀、イングランド中央銀行(BOE)等の世界の主要中央銀行に、研究内容の紹介のために頻繁に招待されてきました。

 

 またリーマン・ショック後、FedやBOEの金融政策運営で強く意識されている「自然利子率」という概念に関するFedの認識を、クラリダ氏が改めさせたことでも知られています。
【Wikipedia】Richard Clarida

 

 つまりクラリダ氏は、先進国中央銀行に一目を置かれるくらい、世界的に極めて影響力の大きな人物なのです。

 

 前任のフィッシャー氏はバーナンキ元Fed議長やドラギECB総裁の師匠であり、経済学の標準テキストの執筆者でもあり、世界的に極めて影響力の大きな経済学者でした。

 

 今回もフィッシャー氏の頃と同様、クラリダ氏は経済学の専門家ではないパウエルFed議長の右腕として、実質的な金融政策の実権を握っていくと考えられます。

 

常識破りの金融政策にご用心

 クラリダ氏の金融政策を見通す上で、いくつかのヒントが見つかりました。ソースはこちらです(ポッドキャストも聞く必要あり)。
【2017/08/04 Bloomberg】Richard Clarida of Pimco on the New Neutral of Monetary Policy
【DOW JONES】White House Weighs Richard Clarida for Fed Vice Chairman

 

  • 彼はリーマン危機収束後のFedの対応を「正常化への動きが遅すぎる」「(市場との)コミュニケーションがあまりはっきりしない」として批判している(ただしリーマン危機時の対応は高く評価している)
  • 2011年にオバマ政権からFed新理事への打診を受けたが、断っている(このとき代わりにFed理事に就任したのが、パウエル現Fed議長)
  • 2017年8月当時(Fedは緩やかな利上げをしており、資産縮小発表の憶測が流れていたとき)のFed金融政策は、「緊急時→通常時」に戻しているだけであり、金融引き締めと呼べるものではないという認識

 

 2011年はバーナンキ議長、イエレン副議長の時代です。クラリダ氏が打診を受けたのは2011年8月ですので、ちょうどQE2が終了したタイミングです。

 

 バーナンキ~イエレン路線は、リーマン後に緊急時対応として量的緩和(QE1)を行ったものの、緊急事態が去ってもQE2、QE3と量的緩和政策を続け、その後しばらく金融政策を放置した後、足音を忍ばせながらそーっと、徐々に徐々に金融引き締めを開始していったというもの。

 

 やるだけやって、(地雷の撤去のような)残処理は先送りという官僚的なやり方だったことが特徴です。

 

 つまりクラリダ氏は、バーナンキ~イエレン路線のようなメリハリがなく、問題を先送りするだけの保身的な金融政策に否定的な人物なのです。

 

 さらにクラリダ氏は、ポール・ボルカーFed前議長を「私にとっての英雄の一人だ」と賞賛しています(上にリンクを貼ったブルームバーグのポッドキャスト、25分あたり)。

 

 ボルカー氏といえば、当時長引くスタグフレーションで疲弊していた米国において、「金利」ではなく「量」を金融引き締めの直接的ターゲットにするという、当時の金融政策では異例中の異例の政策を断行し、見事10%を超えていたインフレ率の沈静化に成功した人物です。

 

 「量」に対する引き締め目標をまず示し、それを実現するための手段として(仕方ないという印象を与えながら)政策金利を引き上げることで、政策金利の大幅な引き上げに対する非難を押さえつけながら、インフレ退治を行いました。1980年には政策金利が20%にも達しました。

 

 金融引き締めは景気悪化と失業の増大を招いたとして多くの非難を受けながらも、常識破りで大胆な金利引き上げ策を実行し10年続いた米国のスタグフレーションに終止符を打ったのです。その後は金利を大きく引き下げ、米国経済・マーケット復活の礎を築きました。

 

ボルカーFed議長の頃のFed政策金利

画像ソース:TRADING ECONOMICS

 

 「極端な政策金利の上下動」が明らかですよね。こうした金利操作を実行した人物を、クラリダ氏は賞賛しているのです。

 

 「メリハリのない、問題を先送りするだけの保身的な金融政策」に否定的なクラリダ氏。
 「これまでの常識を覆す、極端な政策金利の上下動を伴う、破天荒な金融政策を実行し米国の危機を救った人物」を賞賛するクラリダ氏。

 

 

 彼は述べています。

 

【2017/04/17 Bloomberg】Powell’s Inner Circle Takes Shape With Clarida as Fed’s No. 2

“We could get four hikes if the growth in the economy is stronger because of the tax cuts,”...“But importantly, also, you’d actually need some indication that inflation is moving up too quickly for the Fed’s taste.”

 

 Fed(組織)としては4回の利上げという方向性だが、個人としてはFedがインフレ率の上昇が早すぎると感じるくらいの兆候が、2%のインフレ目標を超えるためには必要だと考えている、ということです。

 

 彼の金融政策は、バーナンキ~イエレン路線のもと、ぬるま湯に浸かり続けてきた市場にはかなり刺激的なものになるかもしれませんね。

 

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