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欧州系アルファベット組織の発言にはご用心

2017/07/27

 

【2017/07/26 ブルームバーグ】IMF:ECBは緩和策維持を-ユーロ圏の景気見通しに下振れリスク

 

IMFは25日公表したリポートで、「インフレの道筋がECBの物価安定目標に向けて持続的な上昇を見せるまで、金融政策はしっかりと緩和的な状態を維持すべきだ」と言明。またインフレ率については、ユーロ圏全体の平均を押し上げるため、域内の一部の国は目標水準を「長期にわたり」上回ることを容認する必要があると指摘した。

 

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 IMFはECBに対し、量的金融緩和策を基本的に継続するよう求めているようですが、現行の金融政策のルールではECBが金融緩和を続けることは不可能です。

 

 ECBは欧州各国の国債を、各国の経済規模に応じた水準で購入を続けています。つまり欧州で最も経済規模の大きいドイツ国債を中心に債券を購入しているわけです。

 

 しかし現在、ECBの債券購入プログラムでは、欧州の中央銀行が保有できる単一証券の上限は、その証券の発行残高の33%と定められています。

 

 この上限にドイツ国債が近々達してしまうのは確実であるため、ECB(および欧州各国の中央銀行)による現行ペースでの量的金融緩和の継続は事実上不可能なのです。

 

 ドイツ銀行による最近の分析によれば、ECBが現在購入できる残りのドイツ国債は、現在までの発行分1140億ユーロと、現在から2018年末までの新発分最大730億ユーロとを合わせて、大体1850億ユーロ程度のようです(再投資分の購入含む)。
【2017/07/25 Zero Hedge】When Will The ECB Run Out Of German Bunds To Buy: Here Is The Math

 

 分析内の数字を利用してちょっと計算してみると、現在ECBはバランスシート拡大のために毎月平均83.3億ドル程度のドイツ国債を購入しているようですので、このペースを維持すると今月から来年末までのドイツ国債の購入額は単純計算で1500億ユーロとなり、一見足りるように見えます。

 

 しかしこれは満期を迎えたドイツ国債の再投資(バランスシートの拡大のためではなく、縮小を防止するための措置)を含んでいません。ECBのドイツ国債再投資額は2018年までに400億ユーロ程度が見込まれており、これを含めるとECBは来年末までに1900億ユーロのドイツ国債を購入することになり、限度を超えてしまうのです。

 

 よってECBは今年中、遅くとも来年6月ごろまでにはテーパリングを発表し、早急に実行に移さなくてはなりません。

 

 例えば来年はじめから(トータルの)債券購入ペースを従来の毎月600億ユーロから400億ユーロに1/3減額すると、ドイツ国債の毎月平均の購入ペースも83.3億ユーロからその2/3の55.8億ユーロ程度になります。

 

 すると今月から来年末までにECBが購入するドイツ国債は、2017年の残り分約500億ユーロ、2018年分およそ667億ユーロ、再投資分400億ユーロ合わせて1570億ユーロ程度になり、限度と見込まれている1800億ユーロ以内に落ち着くことになります。

 

 しかしそれでもなお、2019年以降はドイツ国債が不足すると見込まれています。よって2018年末までに、さらに債券購入ペースを落とすか、そうでなければ債券購入プログラムのルールを改正しなくてはならないでしょう。

 

 

 緩和的な状態を維持すべきであるとするIMFの声明は、慎重に吟味しなくてはなりません。少なくとも単純に量的金融緩和政策を現在の枠組みで続けるべきだと捉えることはできないのです。

 

 ECBは最近の理事会で量的金融緩和継続方針の声明を発表しているので、IMFもそれに追随しているだけかもしれません。

 

 しかし一方でIMFは本当に量的金融緩和政策の継続を求めているのかもしれません。その場合は現在の枠組みを変えてまで緩和を継続しろと言っていると捉えなければならず、債券市場機能の完全崩壊も辞さない、極めてラディカルな発言として受け止めなければなりません。

 

 そもそもIMF自体、非常にラディカルな機関です。

 

 IMFは経済的苦境にある国に米ドル初めとした外貨を融資する、新興国への最後の貸し手のような役割を担ってきました。

 

 「経済的苦境にある国への最後の貸し手」と言えば聞こえはよいですね。

 

 それでは「経済的苦境にある"個人"への最後の貸し手」と言われれば、何を思い浮かべますか。

 

 私だったら「消費者金融(サラ金)」とか「サブプライムローン貸し出し企業」を思い浮かべます。皆さんも同じようなものではないでしょうか。

 

 「経済的苦境にある"個人"への最後の貸し手」といわれれば、どうしてもネガティブな印象を持ちやすいものです。

 

 IMFが80年代、90年代以降行ってきたことは、"個人"が"国家"に変わっただけです。もちろん債務者に求める"見返り"も、国家レベルに跳ね上がります。

 

 経済的苦境にある国家に対し、緊縮財政や開放経済を求め、結果的にグローバリズムに合ったように国家のあり方を変えようとしてきたわけです。利息を払うのが難しくなれば、国家の信用はがた落ちとなり、国家の資産も大暴落し、ハゲタカ外資の餌になっていくのです。

 

 ギリシャを見ても、年金大幅カット、課税大幅強化、保険料増額、国営火力発電所の売却(民営化)最近販売が再開されたギリシャ国債の購入で外資系ファンドマネージャーやヘッジファンドが早くも儲けを出すなど、IMFの経済困窮国"救済"プログラムの"成果"はしっかり出ています(まぁ、ギリシャ"救済"プログラム立案にはIMFだけでなく、EUやECBも参加しているのだけれども)。

 

 ここに水道の民営化も加われば完璧ですね。いくらでも値上げし放題!

 

 消費者金融やサブプライムローンの貸し出しよりも、はるかに厳しいペナルティを設けて、国家のあり方さえも変えさせる役割を担ったのがIMFです。ラディカルですね。

 

 そんなIMFですが、今後10年のあいだに本部をワシントンDCから北京に移す計画があるそうです。

 

 今後欧州なんかは、不良債権問題等により長期間の経済・金融苦境に立たされる可能性が非常に高いので、IMFが経済的苦境にある国を本当に助け気があるのであれば、すでに国際金融システムが確立されているワシントンにそのままいたほうが自然な気もします。

 

 にも関わらず、ワシントンを出て行って、今後世界経済・金融の一つの大きな中心になると言われる、欧州の反対側のアジア地域に進出するということは、欧米、特に欧州を部分的に見捨てるものと捉えられても仕方ありません。

 

 こうしたことを考えれば、IMFがECBに対し量的金融緩和を続けろというラディカルな発言をするのも、納得がいきます。

 

 彼らは大好きなんです、レバレッジをかけるのが。そして大変動を起こすのが。天空まで飛び立たせるのも、どん底まで突き落とすのも。

 

**********

 

 最近、EUの傲慢で強権的な姿勢がますます明るみに出てきている印象があります。

 

 ポーランドの司法制度改革に対し、EUがポーランドへEU加盟国としての議決権停止という制裁措置をかけるぞと脅して、事実上「ポーランドの国家主権よりブリュッセルのルールが優先される」との姿勢を露にしたり。

 

 EUが大富豪ジョージ・ソロスと組んで欧州にイスラム系難民をわざと大量流入させて、欧州をイスラム化させようとしているとのハンガリー首相の発言が出てきたり。

 

 (少なくともジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ財団が、数多くの国際NGOに資金提供してイタリアに大量の難民を移送するネットワークを形成していたことは事実の模様)

 

 ECBとかEUとかIMFとか、アルファベットの欧州系組織の発言や声明は、もうまともに信用してはいけないですね。めちゃくちゃなことを言っている、やっている前提で捉えたほうが、国際情勢を見誤るリスクを幾分減らせるでしょう(経済・金融レポートなんかは、参考になる部分もあるので見るけれども)。

 

 これが、本記事で一番言いたかったこと。

 

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