人間の行動は信じることから始まる?-教養は人間社会で豊かに暮らすための道標-
今回は自ら能動的に信じられることを探すことに関して、教養の重要性についてちょっとだけ話します。
こちらの記事で書いたように、どうやら人間の行動の源は無意識的、直感的に「正しいと信じること」にあるようなのです。
自分の日常生活や偉人の発言を振り返ったり、確証バイアスという信じたことを前提に行動する人間の心理的習性を考えたりすると、信じることが人間が前に進むためのパワーの源のように思えてきます。
もし仮にそうだとするならば、何を信じればよいのかということが問題になってきます。
信じることは人それぞれで、信じる内容もプロセスも結局各々の好きなようにやるしかないでしょう。 とはいうものの正しいと思えるものが詰まっているところはなんだろうと考えて一つ挙げるとすると、それは教養なんだと思います。
教養は人間社会で豊かに暮らすための道標
思考や行動を生み出すための源となる正しいと信じられそうなこと、これは教養に多く詰まっているのではないでしょうか。 特に歴史や個人の思想、心理学といった人間に関する教養が重要だと思っています。
何故人間に関する教養が大切なのかと言うと、人間社会で豊かに暮らすための道標が詰まっているからです。 私たちが暮らしているのは紛れもなく人間社会なのですから、人間がどういう生き物で、どういう不変な性質を持っているかを知っていることは確実に有利になるわけです。
上手く応用を利かせば、得た知識を自分の好きなように具現化して世のため他人のため、自分にために活かすポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。
例えば歴史を学べば権力者は傲慢で嘘だって平気でつくこと、国民の愚かさ、興亡の繰り返し、こうした変わらない人間や人間社会の性質がわかります。
こういうことを知っておけば、現実でも政治家がアピールのためにどんなにポジティブな発言をしたってコロッと騙されることが大分減りますよね。
社会が衰退に向かっているときは想像をはるかに超えた酷い出来事が起こって誰も自分を守ってくれないことがあり得るから、悪影響を最小限に抑えるために自分で出来る対策を今のうちにしようと考えられますし(例:副業、資産の分散、外国語習得など)。
個人の思想や伝記を学べば、人間社会や自然の摂理をどのようにアイデアや行動に昇華させていけばよいかの例がわかります。 本当に信用できる、使えそうだと思える思想に出会えれば、それを直接現実社会に生かす事だって可能でしょう。
例えば私の場合はナシーム・タレブの著書からサバイバル論を学び、これをきっかけに本サイトの運営や投資を始めています。 そして社会がどのようになっても個人的に生き延びられるスキルや実績を積み重ねることを軸にこれからも活動していこうと決めています。
心理学を学べば、自分の心理をより客観的に把握して冷静に自分を見つめられるようになりますし、相手の気持ちを読んだ上での行動を取れるようになるかもしれません。
人間はイメージを膨らませやすいものに対して好意を抱いたり理解しやすくなるから、プレゼン資料を書くときは出来るだけ具体的でイメージしやすいわかりやすい文章を心がけようとか。
人間は無知であるほど妄想による根拠のないことを自信満々に言える生き物だから、威勢だけは良い人の発言は真に受けないようにしようとか。
(他にも本サイトでもいくつか心理的性質を現実に応用するためのアイデアをいろいろ自由に書いているので、興味があれば見てみてください。)
このように信じられそうなことが多く詰まった教養というのは、自由に現実社会に応用できるポテンシャルを秘めているのです。
残念ながら日本の教育ではほとんど人間に関する教養は教えられません。 歴史では戦争や革命といった出来事は教わっても、何故こうした出来事が起こったのかを人間の心理面(権力やお金に対する欲望、群集心理など)に掘り下げては中々教えてくれません。
科学も数学や物理、化学の理論や公式は教えてくれますが、こうした理論や公式を誰がどのようにして、何をきっかけに発見したのかという人間ドラマについてはほとんど教えてくれません。
人間社会で生きているのですから、人間について知ったり、人間の性質目線で物事を見ることが世の中に役立つだろうと考えるのは気づけば当たり前ですが、何故か学校では教えてくれません。 不思議ですよね。
よって自分で本を探すなどして教養を学んで、信じられそうな情報やアイデアのストックを溜めることが大切です。
そこから自然と本当に信じられるもの、やっぱり完全には信じられないもの、嘘だと思うものを取捨選択していき、本当に信じられるものだけを確証に変えていけば、だんだんと世の中を見る目や行動の方向性が広がっていくのではないでしょうか。
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