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何故終わりよければすべてよしと考えるのかその1

   前回の記事で、私たちは終わりよければすべてよしと考えてしまいやすいことを話しました。


   では何故私たちは終わりよければすべてよしと考えてしまうのでしょうか。 つまり、心理学的に言えば何故Peak-end rule と Duration neglectが私たちの心理に働いているのでしょうか。


   このようなことを考えるときに大切なのは、私たちのSystem1が得意なこと、苦手なことを認識することです。


   私たちは本能的にSystem1に従うようにできています。 System1が得意なことを行い、System1が苦手なことはあまり行わない傾向にあります。 よってSystem1について考えることによって私たちの心理をより深く知ることができます。


   System1が得意なこと、苦手なことを考えたときに、次の3つが終わりよければすべてよしと考えてしまう由来を教えてくれます。

  • System1は平均を考えることが得意
  • System1は合計を考えることが苦手
  • System1は自分の中の狭い世界にある物事を常識と考える

   まずSystem1は平均を考えることが得意で、逆に合計を考えることは苦手です。 これと終わりよければすべてよしとには、次のように密接に関係があります。


   ダニエル・カーネマンら4人の心理学者によって次のような二つの実験が行われました。 これはPeak-end ruleとDuration neglectを発見する基となった実験でもあります。

  1. 一方は60秒の間、手を14℃というちょっと冷たい水につけた後にタオルで手を拭く。
  2. まず初めの60秒は上と同じように手を14℃の水につけ、その後さらに30秒間、今度は15℃の水に手をつけた後にようやくタオルで手を拭く。

   その後被験者たちに、どちらの方が不快に感じたか感想を聞いたのです。


   普通に考えれば、長時間冷たい水に手をさらした2番目の方が嫌な経験だと思うはずです。 しかし驚くべきことに、なんと冷たい水に手をさらした時間が少ない1番目の方が、より長時間冷たい水にさらした2番目よりも不快に感じたという人の方が多かったのです。


   時間の移り変わりによって、冷たい水に手をつけたことによる痛みをグラフ化すると下図のようになるでしょう。 上のグラフが1番目の実験内容に関するグラフ、下のグラフが2番目に関するグラフです。 (下図はあくまで想像です)

痛みのグラフ1

痛みのグラフ2


   斜線を引いた領域は、冷たい水に手を浸したことによるダメージの合計を表しています。 2番目の方が、30秒だけ余分に15℃の水に手を浸したので1番目よりもダメージが大きいです(赤い斜線部分)。


   よってもし私たちが不快の思い出を不快の合計で残っているとすれば、斜線部分の面積が大きい2番目の方が嫌に思うはずです。 しかしSystem1は合計を考えることは苦手なので、斜線部分の面積で不快な思い出が残っているわけではないのです。


   一方上の二つのグラフを平均で考えるとどうなるでしょうか。 平均で考えると、下の赤線で引いた部分の高さがポイントになるわけです。

痛みのグラフ3

痛みのグラフ4


   二つのグラフを比べると、2番目の方が1番目よりも赤い線が低い位置にあることがわかります。 つまり平均で考えれば、2番目よりも1番目の方が不快に感じるということです。 そしてSystem1は平均を考えることが得意です。 これは平均を無意識のうちに考えているということを意味します。


   私たちが合計よりも平均を、無意識のうちに直感的に使っていることを考えると、上のグラフたちから私たちが1番目の短時間手を水に浸したときの方が不快に感じるということがわかります。


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