プライミング効果による、言葉や表情と気持ちや行動意欲との結びつき


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プライミング効果による、言葉や表情と気持ちや行動意欲との結びつき

   私たちの人間らしい心理を表すSystem1の性質の一つである連想能力、プライミング効果。 プライミング効果は私たちの言葉、イメージと感情とを結びつける力があります。

言葉が表情や行動を変える

   いつもポジティブな発言をする人は明るく見えますよね。 逆にネガティブな発言をしている人は暗い人だと感じてしまいます。 またいつも難しそうな理論めいた話をしている人は無愛想なイメージを持ってしまいます。


   また私たちは言葉に対するイメージを持っています。 「がんばろう!」「明日はきっとできる!」といった言葉に対してはポジティブな印象を持ちます。 一方で「俺にはできない」「疲れた」といった言葉に対してネガティブな印象を持ちます。


   これはプライミング効果によるものです。 私たちは言葉を、言葉自身がもつイメージとを無意識のうちに連想させているのです。 つまりプライミング効果によって「ポジティブな発言をする→明るい」とか「ネガティブな発言をする→暗い」という連想を知らぬ間に行っています。


   しかし何もこうした連想は気持ち的な部分にとどまりません。 面白いことにこのような言葉を発したり聞いたりして言葉が頭に植えつけられると、その言葉がもつイメージがそのまま表情や行動に表れるのです。


   例えばある心理学の実験で、若い被験者に「灰色」「忘れっぽい」「薄い髪」「孤独」といったお年寄りを連想する言葉を見せたところ、被験者の振る舞いがまるでお年寄りのように変化したのです。 実際、廊下を歩く際のスピードが通常の若者よりも著しく落ちたのです。


   私たちはお年寄りに対して動作がゆっくりという印象を持ちますが、こうしたゆっくりという印象が私たちの動作をもゆっくりにさせてしまうのです。


   つまりプライミング効果によって言葉→イメージ→行動という順序で連鎖反応が起きているのです。


   前向きな言葉を聞くと何だかやる気が上がって仕事が捗ったりすることがありますが、これも同じです。 前向きな言葉がポジティブな印象を私たちに与え、それが積極的な行動につながっているのです。

表情を変えるだけで気持ちが変わる

   上のようにポジティブな言葉が前向きなイメージを与え、さらに積極的な行動を促すのは直感としてなるほどなと思えます。


   しかし面白いことに、表情によっても私たちの気持ちは変わるのです。


   ここで表情は別に感情が伴っていなくても構いません。 特別嬉しくないときでも無理やり笑顔になれば気持ちを前向きにすることが出来るのです。


   例えばある心理学の実験で、被験者たちに口に鉛筆を咥えさせながらユーモアあふれるマンガを読ませました。 ここで一方の被験者には鉛筆を横方向に咥えさせて、もう一方の人は鉛筆を縦方向に咥えさせています。


   ポイントは、鉛筆の咥え方によって正反対の表情が無意識のうちにつくられること。 横方向に鉛筆を咥えると自然とスマイルの表情がつくられます。 逆に縦方向に咥えると、ちょっぴりしかめっ面のような表情をしてしまうのです(鏡の前でやってみるとわかります)。


鉛筆を咥えたときの表情


   鉛筆の咥えることによる表情の変化は無意識に行われるため、被験者は鉛筆を咥えることで表情が変わっていることには気づいていません。


   さて結果はと言うと、笑顔の表情をしながらマンガを読んでいた被験者たちの多くはそのマンガを面白いと感じたのです。 一方で、顔を少しこわばらせてマンガを読んでいた被験者たちは、笑顔でいた人たちよりも面白いと感じる人は少なかったのです。


   これが何を示唆するのかと言うと、私たちは表情を変えるだけでも気持ちや考え方を変えることができることです。 例え感情を伴っていなくても、自分のちょっとした工夫によって気持ちを多少なりともコントロールすることができるのです。


   Mr.Childrenの「PADDLE」という曲の歌詞にこんなフレーズがあります。


    良いことがあってこその笑顔じゃなくて
    笑顔でいりゃ 良いことあると思えたら
    それが良いことの 序章です


   気持ちを前向きにさせてくれる、私にとってとても気に入ったフレーズです。 この歌詞は上で話した内容をちゃんと反映していると思いませんか。


   もちろん良いことがあって笑顔になるのは自然なことです。 だけれども、いま話したように私たちは表情を変えることで自分の気持ちを自ずと変えることができます。


   笑顔というのは、もちろん嬉しさ、楽しさといった前向きな気持ちとリンクしています。 よって私たちは笑顔になれば、自然と気持ちも前向きになれるのです。


   気持ちが前向きになれば、仕事が忙しかったりして疲れていてもなんとか頑張れますよね。 そして頑張っていけば、何かしらの形で努力は報われていくのです。 つまり自分にとって良いことがおこるのです。


   大変な状況であったとしても笑顔でいられることができれば、きっといつか自分にとっていいことが起こるのです。

関連リンク

   ・英語は連想を自由自在に操ることで学習能率が一気にアップします

   →プライミング効果を英語学習に生かす


   ・プライミング効果を生かして財務諸表の入り口を理解する

   →3分で理解する財務諸表-賢くなるためのプライミング効果活用例-


   ・プライミング効果は進化論的な意味があります

   →人間が連想能力を持つ理由-進化の過程で身につけた人類繁栄のための知恵-


   ・プライミング効果とは何か?

   →プライミング効果とは何か-賢くなる上でとても大切な連想能力-


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