Domain Specificityとは-人間は何と非合理なのか!-


ネットでらくらく日本語対応「海外⇔日本」双方向送金。
海外送金サービスの「黒船」が日本に来航してきたぞ!



メルマガ最新号
  • [アボマガ No.55]見た目と中身、あなたはどっち派?_2(配信日: 2019/03/14)
  • [金のメルマガ No.10]最終回:備えあれば憂いなし(配信日: 2018/12/07)

→登録はこちらから

Domain Specificityとは-人間は何と非合理なのか!-

   私たちはその日の体調や置かれた状況によって言動がコロコロ変わる生き物です。


   いつもは笑顔で人の気持ちを思いやれる友人が、ある時急にストレスから今まで聞いたこともないようなキツい発言をすることがあります。 ダイエットに励んでいるときにふと街中であま~いキャラメルのにおいを嗅ぐと、我を忘れてキャラメルパフェを食べてしまいます。


   今回はそういう状況によって言動が変わる人間の性質である、Domain Specificityについて話します。

Domain Specificityとは何か

   私たちが自律神経のように、無意識のうちに常に働かせているSystem1。 このSystem1の性質で見逃してはならないのがDomain Specificityです。


   Domain Specificityとは、状況に応じて頭に思い浮かべる考えや感情、考え方が異なるという認知的性質のことを指します。


   Domain Specificityを説明するのに恰好の例が"努力"に関してです。 私たちは何故か分野によって、"努力なくして成功なし"という全うな考えと、"出来るだけ努力せずに成功したい"という甘い考えを使い分けてしまっています。


   私たちは大学受験や資格の取得など、勉強が必要な分野では目的の達成のために多くの時間を割いて努力する必要性を知っています。


   もちろんこうした当たり前の事実は子供の頃からの経験によって誰もが理解しています。 しかし例え受けたことのない資格でも、もしも取得するとなるときっと大変なんだろうな...そんな風に思いますよね。


   しかしその他の分野では、何故か私たちは目的を達成するために時間を掛けて努力することが必要であることを忘れてしまっています。 その典型例が、ビジネスや投資といったお金に関する分野と、英語習得やダイエットといった自分を磨く分野の二つです。


   何故かビジネスや投資といったお金が絡む話になると、人々は短期的に大儲けする方法を探し求めます。 ネットを見てもビジネスでは「3ヶ月で月収100万円を達成する方法」、投資ではテクニカル投資やFXといった短期の売買によって日銭を稼ぐ方法ばかりがPRされています。


   英語学習やダイエットも同じです。 聴くだけで話せるようになるとか、飲めば痩せるとか、そういった大して努力もせずに夢を達成することを目的とした宣伝ばかりされています。


   あらゆる分野でも自分の求めているものを得るためには、時間を掛けて努力する必要があることはちょっと考えれば誰でもわかることです。


   しかしお金やスキルの習得といった"欲望"や"大人になってから行うこと"というタグ付けがされた物事に対しては、何故か当たり前の事実をすっかり忘れてしまう。


   こういった人間の性質がDomain Specificityと呼ばれるのです。


   ちなみにDomainとは"領域、分野"、Specificityとは"特殊性"という意味です。 つまりDomain Specificityとは"領域に依存した特殊性"を表すのです。


   「受験、資格」といった"領域"では「努力が必要」という"特殊な考え"を持っています。 一方「お金、スキル」といった"領域"では「楽して得たい、習得したい」という"特殊な考え"を持っています。


   受験、資格、お金、スキル、こういったカテゴリーの本質はすべて「得るためには努力が必要」、ただ一つであるにも関わらず、共通の考えを持てずに領域によって特殊な考えを持ってしまうのが人間なのです。

Domain Specificityをいかに防げるかが人間性を高める条件

   Domain Specificityは私たち人間が非合理な生き物であることを表す典型であると言えます。 理由は状況に応じて矛盾した言動を取るからです。


   先ほどの努力に関する例を見ても、領域が異なることで考えが一気に変わる人間の非合理性を認識することができるでしょう。 他にもDomain Specificityの非合理性が人間にとって一般的であることが、次の例からわかります:


  • ここ数年ゲームを買ってもすぐ飽きる自分を知っているにも関わらず、新作ゲームが発売するとつい衝動買いしてしまう
  • 人に平気で悪口をいう奴に限って、人から悪口を言われるとぶち切れる
  • 選挙演説では都合の良いことを言うが、いざ当選すると公約を守らない政治家
  • 「株価が急激に下がっているときに売ってはならない」という投資の原則を何十回も本で繰り返し読んだにも関わらず、株価が1週間のうちに半分まで下落すると我を忘れて株を売ってしまう

   このように人は状況に応じてそれまでの言動と180度異なる行動をとってしまう、愚かな生き物なのです。 そしてこういう矛盾したことを行い続ける人は、周りから信頼できない人と見なされていくのです。


   逆に考えれば、いかにDomain Specificityを防げるかが私たちの人間性を高めるための至上命題なのです。 色々な領域の本質を探る思考、有言実行。 こういったことを完璧とは言わないまでも、常に目指しながら行動する。 こうしたことが本当の意味で"大人の階段を上る"ことなのではないでしょうか。

関連リンク

   ・人間は中々本質を見抜けない生き物ですが、それがかえって生きがいを感じさせてくれるのです。

   →人間の本質を満たすために、人間は本質を考えるのが苦手である


   ・人間は立場によって平気で言動を変えることができる生き物なのです

   →No skin in the gameの許容-Domain Specificityの無視が引き起こす問題-


   ・自らの言動にどの程度のリスクを背負っているか、これこそが人間の信頼度を測る最適な指標です

   →Skin in the gameとは-信頼度を測る最適な指標-


▲System1、System2関連記事一覧に戻る▲

アボカドまつりのメルマガ(アボマガ)、金のメルマガ

 あなたが知らない、「危機をチャンスに変えて経済サバイバルする」ための情報をメルマガでお教えします。だらだらとインターネットや新聞を眺めているだけの、あなたの鈍った脳内に新たな刺激と体験を注入します。


 登録は無料です。米国証券口座を利用し始めた方、「アボマガ」ご登録で日本での確定申告方法についてまとめた記事を特典としてプレゼント中です!

メルマガ登録ページへ


当サイトの関連記事


スポンサーリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加   

 

関連ページ

System1、System2とは-人間心理の最も基本的な分類-
System2はSystem1の審査人-考えてみようスイッチでSystem2が動き出す-
System2の2つの弱点-System1のシグナルをSystem2に変換できるか-
Cognitively Busyとは-不安が負担を生む-
Ego Depletionとは-感情を押し殺すことの代償-
System2は使えば使うほどエコに使える-やり始めは何事も大変-
複数の作業を同時にこなすと負担が掛かる-Switching costとMixing cost-
時間の牢獄から抜け出すことのすすめ-時間を排除し心理負担をなくす-
人間の本質は余剰と無駄にある-効率化を求める風潮へのアンチテーゼ-
不安を紛らわすバカげた対処法-自分で自分を実況する-
プライミング効果とは何か-賢くなる上でとても大切な連想能力-
プライミング効果を英語学習に生かす
3分で理解する財務諸表-賢くなるためのプライミング効果活用例-
人間が連想能力を持つ理由-進化の過程で身につけた人類繁栄のための知恵-
プライミング効果による、言葉や表情と気持ちや行動意欲との結びつき
確証バイアス(Confirmation Bias)とは-自己肯定や社会肯定の根幹-
社会の末期では確証バイアスは我々を地獄に落とす
人間の行動は信じることから始まる?-自ら信じられることを能動的に探すことが大切-
人間の行動は信じることから始まる?-教養は人間社会で豊かに暮らすための道標-
確証バイアスと医者-誤診の裏に自信あり-
アンカリング効果とは-プロにも働く強大な力-
アンカリング効果と洗脳-信頼できる情報を積極的に取得せよ-
アンカリング効果の認知心理的プロセス
アンカリング効果に潜む二つの要因-不確かさはアンカリングを助長する-
ランダムなアンカーの魔力-どんなものにも人は意味を見出す-
「安く買って高く売る」の解釈とアンカリング効果
後知恵バイアス(Hindsight Bias)とは-不当な評価の温床はここにあり-
後知恵バイアス×権威とモラルの問題
Cognitive Easeとは-System1が生み出す安らぎとリスク-
単純接触効果(Mere Exposure Effect)とは-繰り返しが与える安らぎ-
単純接触効果を学習に応用する-まず量こなせ、話はそれからだ-
単純接触効果を学習に応用する-効率を求めず量をこなすことがよい理由-
株価を見続けるリスク-Cognitive Ease祭りが中毒症状を引き起こす-
実力を運と勘違いする-慢心を防ぎ自らを成長させるための心構え-
Domain Specificityとは-人間は何と非合理なのか!-
人間の本質を満たすために、人間は本質を考えるのが苦手である
No skin in the gameの許容-Domain Specificityの無視が引き起こす問題-
Skin in the gameとは-信頼度を測る最適な指標-
Planning Fallacyとは-何故残念な計画が沢山存在するのか-
改善されないPlanning Fallacy-計画の目的はプロジェクトをスタートさせること-
Norm理論とは何か
英語学習のちょっとしたアドバイス-背景を知ることが大切-
因果関係を知りたがる気持ちは生まれつき備わっている
人間は可能性をリアルさで捉えてしまう
想像するリスクと実際のリスクとの間には大きな隔たりがある
リスクに対するリアルさを形成する要因-Availability heuristicと好き嫌い-
人はリアルさでリスクを評価する-地震保険加入比率で見るリスク管理の傾向-
人間の重大な欠陥-時が経つにつれて可能性とリアルさとのギャップが広がる-
平均回帰の無視-客観的事実を無視して直近を将来に当てはめる-
歯のケアと想定外-日常的なものからリスク管理を見直す-
帰納とリスク-不確かな分野で歴史を未来に当てはめてはいけない-
少数の法則とは何か-人は大数の法則を無視する-
少数の法則が私たちに与える影響-コイントスと投資ファンド-
仮定がおかしな結果は無意味-統計結果に対する最低限の心構え-
リスクとDomain Specificity-リスクを考える分野、考えない分野-
心理学の知識を詰め込んでも、投資心理をコントロールできるわけではない
疑う気持ちが情報に対処するための一番の基本
終わりよければすべてよし
何故終わりよければすべてよしと考えるのかその1
何故終わりよければすべてよしと考えるのかその2
System2からSystem1にもっていく

▲記事本文の終わりへ戻る▲


▲このページの先頭へ戻る▲