AIネットワーク化と智連社会

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AIネットワーク化と智連社会

2018/08/04

 

 智連社会。来るAI時代に、機械に使わされることなく、機械を上手く活用して人間中心社会をつくろうではないかという社会像のことだ。あれ、どこかで見たことがある理想論とそっくりでないか?

 

「【アボマガ No.2】AIネットワーク化と智連社会」の記事(一部)です。

 

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どこかで見たことがある理想論

 AIについてインターネットで調べていたら、「智連社会(Wisdom Network Society: WINS〔ウインズ〕)」という言葉を目にしました。

 

 智連社会とは、AIネットワーク化に向けた「人間中心の社会像」とのことで、世界的に提唱されているようです。

 

 AIネットワーク化に向けた「人間中心の社会像」は、次の3つのプロセスによる形成を目指しています。

 

  • 人機共生
  • 総智連環
  • 協調偏在
  •  

 

 [人機共生]人間が主体的に技術を使いこなすことによってAIネットワークと共生し

 

 [総智連環]データ・情報・知識を自由かつ安全に創造・流通・連結して「智のネットワーク」を形成することにより

 

 [協調偏在]あらゆる分野におけるヒト・モノ・コト相互間の空間を越えた協調が進展

 

 これら3つの進展により、もっと創造的かつ活力ある発展が可能となる人間中心の社会像の形成を目指すとのことです。

 

画像ソース: 総務省

 

 「人機共生」「総智連環」「協調偏在」の3つのプロセスにより「人間中心の社会像」形成を目指す、智連社会。

 

 これをみて私は、「啓蒙主義の再来か?」と思ってしまいました。

 

「理性」から「AI技術」の活用へ

 啓蒙主義とは、17-18世紀のヨーロッパで広く浸透した思想で神学に代表される旧来の伝統や権威を理性のもとに批判し、民衆を啓蒙しようする思想のことです。

 

 「啓」は「光を照らす」、「蒙」は無知蒙昧という意味で、教育や知識の普及という手段を用いながら理性による批判的精神で民衆を無知から脱却させ、民衆が理性によって自由に行動できるよう導く知的思想です。

 

 当時絶対王政にあったフランスでは、啓蒙主義はアンシャン・レジーム批判と結びつき、政治色の強い、激しく過激なものとなって啓蒙思想の中心地へと発展していきました。

 

 フランスでの啓蒙主義の普及、過激化は、1789年のフランス革命という形で壮大な結果をもたらしました。

 

 民主主義、人種や性の平等、個人の自由、思想・表現・出版の自由、政教分離、世俗化といった現代に通じる概念や過程は、啓蒙時代を経て世界に広まったものです。

 

 ※啓蒙主義者のうち「急進的啓蒙」と呼ばれる一部の極端な啓蒙主義者たちが、上のような概念を主張し結果的に世界中に広める役割を担ったとも言われています。
[参考書籍]精神の革命――急進的啓蒙と近代民主主義の知的起源

 

 啓蒙思想がヨーロッパ中に広まるなかで生じたプロセスの一つが「智の大転換」です。

 

 (省略)

 

 こうしてみると、「智連社会」というコンセプトは啓蒙思想を現代版にアレンジしたような人間(市民)中心社会像であるように見えませんか?

 

 人間が「理性を使いこなす」→「AI技術を使いこなす」のように変化しただけでね。

 

 

 今回は啓蒙主義と智連社会の類似性について話しました。

 

 しかし類似点はこれだけではありません。

 

 次回は、現在とフランス革命前後の類似点を比較してさらに深く考えます。
 →続きはこちら

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