近々北朝鮮有事が勃発するかもしれない~世界大動乱時代の幕開け~
2017/03/21
海外メディアの3月20日に出たニュースをざっと見て思ったこと。
「あぁ、世界が近々激変するのはもはや確実だ。」
4月中旬~下旬ごろに北朝鮮有事が勃発するかもしれない
極めて重要な報道が飛び込んできました。米国が北朝鮮に対して新たな経済制裁を課す計画があることを、米国政府関係者がロイターの取材でに明言しました。
【Reuter】Trump administration weighing broad sanctions on North Korea: U.S. official
経済制裁はどうやら北朝鮮への直接的な制裁ではなく、北朝鮮との経済関係をもつ金融機関や企業(ほとんどが中国企業)への広範囲にわたる制裁になるようです。北朝鮮への二次的な経済被害を負わせる制裁であることから、"secondary sanctions"という表現が用いられています。
例えば制裁には米国は北朝鮮との不正な決済業務を行ってきた、中国の小規模銀行に対して決済業務禁止措置が制裁内容に含まれているようです。
いつ制裁が課されるのかどうかは不明ですが、北朝鮮は中国との貿易に経済を依存しており、この制裁がもし課せられれば双方の貿易に不可欠な貿易決済が滞り、円滑な二国間貿易が出来なくなりますから、北朝鮮に対するダメージは致命的に大きそうです。
さらに米国政府関係者はロイターのインタビューに対して、北朝鮮の金(キム)ファミリーの資産差し押さえという衝撃的な案がワシントンで話し合われていることを述べていますので、米国の北朝鮮への新たな経済制裁の導入は間違いなく本気です。というかもはや北朝鮮に対する明確な宣戦布告ですよね...
このような衝撃的な報道が出てくる前の19日、米国のティラーソン国務長官と中国の習近平国家主席が北京で初めての会談を行いました。主要な議題は北朝鮮問題に関するものと言われています。
習主席もティラーソン国務長官も、報道陣に対して米中間での協力や友好関係を続けていくことを明言しています。北朝鮮問題を主要な議題とした場でこのような友好的発言が双方から飛び出したことは、米中両政権は互いの軍事衝突を一切望んでいないことを明確にする意図があると思われます。
【RT】Tillerson wraps up ‘friendly’ China visit, anticipates Trump-Xi meeting ‘soon’
見て欲しいのはこのRTの記事に出ている、ティラーソン国務長官と習主席が写っている写真です。非常に親密な様子が伝わるような写真でしょう。これを見るだけでも米中が軍事的に争うのはありえない、もし仮に軍事的衝突があるとすれば米中の政権に敵対する米中の戦争屋勢力が引き起こしたものと考えるのが現実的です。
経済・通商面での米中間のしこりは消えておらず貿易戦争に発展する可能性も十分あると思っていますが、少なくとも北朝鮮問題に関しては米中双方が協力するものと思われます。
対北朝鮮経済制裁の話も、当然今回の米中会談でもすでに話し合われているはずです。ティラーソン氏含め米国の外交官はすでに中国に対して私的にこの北朝鮮への二次的な制裁の実施について警告していましたから。
中国は表向きこの米国の経済制裁案には反対してきましたが(直接的に中国企業がダメージを被るので)、今回の会談での二国間の友好的発言や親密さをはっきりと表す写真を見れば、おそらく中国側も米国との何らかの取引を通じて米国の対北朝鮮制裁案には(中身の一部が変更となる可能性はありますが)暗黙裡に了承するのではないでしょうか。
そもそも今回の核ミサイル発射実験に関する北朝鮮の行動は中国が標的であると考えられますから(ミサイルの打ち上げ場所が中国国境寄りであることや、米韓(の戦争屋)がミサイル防衛システムTHAADの配備を決定して中韓関係が悪化し、中国が東アジアで孤立化するリスクが表面化したからそう推測可能)、中国は外交面で米国(の非戦争屋)との仲を確固とすることが現実的な選択肢なのです。
中国政府のメンツを潰さないためにも表向きは米国の経済制裁案には反対しても、裏では手を握り合っている方が現実的な見方です。
また今回の二国間の会談は中国の外交面での影響力が増大する一つの端緒になりそうです。
習主席はこうした旨の発言を"under the new era"(新しい時代において)の関係であると話しており、中国はすでに世界が新しい時代に入っていることを明確に認識しています。
今回の米中の会談でも、中国は報道陣に対して会談開催前の開会挨拶(opening remarks)の場に居残ることを許していますが、これは習政権後の中国政府の対応として異例のことだそうです。
【Bloomberg】Tillerson Reassures Xi on Trump Meeting in Brief China Trip
こうした点を踏まえると、中国は今回の北朝鮮問題の解決を通じて、アジアの外交面における国際的地位を確固としたものにしたいという願望さえも推測できます。内心はやはり北朝鮮問題は早期になんとかしたいのではないでしょうか。
今回の衝撃的なロイターの記事が出てきたのも、中国からの大まかな賛同を得たからこそ米政府がOKを出したのではないでしょうか。
すでに中国は今年いっぱい北朝鮮からの石炭の輸入をストップする経済制裁を取ってきましたが、さらに米国も経済制裁を課すのであれば、北朝鮮問題が大きく動き出すのは必至です。
具体的に言えば朝鮮戦争の完全終結~南北朝鮮の統一といった話にまで直結するような動きが近々始まることは確定的だと言えそうです。
近年の米国主導の諸外国に対する経済制裁や、日中戦争中の1941年に米国が日本への石油全面禁輸措置を取り、その後真珠湾攻撃という奇襲によって太平洋戦争が勃発した歴史から容易に推測されるように、経済制裁というのは争い勃発のサインであることがよくあります。
今回も中国がすでに石炭輸入停止措置を取っているなかで、さらに米国が経済制裁を課すことになれば、北朝鮮有事が近々勃発する確率は非常に高いものと推測されます。軍事的、非軍事的を問わず北朝鮮情勢が決定的に動く何らかの出来事が近々起こる確率は9割程度はあるのではないでしょうか。
ロイターの記事で米政府関係者は、米国政府が米軍、韓国軍、自衛隊が共同で対北朝鮮防衛措置を強化する計画についても述べています。
ティラーソン氏は中国に訪問する前に日本と韓国を訪れており、北朝鮮に対する軍事的対応は選択肢の一つだと明言してきました。今回の報道と合わせて、韓国軍、さらには自衛隊が米軍とともに北朝鮮への軍事行動に参加する可能性は十分ありそうです。
朝鮮戦争のときも日本は米軍からの要請で日本特別掃海隊を結成し、太平洋戦争中に設置された魚雷を掃討する目的で朝鮮半島の沿岸に掃海隊を派遣して戦闘行為を公式に行った歴史がありますから(→ソース)、今回北朝鮮有事が起こった際にも米軍の要請で自衛隊が何らかの役割を担わされることは十分あり得るのです。
日米のあいだには朝鮮戦争の時期に締結された、日本国憲法よりも上位に位置する多数の密約が存在しており、その中には米軍の自衛隊指揮権も含まれています。朝鮮戦争が密約を生み出した歴史を踏まえれば、今回の北朝鮮問題で自衛隊指揮権を米軍が行使することはむしろ歴史的必然とさえ思えてきます。
→【参考書籍】日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか
おそらく米中の政権は双方とも北朝鮮との大々的な戦争は望んでおらず、外交的解決を目指しているとは思いますが、外交的解決を阻む何かしらの"障害"を取り除くために軍事的衝突がどうしても不可避なのかもしれません。
北朝鮮有事が起こるとすれば、それは4月中旬~下旬あたりが第一に考えられます。
ティラーソン国務長官は4月上旬(5-6日)のNATOの会議をキャンセルしてロシアでプーチン大統領と会談します。同じく4月上旬(6-7日)には習近平国家主席が訪米してトランプ大統領とフロリダのリゾート地で会談します(先日安倍首相が訪れた場所と同様みたいです)。おそらく北朝鮮問題が主要な議題の一つであると推測されますので、北朝鮮有事が起こるとすればこの後になるでしょう。
【Reuter】Tillerson plans to skip NATO meeting, visit Russia in April: sources
一方韓国では朴槿恵氏が大統領を罷免され、5月9日に大統領選が行われる予定ですが、筆頭候補者2名はいずれも対北朝鮮で柔和姿勢を取っているので、もし軍事的衝突が起こるとすれば大統領選前になることが予想されます。
よって北朝鮮有事が起こるとすれば、4月中旬~5月9日の間のいずれかの蓋然性が高そうです。
さらに4月15日は北朝鮮の初代指導者である故金日成氏の生誕日ですから、北朝鮮有事がもし勃発するとすればこの日の前後になるのではないでしょうか。
(ちなみにティラーソン氏が北朝鮮問題をメインに話し合うためのアジア歴訪で、最初の訪問国である日本に訪れた日は3月15日、金日成氏の生誕日のちょうど1ヶ月前です)
日本では森友学園の問題が広がり続け、稲田防衛大臣の辞任につながりそうな話になっていますが、防衛大臣の入れ替わりという流れの中で北朝鮮への自衛隊の派遣等の話が出てくることも考えられます。日本の政治動向も北朝鮮有事の流れのなかにあると思って見るのが良さそうです。
おそらく昔のような世界大戦に発展することはなく、個人的にももちろん大戦にまで発展することは望んでいませんが、歴史的事情も踏まえると近々北朝鮮有事が勃発し、日本も何らかの形で関与せざるを得ない未来は現実的であると思えます。そうした心の準備だけは持っておくことが大切となりそうです。
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週末にドイツでG20が開催され、共同声明から「自由で開放的なグローバル貿易の維持」「気候変動対策の資金提供の約束」に関する文言が外されました。これはいままでの国際的な指針の継続・維持が、トランプ政権の影響力や反グローバリズムの胎動によってねじ伏せられ困難になったことを意味するものであり、国際秩序の大転換が確定したと思って良さそうです。
【Reuter】G20 financial leaders acquiesce to U.S., drop free trade pledge
20日、米国の国際外交政策を決定してきた奥の院であるCFR(外交問題評議会)の名誉会長であり、国連主導の人口コントロールの実施を提唱するなど国際的に暗躍したデイヴィッド・ロックフェラー氏が101歳で死去したという報道が出ました。
これで私は確信しました。もう戦後の時代は終わったんだ、これから新しい世界秩序に向けた本格的な過渡期が始まるのだと...
遂に世界大動乱時代の幕は切って落とされました。戦後の常識にとらわれず、大規模な変化にキャッチアップするという頭に切り替えて今後を乗り切っていきましょう。
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