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鏡よ、鏡、鏡さん… ウィキリークスの本気。2017年は現代版グラスノスチが加速するかも

2017/01/06

 

 今年、ウィキリークスは昨年以上に本気を出しそうです。

 

 →ウィキリークスのツイート

 

 2016年、ウィキリークスはヒラリー・クリントンと彼女の人的ネットワークのカネまみれの実態を暴き出し、大統領選でのヒラリー敗北にも無視できない影響を与えてきました。

 

 トランプ氏当選の最大の要因はアメリカ経済の低迷等による中間層の生活の悪化だとは思いますが、生活の苦境がマスメディアによるヒラリー礼賛というプロパガンダへの影響力を低減させ、事実や真実を素直に受け入れやすくなる認知状態を生み出したことも影響は大きいでしょう。人間は絶体絶命の苦境に立たされたときこそ覚醒するものですから。

 

 さらにウィキリークスの暴露がヒラリー支援のマスメディアの理性を喪失させて、あからさまなトランプ批判を展開しすぎて自滅した面は私たちの想像以上に大きいものと思われます。

 

 2016年のヒラリーやヒラリー陣営の醜悪な人物像を浮き彫りにする事実の公開が、アメリカ大統領選の結果にまで影響を与えるという成果を出した以上、ウィキリークスの内部告発サイトとしての信用は相当な水準にまで高まったといえるでしょう。

 

 一度大きな信用を勝ち取った企業は、その後容易に成長拡大できるもの。その論理でいえば、これからウィキリークスには世界中から内部告発情報が大量に流入していくのではないでしょうか。

 

 冷戦崩壊以降、特に2001年の同時多発テロ以降は、書籍やネット等から情報を得るような私たち外部から見ても、国際状況は明らかにめちゃくちゃだったわけです。特にサブプライムローン問題といった金融面と、米英主導の中東での度重なる戦争は誰が見ても異常だったわけです。

 

 得られる情報に限度がある外部から見て異常だと思えるのですから、内情を知る人たちの中にはとんでもない苦悩に陥っている人たちが世界中に存在していることが推察されます。

 

 いままでは苦悩に陥っても、苦悩を墓場まで持っていかざるを得なかった場合もあったかもしれません。

 

 しかしいまでは、ウィキリークスというまたとない駆け込み寺があります。

 

 アメリカの大統領選の事前予測さえひっくり返す力があったのですから、苦悩を抱えている内部関係者にはさぞかし多大なる勇気と希望を与えられたことでしょう。

 

 情報公開の波はこれからますますヒートアップしていくに違いありません。

 

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鏡よ、鏡、鏡さん… 内部関係者が内部の実情を認知することほど凄まじいものはない

 年末年始はソ連崩壊の決定打となった、1989年の東欧革命に関する本を読んでいました。

 

 →東欧革命1989―ソ連帝国の崩壊

 

 ベルリンの壁崩壊をはじめ、当時ワルシャワ条約機構に加盟していたソ連以外の6カ国すべてにおいて、たった半年ちょっとで共産党政権が完全崩壊したのが1989年の東欧革命です。

 

 ゴルバチョフの掲げたスローガンの一つであるグラスノスチ(情報公開)により、書籍、テレビ等から共産党政権の実情が国民に知れ渡っていき、ただでさえ困窮していて鬱憤を抱えていた国民が怒りの感情を爆発させて、各地で大規模デモが起こりました。特に革命のフィナーレを飾る、ルーマニアにおいて自身が催した集会で生じた大規模デモによりチャウシェスク書記長夫妻が逃亡、2日後のクリスマス当日に夫妻が処刑された話は有名です。

 

 こうした話をみると、いかに情報公開が世界の情勢に大きな影響を与えるかがわかるものです。

 

 しかし本を読んで思ったのは、確かにいままで秘匿にされてきた情報が外部の市民に知れ渡ったときの影響の大きさは去ることながら、それ以上に、隠匿されるなどして自らがいままで気づかなかった内部の実情を"内部関係者が認知"してしまうことほど影響力の大きなものはないということです。

 

 その典型例は「カネ」。カネという、責任転嫁による解決が難しい対象に解決不能な問題があることを内部者が認知してしまうと、途端にしおれてしまうものです。

 

 例えばハンガリーの鉄のカーテン(国境柵)の撤去。ハンガリーとオーストリアの間の国境柵が撤去されたことで、多くの東ドイツ国民が西ドイツへなだれ込むことが出来るようになり、共産党政権崩壊につながりましたが、これはカネの問題を認知した内部関係者の戦意喪失が原因です。

 

 国境柵が建設から40年程度経ち、経年劣化が激しく改修が急務となったものの、200億ドル程度もの巨額の対外債務を抱えていたため、もはや改修するためのカネを捻出することが困難であると内部関係者は気づいてしまったのです。

 

 ベルリンの壁崩壊も実はカネと大きな関わりがあります。1989年11月9日のベルリンの壁崩壊の直接的原因が、東ドイツ政府の誤った発表という"凡ミス"であることは間違いありません。

 

 しかし壁崩壊からほんの一ヶ月前に内部クーデターによって政権を掌握した権力者たちが、前任の書記長が隠し続けてきた再起不能な財政状況を知ったことがベルリンの壁崩壊と密接に関わっていることは見逃せないでしょう。

 

 せっかく権限を握ったにも関わらず、1,230億マルクという巨額の負債(しかも年間100億マルクずつ増えていく見込み)、粉飾決算、脆弱な経済基盤によっていつ破綻してもおかしくない状況を目の当たりにし絶望してしまったのです。

 

 何とか破産を回避するために西側からの対外融資を頼ろうとするも、もはや信用毀損の不安から、融資を受けられるかどうかも不透明だったのです。彼らは融資を受けるにしてもそれ相応の担保が必要だと考え、そこで思いついた窮余の策が...

 

 「ベルリンの壁を売るしかない...」

 

 つまり事実上東ドイツの市民を担保にして(東ドイツ国民を西ドイツに移動可能にすることで、労働資本を西ドイツに与えるということ)政権の延命を図ろうとした、そうした考えが内部に生まれていたのです。

 

 えぇ、ベルリンの壁崩壊はすでに既定路線だったのです。その原因は「カネ」。結局は凡ミスによってたった一ヵ月後にベルリンの壁は崩壊となりましたが、仮に凡ミスがなくとも崩壊は時間の問題だったのです。

 

 別にカネだけが問題ではありません。内部関係者が"内部の醜態を認識"してしまったがために、内部崩壊を起こして終わってしまうこともあります。

 

 ルーマニアのチャウシェスク政権崩壊はこのパターンです。チャウシェスクに対する直接的な大規模デモによって、チャウシェスクが狼狽した姿、狼狽が引き起こした理不尽で自分勝手な行動が内部関係者の眼前で繰り広げられて、忠誠心を喪失してしまったのです(チャウシェスク氏とその妻だけは、理不尽な精神性が全く変わらぬまま死んでいきました)。

 

 このように内部関係者が、莫大な隠れ借金、組織内部の醜態などを"認知"してしまうことが、世界変革のまたとないエネルギーとなるのです。「鏡の中の自分や自分の所属する組織」という"特異点"の爆発(ブローアップ)ほど、凄まじいものはないということでしょうか。

 

**********

 

 どうやら、世界に大きな変革が起こる場合に次の3つが重要なファクターとなるようです:

 

  • 国民生活の窮乏
  • 国の莫大な借金
  • 内部関係者が内部の醜態を心の奥底から認知すること

 

 現在、ウィキリークスに対する信頼が絶対的になったこともあり、「内部告発者がウィキリークスに情報提供→ウィキリークスが公開→内部関係者が内部の事情を認知」という経路によって、3つ目の実現が昔に比べてはるかに容易になっているのではないでしょうか。

 

 国民の生活の窮乏、莫大な借金は格差拡大とともにいま世界中に広がっていますから、上記3点セットのコンディションは整っています。

 

 あれ、ひょっとして2017年はすごいことになりそうな予感...

 

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