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米国のシリア攻撃は戦後秩序解体の狼煙?

2017/04/09

 

【2017/04/07 朝日新聞】米、シリアにトマホーク59発 化学兵器と断定し報復

 

米トランプ政権は6日、内戦が続くシリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、その対抗措置として、アサド政権軍の空軍基地に対してミサイル攻撃を開始した。米軍がアサド政権軍を狙って攻撃したのは初めて。

国防総省は事前にロシア側に通知したとしているが、米ロ関係の悪化は必至だ。

 

米軍はこれまでシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦で空爆はしているが、アサド政権軍は標的にしていなかった。米国の対シリア政策は大きく転換したことになる。

 

 ティラーソン国務長官は3月30日、訪問先のトルコで、アサド政権を容認するかどうかはシリア国民が決めることだとし、オバマ政権時代から続いてきた米国によるアサド政権打倒の方針を事実上撤回しました。

 

 シリア情勢は和平への最終段階に達しており、米国がアサド容認姿勢を鮮明にしたことでこのままシリア安定化は確実である、私を含めて多くの人はそのように考えたかと思います。

 

 しかしそのたった5日後の4月4日、米国務省はシリアのアサド政権による化学兵器の使用があったとしてアサド政権を非難する声明を発表し、再びアサド敵視姿勢に逆戻りしてしまいました。

 

 そして2日後の6日、米軍がシリア空軍基地へ59発のトマホークミサイルを発射したという出来事に至るわけです。

 

 この一連の経過を見れば、どう考えても米国はとんでもなく異常な行動をとってきたのです。背景にはいったい何があるのでしょうか。

 

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ここ一連の出来事

 まずはここ一連の出来事を見ておきましょう。一見今回の話とは関係なさそうな報道もあるかと思いますがそこは気にしないでください。

 

【2017/03/30 RT】Assad’s fate ‘to be decided by Syrian people,’ says Tillerson

 

 ティラーソン国務長官が「アサド容認」発言をしたという報道です。オバマ政権から続いてきたアサド打倒の方針とは真逆の方向性を打ち出したという、極めて重要な出来事です。

 

 実はこのアサド容認発言、ティラーソン国務長官が戦争屋の巣窟であるNATOの外相理事会に参加する前日に出てきたのです。NATOはロシア敵視、ロシアはアサド支持ですので、NATO外相理事会参加前日のティラーソン国務長官の発言はNATO、戦争屋に対するこれまでにない敵対的・侮辱的な行為となります。

 

【2017/03/31 RT】‘Crushing news’: McCain, Graham furious over Syria policy change

 

 マケイン、グラム両上院議員が米国のアサド政権への方針変更を痛烈に批判したという報道です。シリア和平への道が最終段階にあるなかで、改めてアサド転覆を願う人物がメディアを通じて炙り出された形となります。

 

【2017/04/02】Susan Rice Requested Unmasking of Incoming Trump Administration Officials
【2017/04/03 THE DAILY CALLER】Former US Attorney: Susan Rice Ordered Spy Agencies To Produce ‘Detailed Spreadsheets’ Involving Trump

 

 オバマ政権時代に国家安全保障担当の大統領補佐官であったスーザン・ライスが2016年の大統領選挙期間中、トランプとトランプ陣営の電話内容の記録を残すように米国の複数の諜報機関に依頼していたことが、ライスのドキュメントログから判明したという記事です。

 

 トランプが主張していた、オバマ政権によるトランプ陣営への盗聴というのが事実であることを裏付ける一つの重要な証拠が出てきたのです。他にも複数の関与者がいると疑われており、トランプ陣営の盗聴問題は今後世界を大きく震撼させていくことが予想されます。

 

【2017/04/04 米国務省】Chemical Weapons Attack in Syria

 

 アサド政権がシリア北西部、トルコ国境にも近いシリアのイドリブ県で化学兵器による攻撃を行ったとして、米国務省がアサド政権を非難する公式の声明を発表しました。米国のアサド政権容認姿勢がたった5日間で終止符を打ちました。

 

【2017/04/04 THE TIMES OF ISRAEL】Israeli leaders urge action, condemn Syria gas ‘massacre’

 

 イスラエルのネタニヤフ首相がシリアのアサド政権による化学兵器の使用を非難したという報道です。ネタニヤフ首相はトランプに対し、アサド政権による化学兵器を利用した大量殺戮を止めるために国際的なリードを取るよう求めました。

 

 ここでもまた、改めてアサド転覆を狙う人物がメディアを通じて浮き彫りになった恰好です。

 

【2017/04/05 RT】‘It crossed a lot of lines’: Trump on alleged chemical weapons attack in Syria

 

 トランプがシリアの化学兵器使用疑惑に関して「一線を越えた」と発言。

 

【2017/04/05 The Telegraph】US warns it may 'take our own action' if UN fails to act on Syria chemical weapons attack

 

 米国の国連大使がシリアによる化学兵器使用疑惑に関して、国連安保理決議がまとまらない場合に米国は独自の行動を取るだろうという警告をしたという報道です。

 

 ロシアがアサド支持の立場であり、しかもシリア和平が最終段階に達していたことからアサド政権による化学兵器の使用はどう考えても嘘でしょうから、今回のシリアの化学兵器使用や、その後の米軍の軍事行動に関する国連安保理決議はまとまらないことが予想されます。

 

 つまりこの報道は、今後米軍がめちゃくちゃな行動を取っていくことを予感させるだけではなく、国連に紛争解決能力がもはや存在しないことを世界に知らしめ、戦後秩序がそう遠くないうちに本格的な解体に向かっていくことすら予感させます。

 

【2017/04/05 Sputnik】Turkey Violating Syrian Sovereignty in Idlib - Syrian Ambassador to Russia

 

 シリアのイドリブ県でのトルコ軍の活動に対して、シリアの駐ロシア大使がシリアの主権と国連安保理決議を侵害する行為と非難している記事です。イドリブ県はアサド政権が化学兵器を使用した場所と言われているところです。

 

【2017/04/06 RT】Putin rebukes Netanyahu over ‘groundless’ accusations on suspected chemical incident in Syria

 

 ロシアのプーチン大統領がイスラエルのネタニヤフ首相に直接電話を掛け、何の根拠もなくシリアが化学兵器による攻撃を行ったと非難するんじゃないとネタニヤフを恫喝したという記事です。

 

【2017/04/07 朝日新聞】米、シリアにトマホーク59発 化学兵器と断定し報復

 

 米軍がシリア空軍基地にトマホーク59発をぶちこんだという報道です。今回の米軍の行為は安保理決議や米議会の承認を得ないまま行われましたが、ロシアには事前通知していた模様です。

 

【2017/04/07 RT】Turkey ‘welcomes’ US attack on Syria but believes it’s ‘not enough’ – Erdogan

 

 トルコのエルドアン大統領が米軍によるシリア空軍基地攻撃を賞賛するというもの。エルドアン大統領は米国に対して、ミサイルをぶっ放すだけでは不十分だ、シリア上空に飛行禁止区域を設けるべきだとも主張しています。

 

 トルコはいままでシリアでテロリスト退治を行ってきており、さらには昨年末にはロシア、イランとともにアサド政権と反政府勢力との停戦合意発効の仲介役とを務めた国です。

 

 つまり今回のエルドアン大統領の発言は、トルコの化けの皮が剥がれて本音ではアサド政権転覆を狙っていることを世界中に知らしめてしまったようなものです。

 

 トルコは今月16日に、事実上のエルドアン大統領の権限強化の是非を問う国民投票が行われますが、その結果にも影響を与えるかもしれません。ちなみに現在の国民投票の世論調査では、反対が僅かに優勢なもののかなり拮抗しているという状況です。

 

【2017/04/08 日本経済新聞】米上院、ゴーサッチ氏を最高裁判事に承認 共和が強行採決

 

 トランプ大統領が連邦最高裁判事に指名した保守派判事ニール・ゴーサッチ氏が、上院で54対45の賛成多数で承認されたという報道です。本来は60議席以上の賛成が必要ですが、「核オプション」と呼ばれる禁じ手を利用して単純過半数の賛成で承認とする規則変更したことで無事承認されました。

 

 共和党が禁じ手を利用した形ですが、実はオバマ政権時代の2013年に民主党が同じく禁じ手である核オプションを行使し、最高裁判事以外の人事について単純過半数の賛成で承認されるようルール変更した経緯があります。

 

 

 一連の出来事を並べてみましたが、何でこうした報道を並べたのかというと、これらの報道にはいくつかの特徴があったからです。その特徴というのは...

 

  • 戦争、盗聴といった大罪につながる行為を実行したり望んだりする複数の連中に関する報道が多く出てきたこと
  • 罪人を法的に裁く最高裁判事が承認されたこと
  • 国連の役割が低下しロシアの存在感が非常に大きいことを物語る報道が出てきたこと

 

米国のおかしな行動は戦後秩序解体の本格的な実行の合図か?

 個人的な見方はこれです。トランプ政権は米軍の滅茶苦茶な行動を通して、戦後秩序の解体をいよいよ実行に移したのではないかと思っています。

 

 何故米軍のシリアでのめちゃくちゃな軍事行動が戦後秩序の解体の合図だと考えられるのかというと、戦後の米国覇権の時代、とりわけ9.11テロ以降、米国の中東における度重なる正当性なき軍事行動が世界をめちゃくちゃにしてきたことが、国際社会においてデフォルト化してしまったからです。

 

 裏を返せば米国が軍事行動から撤退したり、軍事行動が正当化されない状況となれば、国際社会の現在の形が崩れて戦後秩序の解体へと向かうのです。

 

 トランプが大統領に就任する直前のインタビューでこんなことを言っていました。

 

  • NATOは時代遅れだ。NATOは私にとってはとても重要だ。しかしNATO加盟国のうち、アメリカ含めたった5ヶ国しかまともにカネを支払っていない。
  • アメリカはロシアに経済制裁を課してきたが、ロシアと何か良い取引ができるか模索しようではないか。例えば、核兵器を削減するとか。
  • ブッシュ政権によるイラク侵攻の決定は、アメリカの歴史上最悪だったかもしれない。

→【2017/01/16 Bloomberg】Trump Slams NATO, Floats Russia Nuke Deal in European Interview

 

 大統領就任直前ですから、大統領としての責任や世論の動向は気にせずに自分のやりたいこと、言いたいことを伝えやすい時期です。さらに元々トランプがナショナリズム的な考えを持っており、一部は実行にも移してきたことは周知の事実です。

 

 これらより、トランプは本音では米軍を海外から撤退させ、世界覇権からの撤退し、戦後秩序の解体~新秩序への移行を望んでいるものと思われます。

 

 そう考えれば、戦争から撤退し戦後秩序を解体に向かわせるために、あえて米軍にめちゃくちゃな行動をやらせて、米軍、というかむしろ戦争屋の威厳を決定的に失墜させる方向にわざと持っていくことは十分考えられるのです。

 

 米国は形式的には十中八九、シリア・ロシアに負けることになるでしょう。華々しく負けることがトランプの目的でしょうから。

 

 米国は素直に軍事行動から手を引けば良いと思う人もいるかもしれませんが、戦争によって利権を得ている連中、飯を食っている連中がこの世には存在するため、単純に軍事行動から手を引きたいからといって易々と手を引けるものではありません。

 

 もしトランプが軍事行動をやめたいからと素直に海外駐留米軍を引き返すなどの行動をとれば、利権集団からトランプは恰好の標的とされ、場合によっては命を狙われる危険すらあるでしょう。

 

 そうなると、戦後秩序を解体するためには米国が滅茶苦茶な軍事行動を取り、世界から厳しい目を向けられるように仕向けることが現実的な選択肢となります。そうすれば戦争屋にも厳しい目が向かわざるを得ず、好き勝手振舞うことが難しくなりますから。

 

 今回の米国の動き、2003年のイラク戦争のときと同じではないですか。あのときもイラクが大量破壊兵器を保有しているとレッテルを貼り、米軍が攻撃を仕掛けたんですよね。戦争屋の策略。

 

 だから今回も当然、多くの人は「戦争屋・ネオコンの仕業だ!」と思うに決まっています。そういう目線にどうしても向いてしまうのです。それが今回のトランプの目論見じゃないですか?ロン・ポールがRTのインタビューで「ネオコンの勝利」と述べていますが、これきっと演技もしくはプーチン・トランプの共同戦略でしょうね。

 

 米国の軍事行動やロンポールの発言はいずれも戦争屋を喜ばすものですが、これらは彼らの心情に油断を生ませやすくします。彼らを喜ばせて有頂天にさせることで簡単に墓穴を掘らせやすくなります。

 

 今回、米国は「アサド容認方針を5日で撤回→シリア攻撃」というサプライズ的な演出を取ってきており、その効果もあってかこれまでトランプに敵対してきた人物たちが次々とトランプを賞賛し出しています。次々と本音をこぼしている様はある意味滑稽とさえ思えてきます。

 

 サプライズ演出で戦争屋・ネオコンの気分を良くさせ、彼らに本音を語らせたところで墓穴を掘らせる、自滅させる、これがトランプたちの作戦であれば、いまのところ大成功です。

 

 いま話したこととも関連することですが、視点を変えると、米国だけではなくロシアも裏で絡んでいる別の狡猾な目的がある可能性も否めません。

 

 上にあげた報道でもトルコがなんだか怪しく見えませんか?トルコ国境近くにあるイドリブではトルコ軍が活動しており、それに対しシリアのロシア大使が非難していると、ロシアメディアのスプートニクが報道したというのは先ほど紹介しました。

 

 米軍はイドリブ南のシリアの都市ホムスにある空軍基地にミサイルをぶっ放したということですから、イドリブの南には米軍が控えているというわけです。イドリブの東にはアレッポがありますが、ここはすでにシリア・ロシア軍が制圧しています。イドリブの西には海が広がりますが、ロシアが軍艦を派遣してますね。

 

 状況を冷静に見ると、トルコ軍がいるイドリブがシリア軍、ロシア軍、米軍によって囲まれているとも見れますがどうなのでしょうか?

 

 ちなみにイドリブはカタールとトルコが提案している欧州向けガスパイプライン建設地の通り道。米軍がいるホムスはカタール・トルコが提案するパイプラインとイラン・イラクが提案するパイプラインの交差地点の近く。シリアやロシアとしては、トルコはいずれシリアから排除しなければならない存在だと思われます。

 

提案されている欧州向けガスパイプラインのルート

画像ソース:OIL-PRICE.NET

 

 今回の話は3月30日にティラーソン国務長官がアサド容認姿勢を、トルコの首都アンカラで表明したことがそもそもの発端です。アサド容認発言の前にティラーソンはエルドアン大統領と会談しています。

 

 プーチンは、アサド政権が化学兵器を使用した疑惑に対して非難したネタニヤフを「根拠のないことを言うな」と恫喝したことが、ロシアメディアのRTやスプートニクで紹介されていました。

 

 同じく化学兵器使用を非難したエルドアンはプーチンに電話を掛けましたが、プーチンはテロ退治での相互協力の重要性を話しただけでエルドアンには恫喝していません。この件についてRTやスプートニクは一切触れていませんでした。

 

 ...怪しい

 

 先にも話したように、4月16日にはトルコでエルドアン大統領の権限強化の是非を問う国民投票が行われますが、やっぱり関係があるのかもしれません。

 

 

 今回の一連の流れの中で、改めてマケイン、ネタニヤフ、エルドアンといった人物の人間性が炙り出されましたよね。トランプは米軍にめちゃくちゃな行動をとらせた上で、彼らにこれまでの戦争責任を押し付ける何らかの秘策や決定的な情報を握っているんではないでしょうか。

 

 オバマ政権によるトランプ陣営の盗聴の事実がもはや隠し通せなくなってますし、あれだけ揉めていた最高裁判事の空きも遂に埋まりましたよね。いままで好き勝手振舞って米国や世界をめちゃくちゃにしてきた人物に対する粛清の嵐の前触れではないでしょうか。

 

 今回の米国のシリアに対する一連の行動は、米国覇権の終焉~戦後秩序の解体、さらにはこれまでの戦争犯罪人の粛清という歴史の大転換に向けて、いよいよトランプたちが実行に移したことを意味するものかもしれません。

 

 具体的にどのように推移するかはもちろんわかりませんが、流れとしては結局そのような方向に向かう、向かわざるを得ないのではないでしょうか。

 

 ゴールデンウィークの到来を前にして、世界中で大きなドラマが展開されることになるでしょう。

 

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今後の推移は米国の「カネ」の問題の結末次第

 米軍によるシリア空軍基地へのミサイル攻撃はもちろんリスクはあります。再び戦争屋・ネオコン勢力を跋扈させて世界が再び大戦争時代に突入するリスクです。

 

 しかし例え危険人物が跋扈しても、それだけではどうにもならない問題があります。

 

 それは「カネ」。どんなに勢力を伸ばして権力を手中にしても、目的を達成するためのカネがなければ何もはじまりません。

 

 実は現在、米軍の金銭事情は厳しい状況にあります。もし予算案が通らなければ最悪米軍の活動が停滞し、軍事行動を起こそうにも起こせない状況が間近に迫っているのです。

 

 現在は昨年10月~今年9月末までの2017会計年度期間のなかにありますが、軍事予算に関して2017年度予算案がまだ上院で可決されておらず、法制化されていません。

 

 そのため現在米軍は、2016年度の軍事予算をベースとした暫定予算のもとで政府資金を得ている状況にあります。

 

 2016年度も17年度も金額的にはあまり変わらないのですが、予算を必要とするプロジェクトや部門、そうでないプロジェクトや部門は当然異なります。そのため暫定予算のもとで資金を受け入れているのでは、資金受け入れ先のミスマッチが生じて2017年度に必要なところに必要なカネが行き渡らない問題が生じてしまうのです。

 

 米軍は現在、こうした「資金配分のミスマッチ」という問題に直面しており、新規プロジェクトの立ち上げ延期や既存のプロジェクトの早期終了といった対応が迫られつつあるのです。
【2017/04/05 STARS AND STRIPES】Service chiefs offer images of dead soldiers, grounded planes without more funding in 2017
【2017/04/05 THE DAILY SIGNAL】Ailing US Military Needs More Than a Continuing Resolution

 

 それだけではありません。現在の暫定予算の有効期限は今月28日であり、この日までに29日以降の予算案を議会で成立させなければ連邦政府はシャットダウンしてしまうのです。

 

 期限が迫る中で予算案の内容を巡っての紛糾が予想され、果たしてどのような結末を迎えるのかはわかりません。国防総省にもどれだけ必要な予算が配分されるのかどうかもわかりません。

 

 最悪、期日までに予算案が全く通らなければ、当然米軍の活動も完全にストップしてしまうでしょう。シリアでの活動含めて。

 

 何故4月前半に米軍がシリアの空軍基地にミサイルをぶっ放したかという理由の一つは、まさにカネの問題でしょう。もし何もしないまま予算案が通らず連邦政府がシャットダウンしてしまえば、当然戦争屋にもカネが流れなくなり、トランプは彼らから恨みを買われ、彼らは予算案を通さなかった責任を口実にトランプを潰しやすくなりますから。

 

 (この予算問題の都合上、トランプは北朝鮮に対しても4月中に大々的な軍事作戦を展開するものと思われます。シリアと北朝鮮の大きな動きが同時並行的に進むでしょう。)

 

 個人的には今回のシリアに関する米国や米軍の動きはトランプたちが仕掛けたものと考えていますが、カネという切実な問題により、4月中にやれることはやってくると思います。その後どうなるかは予算問題の決着次第でしょう。

 

 今後数週間は度肝を抜くようなニュースが連発するかもしれませんが、腰を据えて世界を観察することが大切です。

 

 そういうわけで、今後世界がどうなるかは米国における「カネ」の話がどんな結末を向かうかに左右されます。米国の予算関連の動きは今後の米国の運命、そしてシリア含め世界の運命に極めて大きな影響を与えますから、しっかりと注目しておくことが大切です。

 

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