
いま知っておきたい株式市場の現実とこれからの投資スタイル
初回公開日:2016/11/03
最終更新日:2016/11/04
FirstradeやSogoTradeで口座を開設して株式投資を考えておられる方に、一つぜひ知っておいて欲しい現実があります。
それは今後世界の株価が大きく下がることがもはや時間の問題となっていることです。
「株価が大きく下がる」と聞けば投資をする意味がないとお考えの方もいるかもしれませんが、それは違います。「長期でポートフォリオを育てる」という意識で投資を行えば、これから待ち受ける状況はむしろ望ましいのです。
また今後は世界の大混乱が予想され、金・銀関連の投資商品(地金、ETF、金鉱株など)を持っておくのもありかもしれません。ETF、金・銀行株を購入するためにFirstradeやSogoTradeを開設しておくことも意味のあることでしょう。
今後世界の株価が大きく下がることは時間の問題
今後世界の株価が大きく下がることはもはや時間の問題となっています。
リーマン・ショック以降、世界の株価は趨勢的な上昇を遂げてきました。アメリカS&P500の株価はリーマン・ショック以降7年連続でプラス成長を遂げてきました。
しかし現在の株価は企業業績に裏付けられたものではなく完全にバブルによって形成されたものとなってしまいました。IMFの直近のレポートをみても、世界の株がバブル状態になっていることがわかります。
画像ソース:IMF
※元の図の「Risk-free rate」と「Equity-risk premiums」が逆だったので個人的に訂正しました
リーマン・ショック以降はアメリカの中央銀行であるFedをはじめ、世界中の中央銀行がこぞって量的金融緩和政策を行い、カネをばらまいてきました。このカネが株式や債券、不動産といった市場に流れていき、今日までバブルが形成されてきました。まさに「中央銀行相場」となっているのです。
画像ソース:FRED
しかしここ最近は市場に様々な異変が起こり始めています。
不動産市場に目を向けると北米で悪化しています。2016年10月のカナダ・バンクーバーの住宅販売件数が前年比39%減少しました。またアメリカのニューヨークでも住宅販売件数が大きな落ち込みを見せていますし、不動産市場もどんどん悪化しています。
債券市場に目を向けると2016年7月あたりから各国の国債利回りが徐々に増加してきています(下図は10年債利回りの変化を表したもの)。日本や欧州などの中央銀行がマイナス金利政策を導入中で、人為的な低金利状態にあるなかでの国債利回り上昇ですから、危険なシグナルです。
画像ソース:ブルームバーグ
アメリカの株式市場に目を向けると、機関投資家が最近市場から撤退しています。下図はバンクオブアメリカ・メリルリンチに口座をもつクライアント投資家による株式売却額を表していますが、右側の図のようにここ1年近くは年金基金などを含む機関投資家を中心に売却額が趨勢的に減少しています。
画像ソース:Zero Hedge
他にも様々な金融機関が既に重要顧客に対して株式を売却することを勧めてきましたから、投資家の株式市場からの撤退は着々と進んでいると見て良いでしょう。
しかし実はアメリカの株式を買い支えている主体が存在します。それはアメリカ企業です。実はアメリカ企業の自社株買いによってアメリカの株式市場はこれまで持ちこたえられてきたのです。
下図の青棒が表すように、S&P500企業は2013年以降、毎四半期ごとに1,000億ドル以上の自社株買いを行ってきました。これがアメリカの株式市場を支えてきたのです。
画像ソース:FactSet
しかし上の青棒を見ると、ここ3年で自社株買いの額は丸天井を帯びてきており、2016年第二四半期では大きく落ち込んでいます。前年、前々年の第二四半期と比べても減っています。息切れしているのです。
それもそのはず、いままで企業は実質的に借入たカネを自社株買いに充ててきたわけですから。企業の自社株買いによる株式市場の支えももはや長くは続かないでしょう。現在のように徐々に金利があがっている状況では、だんだんと借入するのも難しくなりますから。
画像ソース:Zero Hedge
最後に各世界株式のインデックスの動きを見てみると、アメリカ、日本、ドイツの株価が見事に一致して動いていますね。さらに赤色の新興国株式の値動きも2015年の途中から先進国株の値動きと連動しているのが見て取れます。いまや世界中の株式が連動して動いているのです。
画像ソース:Bloomberg
以上のことから、今後世界の株式市場が趨勢的に悪くなるのはもはや時間の問題といえそうです。
配当再投資を利用した長期投資をすれば資産を育てる大チャンス
株価が大きく下がる見通しがあるなかで、果たしてFirstradeやSogoTradeの口座を開設する意味はあるのでしょうか。
それは大いにあります。株価が下がるのであれば、それに応じた投資スタイルで投資すればよいのです。
実は株価が趨勢的に下がる状況というのは、配当再投資を利用した長期投資を行う人にとっては非常においしい状況です。
詳しくはこちらの記事一覧で説明していますが、「株価が下がる→配当利回りがあがる→配当再投資で購入できる銘柄数が増える→複利効果が大きく働いて、将来資産が大きく育つ」というわけです。
投資して2-3年~最大10年程度は株価の減少効果が再投資の効果より大きくなり、リターンはマイナスが続いているかもしれません。しかし時間が経つにつれて配当再投資による保有銘柄数の上昇効果が指数関数的にプラスに寄与していくので、ある時期を境に資産価値がグングン上昇して安定起動に乗せられるのです。
もちろん十分な配当支払いが長期的に出来るようなキャッシュリッチな企業に投資をしたり、高分配金利回りの長期維持が期待できる投資信託・ETFに投資をする必要はあります。そうした銘柄や投資商品の選別は必要です。
しかし適切な銘柄や投資商品さえ選択できれば、株価の趨勢的下落は中・長期(5~10~20年)でみたときに皆さんの資産を大きく増やす手助けをしてくれるでしょう。
FirstradeやSogoTradeではDRIPと呼ばれる制度を利用できます。これにより各企業から配当金を受け取るたびに、手数料無料で自動的に受取配当金をその銘柄の再投資に回してくれるので、配当再投資によるポートフォリオの育成が非常に効率的に進みます。
ですので最低でも5-10年程度は購入した銘柄や投資商品を保有したまま売らないでずっと再投資し続け、ポートフォリオの育成に力を注ぐ。そうした長期投資家の方にとってはいまからがまさにFirstradeやSogoTradeで株式投資する大チャンスなのです。
以上から特に長期投資をされる方は、いまからFirstradeやSogoTradeの口座を開設しておくと絶好のタイミングで長期投資できるのではないでしょうか。
金・銀関連株を購入するニーズにもぴったり
またFirstradeやSogoTradeでは金・銀関連株を購入するニーズにもぴったりです。金・銀ETFや金鉱株、銀行株などを購入する場合にはぜひFirstradeやSogoTradeを利用してみてください。
個人的な見解ですが今後金・銀価格は長期的に上昇するのではないかと思っています。その一番の大きな理由は世界の中央銀行が不換紙幣をばらまいてきており、各国中央銀行の信用が毀損するリスクが高まっているからです。もし信用が毀損すれば金・銀価格にはプラスに働くことでしょう。
本サイトではブリオンボールトという別の金投資サービスも紹介していますが、証券口座を利用して金・銀投資を行う場合には次のようなメリットがあります:
- 銀投資する場合には手数料が安く済みやすい
- ハイリスクだがハイリターンが期待できる金鉱株・銀鉱株に投資できる
- 金・銀関連株・商品を売却して得られた資金をただちに別の銘柄の購入にあてられる
そのかわりブリオンボールトは金地金に投資でき、しかも私たち自身がその金地金の所有者となれるため、ETFと比較してより信頼性が高い(と判断できる)メリットがあります。メリットに応じて使い分けると良いでしょう。
短期~長期目線で金・銀に投資しておき、その他の一般の株式投資は短期のリターンは度外視して、長期目線でポートフォリオを配当再投資によって育てる意識で行く。それがFirstradeやSogoTradeでの投資を上手く行かせる一つのスタイルであろうと考えます。
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いかがでしたでしょうか。これから世界の市場も情勢も大きく変化しそうで、皆さんの中にはこれから海外投資をはじめることに戸惑いがある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし見方を変えれば実はこれからは中・長期的に資産を大きく殖やせるチャンスとも見れるのです。私も上で話したような目線で現在まで投資してきており、これからの動きにある意味ワクワクしています。
それよりも日本の金融・経済・財政事情の方がよほど心配です。政府の膨大な債務残高、日銀による不換紙幣のばら撒き、マイナス金利政策、少子高齢化、長期展望のある経済成長分野が見通せていないこと...
そしてこうしたことから可能性がゼロとはいえなくなってしまった未来である「財政破綻」「高インフレ」「公的年金・社会保障制度の崩壊」...これらに私たち自身でいまのうちから対策を施すことが喫緊の課題となってしまっています。
いざというときに政府は助けてくれません。これは歴史的事実です。自分自身や信頼できる人とともに、なんとかして生き残る道を模索して行動することでしか対処できないのです。
資産運用はそのための一つの行動です。ぜひ皆さんには将来を見据えながら、いまのうちに行動に移してもらえたらと思います。
米国証券口座を開いて米国株投資をスタートしたい方は、次の記事をご覧ください。
→米国証券口座を開いて米国株式投資を始める