
【Firstradeの使い方】購入不可のOTC銘柄について
今回はFirstradeで購入不可のOTC銘柄(株式)についてです。
OTC取引とは「昔ながらのディーラー同士の相対取引」によって売買取引が行われる取引のことです。 債券市場などは現在でもOTCが主流ですが、株式市場ではNYSEやNASDAQといった、より巨大で流動性の高い大手市場で売買されることが普通です。 世界的に比較的マニアックな銘柄を売買したいときに限り、OTCにお世話になることでしょう。
FirstradeではOTC銘柄も購入することが出来ると公式ページにも記載されているのですが、実は購入不可のOTC銘柄も存在するようなのです。
Firstradeで購入不可のOTC銘柄について
以前メールを頂いた方から「Firstradeでは"F"で終わる5文字のシンボルのOTC銘柄は取り扱っていないとカスタマーサービスから言われた」とのご報告を受けました。
「一体どういうことだ!?」と思って私も調査をしてみたのですが、考えられる大きな原因が見つかりました。
それは「ADR銘柄でない外国企業の株式」であることです。
ADR銘柄とはアメリカ以外の企業の株式を、米国市場で売買する投資家が取引しやすくなるようにパッケージ化された銘柄のことです。
ADR化すると米国市場で外国株をドル建てで自由に売買できたり、配当金等の決済をすべてドル建てで行われる利便性などから、投資家に受け入れられやすくなり流動性も高まります※。 米国の大手株式市場で売買されている海外企業の株式の多くはADRです。
※ADRにも様々な種類があり、Unsponsored ADRという種類のADRは決して流動性が高いとは言えない場合もあるのでご注意ください。NYSEといった大手市場で売買されているADRであれば気にする必要はありません。
さてOTCで取引されている海外銘柄には大きく分けて2つのタイプがあるようです。 一つは「"Y"で終わる5文字のシンボル」、他方が「"F"で終わる5文字のシンボル」です。 (前者はシンボルがABCDYのような銘柄、後者はシンボルがZYXWFのような銘柄のことです)
前者をY Stocks、後者をF Stocksと呼ぶことにしましょう。 すると「Y StocksはADR」、「F Stocksは非ADR」(つまり海外の元々の市場で売買されている株そのもの)の傾向があるようなのです。
Wikipediaを見てもこの傾向は正しいように思えます。
これより「F StocksであるOTC銘柄は非ADRである→投資家の需要が少なく流動性もあまり高くない→取引を受け付けていない」という推測ができます。 正しいかどうかはわかりませんが、一つの推測として妥当なように思えます。
実際同じメール提供者の方から、とある証券会社でF Stocksの取引ができるとのご報告を頂きましたが、取引手数料が25ドルも掛かります(Firstradeの取引手数料は6.95ドル)。 この取引コストを見ても、ブローカーによる調達コストや流動性不足といったことが連想できませんか?
そう考えればFirstradeでF Stocksの取引ができないことも、証券会社の立場からビジネスの観点で考えれば致し方ない気もします。
FirstradeではF Stocksを購入できないことを、一応記憶の片隅に置かれると良いでしょう。
※ちなみにY StocksであればFirstradeでも購入可能かと思います(すべての銘柄を購入できるかどうかはわかりませんが)。 私も2015年にFirstradeからOTC銘柄を購入した経験がありますが、それはADRでY Stockでした。
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最終更新日:2016年4月6日
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