
【Firstradeの使い方】Market orderの仕組みとその用途、リスク
今回は注文方法の一つであるMarket orderについて説明します。
Market orderもLimit orderと並んで基本的な注文方法の一つです。 投資初心者の方にも扱いやすい注文方法ですので、ぜひとも基本的な仕組みを理解して適切に利用してもらえればと思います。
Market orderの仕組みとその用途
Market orderは皆さんが次のように売買を行いたいときにお世話になるOrder typeです。
- いまの株価での売買が非常に魅力的で、とにかくいますぐ確実に売買を成立させたいとき
- 確実に注文を約定させて、精神的にすっきりした取引を行いたいとき
- 損切り等でとにかくいますぐに売り抜けたいとき
Market orderは名前が示す通り、現在の市場価格での売買が行われます。 Market orderではLimit priceのような制限を全くかけないので、売り手や買い手が見つかれば瞬時に注文が執行されて約定します。
現在の価格周りが魅力的で、多少価格がブレても問題ないという方は、ほぼ確実に瞬時に注文が執行されるMarket orderがおすすめです。
Market orderでは注文がキャンセルされることはほぼないため、注文がキャンセルされたかを気に掛ける必要がほとんどなく、精神的にスッキリとした売買が行えることも魅力的です。
Buy注文時は現在の「Ask」値を、Sell注文時は現在の「Bid」値をもとに売買が行われます。 例えば現在のコカ・コーラのAskが38.44でBidが38.42であれば、購入時は1株38.44ドル付近、売却時は1株38.42ドル付近で取引が行われます。
Market orderは基本的にアメリカ市場がオープンしているときに行う注文方法です。
アメリカの市場がクローズしているときにもMarket orderは出せますが、その際は市場がオープンするまで注文は執行されません。 さらに市場がオープンすると前日の終値と比較して価格が大きく変動している場合もあるため、注文執行時は注文時のAsk値やBid値と大きく離れた値で取引が行われる可能性もあります。
このように市場がクローズしているときのMarket otderは不安定要素があるので、Market orderは市場がオープンしているときに利用するのが無難です。 市場がクローズしている間に注文を出したい場合には、Limit orderを利用すると良いでしょう。
ただし例外があります。 それはとにかく速攻で売り抜けたい、損切りしたいときです。
このときに限っては市場がクローズしていてもMarket orderを利用するのが一番確実でしょう。 売却価格はどうなるかわかりませんが、すべての注文方法の中で一番手っ取り早く売り抜けることができます。
Market orderの注意点、リスク
Market orderでの注文時は次の点に注意してください。 それはMarket orderを出した時の価格通りに注文が執行されるわけではなく、時折見積もりよりも損な取引を行う可能性です。
例えばコカ・コーラを30株買い注文を出した時の市場価格(Ask)が40ドルだったとしましょう。 このときの見積もり価格は1,200ドル(手数料除く)です。
しかし実際に注文が執行されるまでの間には僅かながらの時間差があります。 この間に急激な買いが入って市場価格が42ドルまであがったとしましょう。
すると実際に支払う価格は30株×42ドル=1,260ドルとなります。 見積もり時よりも60ドル余分に支払う必要が出てきました。
このようにMarket orderのときは見積もりよりも損な取引を行う可能性があるのでご注意ください。
とはいえ通常は見積もり価格と約定時の価格の違いは微々たるものです。 平穏なマーケット環境の下、取引が活発で流動性が高い銘柄であればまず気にしなくてよいでしょう。 あまり頻繁に売買しない長期投資家の人であればなおさらです。
もしMarket orderで注文した瞬間に、大きなニュースが流れるなどで株価が大きく変動して取引に不利に働いてしまったら、運が悪かったと思って割り切るしかありません。
ただし取引があまり活発でなく流動性が低い銘柄だと、見積もり価格と約定時の価格に大きな差が開くリスクは無視できなくなります。 そのため流動性が低い銘柄に投資する際はMarket orderではなくLimit orderを利用するのが無難でしょう。
ちなみにこの注文価格と約定時の価格との間の価格差は、逆にこちらに有利に働くこともあります。 売却注文時に1株80ドルだったのが、注文が執行されるときに82ドルに上昇する可能性もゼロではありませんから。
特に逆張り投資家(市場の多くのプレイヤーの動きとは真逆の取引を行う投資家)であればこうしたお得なMarket orderが出来る可能性は高まるでしょう。 なので逆張りの長期投資家であれば、Market orderのリスクはかなり低減できるかもしれません。
各種注文タイプについて
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最終更新日:2015年12月1日
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