
米国証券口座を利用した海外投資の注意:口座強制閉鎖リスク
今回は米国証券口座を利用した海外投資の大事な注意点として、口座の強制閉鎖リスクについて話します。
このリスクが実際に起こる可能性はかなり低いと思いますが、ゼロとは言い切れません。そのため海外投資を始めるにあたって、このリスクを十分承知してください。
また私が行っている対策方法についても話します。
米国証券口座の強制閉鎖リスクと対策
実はこのような過去があります。
年 | 出来事 |
---|---|
2005 | TD Ameritradeが日本居住者の新規口座開設を停止 |
2012 | TD Ameritradeが日本人の口座を強制的に閉鎖 |
2013 | Firstradeが日本居住者の新規口座開設を停止 |
2014 | Firstradeが日本居住者の新規口座開設を再開 |
上のように、過去にTD Ameritradeが日本人の口座を強制的に閉鎖した歴史があるのです。口座の強制閉鎖に関してはさすがにどうしようもありません。
私は実際に口座を強制閉鎖されたことはないですし、強制閉鎖なんて特別な理由がない限り証券会社は普通行わないでしょう。そんなことしても利用者は減るし、残りの利用者を不安にさせるだけですし、証券会社にとってメリットなんてありません。ですが決して忘れてはならないリスクであることは確かです。
海外投資を行われる際には、口座の強制閉鎖リスクを頭の片隅に常に置いてください。
それでは口座の強制閉鎖リスクの顕在化に備えて、私たちはどのような準備をしておくのがよいのでしょうか。
意外かもしれませんが「いまのうちに複数の米国証券口座を開設しておく」ことが一番の対処法です。こうすることで万が一ある一つの口座が強制閉鎖になっても、残りの口座に資産を移せるようになりますから。
しかし何かしらの法改正等によって、日本人がすべての米国の証券口座を利用できなくなる日が来る可能性も否定できません。
そこで私は米国証券口座だけではなく海外投資できる日本の証券口座も同時に開設しています。日本の証券口座は手数料が高くサービスも米国のものに比べて良くはないのですが(→参考)、こうしたリスクを考えて日本の証券口座も利用して海外投資を行っています。
そういうわけで私は現在次の3つの口座を利用しています:
- Firstrade
- SogoTrade
- 楽天証券
メインにFirstradeやSogoTradeを利用し、安い手数料でDRIPを存分に活かせる長期投資向けの銘柄の運用を中心に行っています。
一方楽天証券はサブとして利用し、配当が出ない銘柄などDRIPの恩恵を大きく受けられない売買益目的の銘柄の運用を中心に利用しています。また日本円で中国上海市場の銘柄も購入できるので、中国株投資を利用したい方はぜひ開設してはいかがでしょうか。
ちなみに私が楽天証券を利用している理由は、本サイトで紹介している海外送金の方法を効率的に活かして、楽天証券に手数料を大きく抑えた米ドルの送金が出来るからです。
→SMBC信託銀行プレスティアから楽天証券にドルを送金するお得な方法
人によっては中国(香港)の証券口座を開設するのも一つの手かもしれません。私は利用したことがないのでアドバイスは出来ませんが、興味のある方はご自身で開設してみてください。
**********
直感的ではないかもしれませんが、「強制閉鎖のリスクにクヨクヨ悩んでいるうちにアメリカの証券口座を開設できなくなってしまった」というのが実は最大のリスクなんです。
強制閉鎖のリスクの対処方法が複数の口座を開設することなのに、悩んでいるうちにアメリカの口座を開設できなくなってしまったらそれこそ本末転倒ですよね。
別に証券口座を開いてもお金は取られませんし、口座を開いた後しばらく放置でも構いません。口座への送金も口座を開いてしばらくした後に行っても大丈夫です。
なので結局口座を開設できるいまのうちに開設しておくのが一番安全で、後悔のない行動なのです。
米国証券口座を開いて米国株投資をスタートしたい方は、次の記事をご覧ください。
→米国証券口座を開いて米国株式投資を始める
最終更新日:2016年4月24日
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