何故海外送金にFX口座が役立つのか
今回は米国証券口座を利用した海外投資を行うなど、海外にある程度まとまった外貨を送金する際のFX口座の重要性について説明します。
様々な送金方法の選択肢がある中で、何故わざわざ手間を掛けてでもFX口座を利用することがお得なのか。 この点をしっかりと理解してもらい、皆さんが納得のいく海外送金の仕組み作りの参考にしてもらえればと思います。
※海外投資を行うための必要な準備全体を確認したい方はこちらの記事もご覧下さい。 本記事はこちらの記事の「STEP1」に該当します。
(→【誰でも簡単】賢い海外投資をスタートするための口座&STEP一覧)
何故海外送金にFX口座が役立つのか
何故米国証券口座を利用した海外投資などを目的とした海外送金のために、わざわざFX口座を開設することが重要で役立つのでしょうか。
それは為替手数料を大きく抑えて円を外貨に交換できるからです!
為替手数料とは円と外貨を交換するときに掛かる(見えない)手数料のことで、両替枚数に比例して手数料が増えていくという特徴があります。 つまりFX口座を利用した海外送金を行うことで特に高額の送金を行う場合に掛かる手数料の総額を大きく節約できるのです!
海外送金を行うための方法は大きく次の2パターンあります。 一つが銀行口座単独で行う方法(パターン1)、もう一つがFX口座と銀行口座を併用する方法(パターン2)です(→詳しくはこちら)。
下図はそれぞれのパターンでの送金の仕組みと、手数料が発生する箇所を表しています。
このうち両替「以外」(1-B、2-B以外)は一般的に送金額によらず費用は固定ですが、両替(1-B、2-B)は送金予定の両替額に比例して大きくなります。
よって高額の外貨を海外送金するときには、いかに両替部分である1-Bまたは2-Bに掛かる手数料を抑えられるかが総手数料をお得にするための肝となるのです。
パターン1のように銀行口座で両替を行うときに掛かる為替手数料は一般的に大きく、両替額に比例して予想を遥かに凌駕した手数料を取られる可能性もあるのが特徴です(新生銀行といった一部の優秀な銀行を除く)。
しかしパターン2のようにFX口座で両替を行うと、銀行で両替する場合と比較して両替に掛かる手数料を大きく減らせるのです。 両替枚数が多い場合には、手数料の削減幅は何と諭吉単位(1万円単位)になるんです! 数万円程度のコストを抑えられるというのはかなりおいしいですよね?
だから私は海外投資用資金といったある程度まとまった額を海外送金する際には、2番目のようにFX口座で両替を行うことをお勧めするのです。
為替手数料のちょっとした違いが生み出す負担額の莫大な違い
両替時の為替手数料のちょっとした違いが生み出す負担額の莫大な違いをよりリアルに感じてもらうために、ちょっとシミュレーションしてみましょう。
下図はある日の大体同じ時間の(円→ドル交換時に利用される)為替レートです。 それぞれの画像を取った時間にちょっとズレがありますが、それでもFX(YJFX!)の為替レートは銀行やレミットの為替レートに比べて1円程度少ない、つまり為替手数料がお得になっているのです。
この為替レートの差がどの程度の為替手数料の差を生み出すかを示したグラフが下です。 下のグラフは海外送金額(横軸)に応じた、海外送金用口座で両替したときにFX口座で両替したときと比べて余分に掛かる手数料(縦軸)を表しています。
ドル円の為替レートによって手数料が変わるため、レートごとに色分けしています(送金額を為替レートで割った値が余分に掛かる手数料と思って大丈夫です)。
例えば1ドル120円(青色)を見ると、60万円送金するときに海外送金用口座で両替すると、手数料が5,000円ほど余分に取られてしまうのです。 これでも手数料は多いですよね。
送金額が増えると手数料はもっと悲惨になります。 100万円送金すると為替手数料は8,000円程度余分に取られますし、300万円送金なら25,000円程度、500万円送金なら40,000円以上の為替手数料の差が生じてしまうのです!
FX口座と銀行口座の1円程度の為替レートの違い、このちょっとの差が両替時にバカにならない手数料を生むのです。 ある程度のまとまった資金を両替するときにはFX口座で両替する方がずっとずーっと賢いのです。
FX口座を利用した海外送金の注意点
FX口座を利用した海外送金について一つ注意があります。 それはFX口座を利用した海外送金はある程度まとまった額(大体50~100万円以上)を送金する際にはお得ですが、それ以下になると手数料が大きくなってしまう場合があることです。
具体的な銀行名を挙げれば、このようなケースではFX口座を利用せず新生銀行※で「両替→海外送金」をすべて行うほうが手数料的にお得になる場合があります。
※新生銀行総合口座パワーフレックスを利用した場合です。Goレミットではありません。
理由は上でグラフ化して説明した為替手数料の影響が小さくなり、その他に掛かる送金手数料や出金手数料といった固定額の手数料の影響が大きくなるためです。
よって人によってはFX口座の利用が必ずしも最善ではなく、新生銀行利用の方が良くなる可能性があることに気をつけてください。
しかしこの場合の手数料の差は最大で数千円程度です。 送金金額が増えれば増えるほど、手数料の差はどんどん縮まっていきます。 上のグラフのように数万の手数料の差が生じるということはありえないです。
よってFX口座を利用した送金に慣れてしまって少額の送金でも利用してしまった...という場合でも被害は少ないのでご安心ください。
まとめ
ある程度まとまった金額を海外送金する際は、FX口座を利用すると手数料を圧倒的に抑えられてお得ですよ!
まとめるとまさにこの一言に尽きます。
FXと聞くとなんとなくギャンブル的な怖いイメージがある人もいるかもしれませんが、大丈夫です。 単に両替するだけなら全く危険ではありませんのでご安心を。
送金、投資といったお金に関することは直感ではなく、一つ一つ頭を使って丁寧に考えることが大切です。 細かい合理的な行動の積み重ねが、結果的にコストの削減や資産の増加にじわじわ効いてくるのです。
合理的な海外送金を行いたい方はぜひFX口座を利用した海外送金もご検討されてはいかがでしょうか。
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さて、それではどのFX口座を開設すれば良いでしょうか?
最終更新日:2016年2月17日
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