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日本はロシアを差し置いて米国からのガス輸入を急増させた

2018/04/19

 

【2018/04/17 Sputnik日本】日本の商社、露アルミ大手「ルサール」に製品発送中止を要請 対露制裁が原因

 

日本の複数の商社が「ルサール」社に対し、日本国内へのアルミニウム納入を中止するよう要請した。米国による制裁リストに加えられている企業との取引が、自社に対する制裁を招く可能性があると警戒しているためだと、複数の筋の話としてロイター通信が伝えている。

 

ある日本商社の代表者は同通信に対し、「我々はルサールに対し、我々の長期契約に関するアルミニウムの発送を中止するよう要請した。我々が米ドルで支払いを行うことができないことと、米国による2次制裁を受けたくないことがその理由だ」と述べた。同通信によると、三菱商事や丸紅、住友商事、三井物産といった日本の商社がルサールと供給契約を結んでいる

 

 日本が「ユーラシア経済圏にまともに参画できないまま、米国にカネを吸い取られ、日本国民の生殺与奪さえ握られる」可能性...

 

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米ドルとの関係を弱め、ロシアとの関係を強める世界各国

 米国の対ロ経済制裁の流れ弾が日本にも命中した形です。

 

 

 米国はこれまでロシアとの関係を強める国に対しても制裁を課すと脅してきましたが、世界各国は米国の脅しに屈せずにロシアとの関係を強めたり、米国との関係を弱める方向にシフトしています。

 

 中国やイランがロシアとの決済で互いの自国通貨の利用を促進する一方、米ドルの使用を削減して米国との関係を弱める流れにあることは、以前の記事にも書いたとおりです。
[2017/08/09]米国の対ロ制裁強化法は米ドル離れの流れを決定付けるだろう

 

 最近の報道を見ても、例えば2017年のロシアと中国との貿易額は前年比31.5%増の870億ドルとなりました。ロシアにとって中国は貿易額で世界最大のパートナーであり、2位であるドイツとの貿易額約500億ドル※より75%程度多いのです。
【2018/04/12 RT】Russia & China gradually ditching US dollar in favor of domestic currencies as trade booms

 

 ※国際貿易センター(ITC)の統計データを参照

 

 このうち、「ロシア--(輸出)-->中国」で中国がルーブルで支払った割合は対ロシア中国輸入額の9%、3年前は2%でした。

 

 「中国--(輸出)-->ロシア」でロシアが人民元で支払った割合は15%、3年前は9%でした。

 

 2017年の露中の貿易額は2014年の883億ドルよりわずかに少ない程度であり、2014年初→2017年末にルーブル、人民元ともにドルと比べて安くなりましたから(特にルーブルは半値)、お互いの通貨建て(特にルーブル建て)では2017年の貿易額は2014年を上回るものです。

 

 ルーブル、人民元建て決済シェアがそれぞれ「2%→9%」「9%→15%」増えたことに加えて、ルーブル安・人民元安の影響が加わるので、お互いの通貨での決済額(特にルーブル)は3年でかなり増額しているのです。ルーブル建て決済総額は3年間で10倍近く増えていると見なければなりません。

 

 3月26日に人民元建て原油先物取引が開始となり、ロシアの中国への非米ドル建て石油輸出はますます活性化するかもしれません。

 

 

 一部の欧州各国(EUではない)も、ノルド・ストリーム2というロシア産ガスパイプラインの着工に向けて動いています(ロシア国営企業ガスプロムを中心としたロシア・欧州合弁企業が建設主体)。

 

 米国務省は3月21日に、ノルド・ストリーム2建設プロジェクトに参画する欧州企業への経済制裁の可能性をチラつかせました。
【2018/03/21 Sputnik】US Threatens Sanctions Over Nord Stream 2 Gas Pipeline

 

 しかし3月27日、ドイツはノルド・ストリーム2の建設許可を合弁企業に通知。さらにフィンランドも4月11日に建設許可を合弁企業に通知しました。
【2018/03/27 Nord Stream 2】Nord Stream 2 Receives Full Set of Permits in Germany
【2018/04/11 Nord Stream 2】Nord Stream 2 Receives Full Set of Permits in Finland

 

 あとは同パイプラインが通過する、ロシア、スウェーデン、デンマークが建設許可をパイプライン建設合弁企業に通知すれば、今年中にノルド・ストリーム2が着工する見通しです。

 

 米国による脅しがある中で、ノルド・ストリーム2建設プロジェクトは順調に推移しています。

 

 米国はシェール・ガス革命により、2020年代からカタールと並ぶ世界最大級のLNG輸出国となる見通しです。天然ガス供給国として、今後米国はロシアと競争していくことになります。

 

 にも関わらず、米国の脅しに屈せずノルド・ストリーム2パイプライン建設計画が順調に推移しているということは、ドイツをはじめとした一部の欧州各国は、ロシアとの関係を強めるだけでなく、米国との関係を弱めようとしていると考えなければなりません。

 

 欧州理事会が元ロシアスパイ暗殺未遂事件でイギリスを支援したり、英国・フランスがシリア空爆に参加したりと、一見欧州とロシアの関係は悪いと思いがちです。

 

 しかしそれは欧州の一つの側面に過ぎず、「親ロ・反米」への抗いがたい流れが今後続いていくと考えられます。

 

日本はエネルギー供給で米国の奴隷となるのか

 こうした世界の対ロシア協調の流れと逆行しているのがいまの日本です。

 

 日本とロシアとの間でガスパイプラインの敷設計画が10年前から持ち上がっていましたが、一向に計画は進んできませんでした。

 

 2017年4月にガスプロムがサハリン-北海道ガスパイプライン建設計画の作成が完了したそうですが、その後何の報道もないことから、現時点で計画が本当に実行に移されるのか、それがいつなのか、全く不明です。
【2017/04/21 Sputnik日本】ガスプロム サハリン?北海道ガスパイプライン計画ほぼ作成完了

 

 一方で日本は2017年、米国からのガス輸入を前年比2.8倍36億ドルに増やし、ロシアからのガス輸入額27.8億ドルを一気に上回ってしまいました。下の各国ごとの日本のガス輸入額の推移と、今後米国のLNG輸出が急拡大する見通しであることを踏まえると、米国は日本にとって最大のガス供給国となる可能性もあります。

 

 仮に今後南シナ海の軍事的緊張が高まり「オーストラリア・マレーシア→日本」へのLNG輸送ルートに支障が出てくれば、米国は日本とLNG輸出長期大型契約を結ぶチャンス到来です。

 

 ...いや、地政学的リスクの緊張高まりがなくても、日米FTA交渉でLNG輸出長期大型契約も結ぶ可能性もあります。「TPPより2国間協議」とトランプは言っていますし(オーストラリアもマレーシアもTPP参加国)。

 

各地域ごとのLNG輸出量推移

上画像ソース:ICT

下画像ソース:BP

 

 日本は戦後、外交や安全保障面で米国(正確には米軍)に平伏してきましたが、今後も米国に数十年は平伏し続ける可能性があるのです。しかも今度はエネルギー供給面(ガス-->(火力発電)-->電力供給)においてであり、日本国民の生殺与奪が米国に握られる、ということを意味します。

 

 米国は世界の警察を辞めるつもりですが、そのためには世界中に大量に供給された米ドルを回収する必要があります。

 

 世界最大の対外債権国であり、米国債保有額が世界第二位の日本から、エネルギーや武器を高値で大量に売りつけて米ドルを回収するプランを、米国ファーストを掲げる「大統領兼死の商人」トランプが考えないはずないでしょ。

 

 日本は今後も経済面で米国とのとんでもない従属関係が続きそうです。

 

 

 今回の日本商社による、世界最大のアルミニウム企業ルサールからの発送中止要請は、「米国に尻尾を振り続けて米ドル決済に依存し続けてきた日本のリスク顕在化」ということです。

 

 ロシア、中国、イラン、ベネズエラ、ASEAN各国等でジワジワ進んでいる脱ドル・自国通貨利用の流れは、米国による経済制裁やグローバル金融市場の動揺(アジア通貨危機等)といった外部要因で自国経済・政治が翻弄されるのはもう真っ平だ!という各国の本音が根底にあります。

 

 こうした強い気持ちがあるからこそ、一帯一路構想の重要な参加者ともなりうる国々は脱ドル化・自国通貨利用の奨励を進めると同時に、「非米ドル決済」の導入が今後のユーラシア経済圏に参加するための、半ば「踏み絵」的条件になりつつあるのです。

 

 しかし日本は非米ドル決済推進という踏み絵は踏めないでしょう。エネルギー面でロシアを差し置いて米国との関係をますます強めてしまったのですから。

 

 日本は米国それ自体と米ドル決済リスクを抱えて恐怖に怯えながら、徐々に衰退してしまうかもしれません。

 

 

 日本が「ユーラシア経済圏にまともに参画できないまま、米国にカネを吸い取られ、日本国民の生殺与奪さえ握られる」可能性...

 

 少なくとも現時点において、日本はこの最悪のシナリオに向かって進んでいるように見えます。

 

【追記】
 日本が米国の満足のいく案件でシェールオイル・ガスの売買契約を結ばない限り、世界情勢の不安定化は今後何年も収束しないかもしれませんね。

 

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