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宅配業界の不気味な値上げの動き

2017/07/28

 

【2017/07/27 毎日新聞】<ヤマト>現場「状況変わらず」 配達時間指定見直し1カ月

 

宅配最大手、ヤマト運輸が配達指定の時間帯を見直して1カ月あまりが過ぎた。宅配ドライバーの負担軽減が目的だが、現場のドライバーからは「状況は変わっていない」との声も出ており、待遇改善には時間がかかりそうだ。

 

ヤマトは、再配達の増加などで負担が増えるドライバーの昼食時間を確保しようと、6月19日から「正午~午後2時」の時間指定の配達を廃止した

 

しかし、荷物量が減っていないため、廃止された「正午~午後2時」の時間帯には「時間指定の無い荷物をより多く配るようになり、状況は変わっていない」(西日本の20代男性ドライバー)のが実情だ。

 

ヤマトホールディングス(HD)は、「すぐに状況が変わるわけではない。これから見直しの効果が出るように取り組んでいく」(広報)と話す。

 

【2017/07/26 日本経済新聞】佐川、宅配便を値上げ 大型荷物は最大33%

 

宅配2位の佐川急便は26日、宅配便の基本運賃を11月21日に引き上げると発表した。消費者が対象となる値上げは2004年に現行の運賃を国土交通省に届け出して以来初めて。大型の荷物で最大33%の値上げとなる。

 

首位のヤマト運輸も10月1日の基本運賃引き上げを既に決めており、国内市場で計8割のシェアを占める大手2社が値上げで歩調を合わせることになった。

 

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 昨年から報道されてきた、ヤマト運輸の残業代未払い問題。この問題で特徴的だったのは、ヤマト運輸の企業体質を問う声よりも、ネット通販の取扱量増加に人手が追いつかず運送業界の残業が常態化しているという、業界の悲鳴の声がクローズアップされてきたことです。

 

 今年に入るとしばらく報道が止まるなか、ネットではヤマト運輸の企業体質を問う声がチラホラ出てきていたようです。

 

 ネット上でヤマトの企業体質そのものへの疑問の声が出てきたなか、2月の終わりになると、事態は急展開を見せていきました。報道の見出しを並べれば...

 

【2017/02/23 サンスポ】ヤマト運輸労組、宅配便の荷受量抑制を要求 人手不足で長時間労働が慢性化
【2017/02/28 朝日新聞】ヤマト、時間帯指定の配達を見直しへ 運転手の負担軽減
【2017/03/04 朝日新聞】ヤマト、巨額の未払い残業代 7.6万人調べ支給へ
【2017/03/09 NHK】宅配危機!ヤマトついに値上げへ

 

 改めて眺めると、いくらなんでも「上手くできすぎだ」というのが率直な感想。

 

 あれから4ヶ月以上が経ち、ヤマトが6月から導入した時間帯指定配達の見直しが従業員の負担軽減につながらないまま、佐川急便も宅配料金の11月からの値上げを決定してしまいました。

 

 後知恵で振り返ると、宅配業界の「お涙頂戴」の悲惨な現実が、国内宅配市場の8割のシェアを持つ大手2社による宅配料金値上げへとつながっていったのです。労働環境は特に改善されないまま。

 

 

 宅配業界の構造上の大きな問題として、再配達問題があります。

 

 国交省の調査によると、宅配の約2割が再配達されており、担当者は受け取ってもらえなかった再配達分の荷物も携行したままエリアを周回することになるため、担当従業員には2割という数字以上の負担が掛かるといわれています。

 

 再配達は受取側の責任という面もあるので、いままで無料の再配達サービスを有料化してしまえば良いはずです。

 

 そうすれば受取側も無駄なお金を払わないためにも、自宅前に宅配ボックスを置いて、不在中でもポストに荷物を入れてもらえるよう対策を講じるでしょうから、結果的に宅配従業員の労働負担軽減にもつながり、「利益増+従業員の負担軽減」につながることが期待されます。

 

 しかしヤマトはそれを選択しませんでした。

 

 その代わりに時間帯指定の見直しという、当初から従業員の負担軽減効果が疑問視されていた措置を講じ、別個で宅配料金の値上げを決めたわけです。

 

 結果的に、上にも述べたように従業員の負担軽減効果が現れないまま、宅配業界全体の料金値上げへとつながっていったのです。

 

 

 現段階では断言できませんが、いままでの流れをみるかぎり、ヤマトの「人間の良心を利用した狡猾な料金値上げ戦略」である可能性も否定できません。

 

 今後もヤマトのみならず、各宅配企業において、ビジネスモデルの見直しや改革も行わずに、単純に人手不足だからという名目で値上げを続けるのであれば、経営陣の無能さをすべて利用者に転嫁しているだけとなります。

 

 しかも今回はヤマト従業員の悲惨な現状がマスコミで大々的に放映され、国民の宅配業界従業員に対する同情を得た中でヤマトは基本料金値上げに踏み切ったのですから、宅配業界全般、特にヤマトの場合、今後も経営努力を十分に行わずに基本料の値上げで対処するならば、経営陣の極めて悪質で下劣でドス黒い心の内を見透かさねばならないでしょう。

 

 本質的には「ナイラ証言→湾岸戦争勃発」の手口となんら変わりないのですから。

 

 今後は宅配業界の動きをしっかりと観察しなければならないでしょう。どうも怪しい動きが続いているのですから。

 

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