日銀は絶賛テーパリング実行中のようです


ネットでらくらく日本語対応「海外⇔日本」双方向送金。
海外送金サービスの「黒船」が日本に来航してきたぞ!



メルマガ最新号
  • [アボマガ No.67]世界暗黒化のなかで輝きを増すゴールド(配信日: 2019/05/16)
  • [金のメルマガ No.10]最終回:備えあれば憂いなし(配信日: 2018/12/07)

→登録はこちらから

日銀は絶賛テーパリング実行中のようです

2017/03/15

 

 ここ最近の日銀の金融政策を見ていると、日銀は公言していませんがすでに隠れテーパリングを実行中といわざるを得ません。

 

スポンサーリンク

 

 まずはブルームバーグの記事から。

 

【2017・03/13 ブルームバーグ】日銀の3月購入計画、1年間で18%のテーパリングを示唆-市場の見方

日本銀行が今月から適用した長期国債買い入れ運営方針を1年間継続すると、年間の購入目標を18%下回ることを意味する。このため、密かなテーパリング開始ではないかとの観測が投資家の間に浮上した。
2月28日公表の3月購入額をその後の11カ月も継続した場合、1年間での購入規模は純額66兆円となり、年間80兆円の保有拡大目標を18%下回る。

 

 個人的にも数字を計算してみました。2017年1-2月の購入額は実際に購入されば分の額面金額を利用し、3月-12月までの10ヶ月間は公表された当面の月間買入予定額を利用しています。

 

 2017年末までに満期を迎える日銀の保有銘柄総額は額面ベースで39兆3000億円程度なので、この分を除くと2017年の一年間に増えるベースマネーは大体45兆円~80兆円程度で、真ん中を取ると大体64兆円程度でした。

 

 広い幅を持たせているので実際には年間80兆円ペースの買入れ額が確実に減るとは言い切れないものの、同じく量的緩和継続中でマイナス金利政策も導入しているECBは4月から月間買入れ額を800億ユーロから600億ユーロに減らしテーパリングを実行することから、日銀も歩調を合わせることが予想されます。

 

 つまり国債購入に関する日銀のテーパリングは既定路線といえそうです。

 

 短期国債についてはすでに日銀はテーパリングどころか出口戦略を実行中です。

 

【2017/03/03 日本経済新聞】短期国債保有、外国人が5割 2月末

 短期国債市場の主役が日銀から外国人に交代した。2月末時点で外国人の保有比率は5割を超えたもようだ。日銀のマイナス金利政策を背景に短期国債の利回りも大幅に低下しており、円資金を割安に調達できる外国人しか買い手がいない。長引く異次元緩和のひずみが表れた格好だ。

 

 日銀が2日発表した統計によると、日銀の短期国債の保有額は2月末時点で約44兆円と昨年9月末から約12兆円減った。昨年9月末時点では短期国債の発行残高約120兆円のうち、日銀と外国人の保有割合が47%程度で拮抗していたが、2月末時点で日銀の割合は10%近く低下した。

 

 上のニュースと下図を見れば、短期国債市場のプレーヤーは外国人投資家だけであることがわかります。

 

日本の国債市場のプレーヤー

画像ソース:財務省

 

 外国人投資家は日本円需要の少なさを利用して「米ドル→日本円→短期国債」というルートによるトレード(ドルキャリートレード)で稼いでいるだけであり、日本円需要が高まり円を借りるコストが高まれば外国人投資家は短期国債市場から撤退するでしょう。そのとき短期金利が急騰する可能性があります。

 

 短期金利急騰のサインを示す指標は日本円のクロスカレンシーベーシススワップスプレッドというやつです。こいつのマイナス幅が縮小していったとき、日本の短期国債市場が非常に危険な状況に陥るリスクがあります。

 

日本円のスワップスプレッド

画像ソース:BIS

 

 もう一つ日銀のETF買いについてみてみると、日銀のETF買い入れペースも2016年12月は7700億円の買い越しでしたが、2017年に入って少しずつペースが落ちてきています(J-REITは除く)。

 

投資部門別ETF売買状況

ソース:日銀日本取引所グループ

 

 問題は日銀がETFの買入れをハイペースで続けていってくれないと、日本の株式市場が停滞して需給バランスが緩み、株価が下落するリスクがあることです。下図は投資家の株式購入額と日銀のETF購入額を表した図ですが、株式市場に活気がもはやないですよね。

 

 下の推移を見ると、何だか日銀のETF買い入れは株式市場の買い越し額をなんとかプラス圏に維持するために、そして株価を維持するために行われているようにも見えますがどうなのでしょうね。また2016年9月や12月を見ると投資家たちの売り越し額が大きいと日銀の買い入れにも限界があることがわかりますので、大きな売りが続くと株式市場は終焉を迎えそうですね。

 

 いずれにせよこうした状況はもちろんいつまでも続くはずはなく、いずれは終わりを迎えます。そうなると当然、我々の年金積立金の運用も大損を喰らうでしょうな...

 

投資部門別株式売買状況

ソース:日銀、日本取引所グループ

 

 そんなわけで、日本の金融緩和政策はすでに終わりを迎えており、テーパリングや一部出口戦略の実行に移っていることがわかります。今後は各人の発言内容にあまりとらわれることなく、金融引き締めがいつどのような形で加速していくのかという目線で見ていくのが良さそうです。

 

 そうそう、金利に関する金融引き締めといえば真っ先に利上げを思い浮かべると思いますが、いままでのマイナス金利政策という実験により、マイナス金利が金融引き締め効果を持つことがわかっています。「金融引き締め=利上げ」という常識は過去のもので、実はマイナス金利の深堀という形での利下げも金融引き締めにつながるのです。

 

 マイナス金利の深堀という形で金融引き締め政策が取られていく可能性も頭の片隅に入れておくと良いかもしれませんね。

 

※マイナス金利政策が続いたときの影響に関する個人的な見解を以下の記事で書いています。ご興味があればぜひご覧下さい。
→マイナス金利政策が私たちに与える深刻な影響とは...
→マイナス金利政策がゴールドに与える影響

 

**********

 

 最近は森友学園問題で日本は揺れていますが、本日15日はFRBの利上げが確実視されていますし、EU離脱で揺れる欧州ではいよいよ本日オランダの総選挙投票日です。日本の金融面でもそろそろ大きな動きが出てくるかもしれませんよ。

 

 大きな地殻変動が間近に迫っているように見えますが、皆さんは将来への対策はお済みですか?

 

 【追記:2017/03/24】
 森友学園籠池理事長の証人喚問に世間の注目が集中していた23日、日銀はシレっと3月中の短期国債の買入れを取りやめ、さらには保有国債の売却をすると発表しました。一時的措置とはいえ、金融引き締め策を実行することに変わりありません。

 

 日本の金融状況も慌しくなってきました。

 

→[PR]The Economistで一週間の世界の経済・金融・ビジネスニュースをじっくりまとめ読み。管理人アボカドまつりも購読5年目突入!

アボカドまつりのメルマガ(アボマガ)、金のメルマガ

 あなたが知らない、「危機をチャンスに変えて経済サバイバルする」ための情報をメルマガでお教えします。だらだらとインターネットや新聞を眺めているだけの、あなたの鈍った脳内に新たな刺激と体験を注入します。


 登録は無料です。米国証券口座を利用し始めた方、「アボマガ」ご登録で日本での確定申告方法についてまとめた記事を特典としてプレゼント中です!

メルマガ登録ページへ


当サイトの関連記事


スポンサーリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加   

 

関連ページ

日中のお金の取り扱いは滅茶苦茶だ
米国ICT企業10社で日本企業全体の研究開発費を抜きさる
お金と個人情報、預ける意味は全然違う
変動型住宅ローンに飛びつく、思考停止状態の日本人たち
「日本銀行ホールディングス」の海外進出、というシナリオ
日本政府が「社会保障+国債費」を税収だけで支払えなくなる日
率先して悪事・非倫理的行為に手を染め続ける日本企業
[2018/04/19]日本はロシアを差し置いて米国からのガス輸入を急増させた
[2018/03/09]近視眼的にカネをドブに捨てる邦銀・日本企業
[2018/02/16]日銀大規模金融緩和が巡り巡って日本の米国債売却につながった?
[2018/01/09]日銀の総資産減少!量的金融引き締めの足音が聞こえてきた
[2018/01/05]金欠日本政府に水道事業を維持・管理するカネはない?
[2017/12/26]【賃上げ?】経済再生意欲が感じられない来年度予算政府案
[2017/12/15]税制改正大綱をざっとみた感想:使いやすい労働者がいれば十分
[2017/11/14]総裁任期満了を前に、さらなる予防線を張り出した黒田総裁
[2017/10/13]「貯蓄から投資へ」メリットがあるのは誰?
[2017/10/06]電気自動車の台頭×日本の財政・金融の潮流=長期「超円安」
[2017/09/16]安倍・黒田体制の終わりの兆しがチラチラ出てきているぞ
[2017/09/05]金利上昇、不動産価格下落リスクを考えなければいけないのに...
[2017/07/28]宅配業界の不気味な値上げの動き
[2017/07/07]主要3税すべて減収、晩秋列島経済に木枯らし1号が吹き荒れる
[2017/06/14]銭ゲバの日本企業のトップたち
[2017/06/06]日経の不思議な記事
[2017/06/03]「日本円:アウト、MUFGコイン:イン」の動きが胎動している?
[2017/04/25]日本の国家崩壊すら考えざるを得なくなった、スノーデンファイルが公開された
[2017/04/22]マイナス金利政策1年経過後初めての日銀金融システムレポートを読んでみた
[2017/03/15]日銀は絶賛テーパリング実行中のようです
[2017/02/07]日米首脳会談後の日本の財政・金融政策に生じる変化を見極めるのが大切そう
[2017/01/28]米国のTPP離脱による日本の迷走...試算が示す悲観的な未来はまだまだ楽観的。本当の底はもっと深いだろう
[2017/01/16]日本企業が相変わらず預金を貯めこんでいる...ただそれだけの話
[2017/01/10]失業給付金の積立金が今後大きく減少するリスクあり
[2016/12/26]日本株を支える日銀。私たちが直面するモラルと年金のあいだのジレンマ
[2016/12/07]金利上昇。政府・日銀のぬか喜び、民間企業の憂鬱
[2016/12/05]社会保障の国民負担増加への流れ...シャウプ勧告を葬ったツケがまわってきた
[2016/11/07]リーマン・ショック時よりも悪化している日本国民の貧困化
[2016/10/27]日銀の金融政策は地域金融機関をますます弱体化させた
[2016/09/22]日銀による総括的検証後の政策は国債市場を最終局面へと導く
[2016/09/17]社債発行ラッシュの裏に潜む日本企業の現状

▲記事本文の終わりへ戻る▲


▲このページの先頭へ戻る▲