企業の目標はオプションが多い-企業と個人の目標の置き方の差異-
私たちは具体的な目標を掲げて努力することを求められてきました。 子供の頃は具体的な夢を持つように言われました。 仕事でも毎日の仕事内容を具体的に決め、上司に毎日の進捗を報告するといった短期的で具体的な結果が常に求められています。
一方で企業の目標を考えてみると、私たち個人が求められる目標と違ってもっと漠然として、また数多くのオプションがある目標だということがわかります。
コロコロ変わる企業の業種
私たちはダイエットといった努力していることや目標、また考えをコロコロ変えると「一貫性がない」「優柔不断」といったネガティブな見方をされることがよくあります。
しかし企業の場合はその限りではありません。 それは企業の業種がコロコロ変わってきていることからわかります。
実はあのコカ・コーラが最初はヘルスケア企業だったことをご存知でしょうか。 あの飲料メーカーのコカ・コーラが薬を販売していた?バカな?そう思われる方もいるかもしれません。
驚くべきことに、あの国民的飲料コーラの原型は最初、薬として販売されていたのです。 当時、滋養強壮や気分を良くするために魔法の薬とも呼ばれていたコカインをコーラで割ったものを、薬用酒として薬局で販売したのが起源です。
その後程なくしてコカインの中毒性が指摘され始め、コカ・コーラからコカインが取り除かれ、皆さんがご存知のようにコカ・コーラは清涼飲料水メーカーとなったわけです。
続いてはノキアです。 ノキアは過去に携帯電話メーカーとして世界最大のシェアを持っていたため、携帯電話メーカーとしてのイメージが最も強いでしょう。
しかし実はノキアは製紙会社として設立されたのです。 その後100年以上たって本格的に電気機器メーカーとして生まれ変わり、その後世界首位の携帯電話メーカーとして名を馳せました。 しかし2013年に携帯電話事業をマイクロソフトに売却して、別事業に転換しました。
他にも任天堂は元々花札を販売していた会社でしたし、プラダは革製品を販売する会社でした。
こうしてみると、企業の業種がいかにコロコロ変わってきているかがわかります。
企業の目標はオプションが多い
企業の目標は利益をあげることです。 当たり前ですね。
企業の利益をあげるという目標を考えると、様々なオプションがあることがわかります。 設備投資を行う、最先端技術を持つベンチャー企業を買収して新規事業に参入する、リストラして経費を削減するといった、いろんなオプションが可能です。
実はここに個人と企業との間の謎の差異が存在します。 私たち個人は仕事でプロフェッショナルになるといったより具体的、または非常に領域の狭い目標を求められます。 そのため目標を達成するためのオプションが少なくなりがちです。
こうして企業の目標の置き方と個人の目標の置き方で比較しても、オプションの数と面での差異が見えてきます。
だったらこっちもそうすればいいじゃん
これは企業の目標がずるいとかではありません。 そうではなくて、だったら私たちだってこうしたオプションの多い目標を立てて頑張ればいいじゃん、私はそう思います。
前回の記事で書いたように、大きな結果を得たいという漠然とした目標を立てれば、どんな努力も無駄にはならないという発想ができるようになります。 そういう観点の元、「お金を増やしたい」「楽しい毎日を送りたい」でもなんでもいいです。 そうした目標を立てても全然良いのではないでしょうか。
そしてこういった目標を立てたら、目標を達成するために自分が出来ることを自分なりに努力する。 例え努力がすぐには報われなくても、失敗しても、発想や方法を変えればすべての努力は無駄にはなりません。
もちろん物理学者になりたいとか、そうした具体的な目標を掲げて狭き門を突破するために努力することは素晴らしいです。
ただ全員が全員そうではなくて、もっと漠然としたオプションの多い目標を立ててそれに向かって努力するのは一つの考えとして全然ありなのです。
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