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市場・経済・金融

  • 2022年12月12日

ウクライナより悲惨かもしれないパキスタンの現状

今回は、アボマガ・エッセンシャルの記事を書いているなかで、パキスタンの現状について調べる機会がありましたので、簡単に現状をお伝えしたいと思います。 パキスタンは2億2950万人を抱える世界で5番目に人口が多い途上国で、人口増が続く中で経済成長が期待されています。 しかし現在のパキスタンの状況は、ウクライナ以上に状況が悪いように見えます。 下図はパキスタンとウクライナの推移です。2020年10~12 […]

  • 2022年12月5日

ブラジルへの市場の見方と現実とのギャップ

今回は10月に大統領選が行われたブラジルについてです。 市場はブラジルの政治・経済を不安視していますが、実態は市場の懸念と大きく異なるようです。 ルラ新大統領のもとでの財政・インフレ悪化を懸念する市場 ブラジルでは10月30日に大統領選挙が実施され、左派のルラ元大統領が有効票の50.9%を獲得し、現職のボルソナロ大統領(有効票49.1%)に僅差で勝利しました。 その後、選挙結果に不満を持つボルソナ […]

  • 2022年10月31日

3期目を迎える習近平国家主席は、ゾンビ企業淘汰に踏み切るか

先週26日に投稿したブログ記事で次のように書きました。 [幣ブログ]米中で「経済的山火事」の準備が整いつつある? 中国では今月22日に閉幕した党大会で、これまでゼロコロナ政策と不動産市況悪化により冷え込んでいった景気を金融緩和や財政出動により下支えしてきた、李克強首相をはじめとした経済・金融の責任者が軒並み事実上の引退決定または降格となりました。 江沢民氏、朱鎔基氏は党大会に姿を見せず、胡錦涛氏は […]

  • 2022年10月26日

米中で「経済的山火事」の準備が整いつつある?

リーマンショック以降、中央銀行の量的緩和・ゼロ(マイナス)金利政策により、資金調達が容易になり、収益性の悪い企業でも負債の借入・借り換えにより生き残れる環境が続いてきました。 2020年のコロナ危機で各国は世界恐慌期以来の不況に陥りましたが、量的緩和の再開と、助成金や無利子融資などによる財政出動の両輪で企業の破綻は防がれ、財務状況の悪い企業がますます蔓延るようになりました。 今後新たな金融ショック […]

  • 2022年10月24日

金融危機と高インフレが同時に襲う

今回はマクロ経済・金融に関する話題です。 まず現在の金融状況について確認した後、今月IMFが公表した経済見通しから、いまIMFはインフレをどのように見ているのか、その見方は果たして妥当なのか、検証していきます。 今回の検証で判明したことは、所詮IMFは変化を嫌い不都合な事柄をひた隠す官僚組織であり、歴史的変化が差し迫る現状において彼らの意見を鵜呑みにして将来の指針とすることは極めて危険であるという […]

  • 2022年10月17日

崩壊目前の債券市場

実はいま、先進国を中心に債券市場の流動性が急速に悪化しており、世界の金融市場が危機的状況にあることをご存知でしょうか。 米国債の買い手が消えつつある これまで米国債購入の主役は日本や中国などの外国政府・投資家でしたが、2015年から保有割合は減っていき、コロナパンデミックが生じた2020年から急減しました。 パンデミック以降、米国債購入の主役となったのは世界大恐慌以来の不況を下支えするために量的緩 […]

  • 2022年10月12日

債券市場崩壊の礎を築いた人物に「ノーベル経済学賞」授与

[2022/10/10 毎日新聞]ノーベル経済学賞にバーナンキ氏ら FRB議長経験者では初 スウェーデン王立科学アカデミーは10日、2022年のノーベル経済学賞を、元米連邦準備制度理事会(FRB)議長で米ブルッキングス研究所のベン・バーナンキ氏(68)ら3人に授与すると発表した。銀行と金融危機の関係を解き明かしたことを評価した。 同アカデミーによると、FRB議長経験者がノーベル経済学賞を受賞するの […]

  • 2022年10月7日

次の不況は「円安不況」

中央銀行は日銀を除きインフレ退治のために金融引き締めを本格化してきましたが、一部で政策転換や政策転換前兆のような動きがみられます。 イングランド銀行は量的引き締め開始を決定した4日後に唐突に量的緩和を再開し、オーストラリア中央銀行は今月の利上げ幅を0.25%と、これまでの0.5%から縮小しました。 市場はこうした動きを見て「インフレのピークアウトは近い」「これから世界的に中銀は金融緩和再開の動きを […]

  • 2022年9月26日

金融崩壊・戦争時代へ

今月21日に2つの大きなイベントが重なりました。 一つはFOMC、もう一つはプーチン大統領による55分間にわたる緊急のテレビ演説です。いずれも将来の世界市場、世界情勢に不可逆的大変動を起こし得る内容を含むものでした。 市場はFedのタカ派姿勢を受け入れざるを得なくなっている まずは今月20~21日のFOMCについて簡単に触れていきましょう。 政策金利は3会合連続で0.75ポイントの利上げで、誘導目 […]

  • 2022年9月14日

幻想からの目醒め:不動産市場の破壊がインフレ退治の必要条件

[2022/09/14 ブルームバーグ]【米国市況】株が急落、CPIショック広がる-ドルは144円台半ば 13日の米株式相場は大幅反落。幅広い銘柄が売られ、S&P500種株価指数は約2年ぶりの大幅な下げとなった。8月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びを示したことから、米連邦公開市場委員会(FOMC)が来週の会合で大幅利上げを実施するとの観測が一段と強まった。 全面安の様相となり、中でも […]