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2023年5月

  • 2023年5月30日

財政赤字の4割超が利払い費に、支出大幅削減に迫られる米国連邦政府

バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長が債務上限引き上げで原則合意しました。この報道を聞いて米国の債務上限問題は解決したと思われるかもしれません。 ただ議会での法案成立が必要なので、これで終わったわけではありませんし、そもそも米国の財務状況が良くなるわけではありません。 インフレに伴うFedの利上げ・量的引き締めがもたらした長期金利の上昇により、米国連邦政府の国債利払い費は急増しています。 […]

  • 2023年5月29日

食料価格上昇に保険をかける逆張りの機会が広がり始めている

食品価格の値上がりが続きいまだに家計を圧迫しているなか、食品価格と密接な関係にある肥料市場に変化がみられます。 肥料価格の急落が続いています。下図はブラジルの肥料(窒素、リン酸、カリ)価格の推移です。 窒素肥料価格は2021年初めごろの水準にまで大きく暴落しましたが、最近はやや反発する傾向もみられ、本格的な下げは一服したのかもしれません。リン価格は今年に入り下げが続いていますが、比較的高い状況が続 […]

  • 2023年5月23日

「我々には堀がない」:第4次AIブームで開発競争はさらに熾烈に

チャットGPTが登場して、生成AI・対話型AIに対する関心が世界的に広がっています。 経済成長、企業の収益性が改善すること、人間社会の仕組みそのものが大きく変わり得ることなどへの期待がある一方で、生成AIの普及で3億人が職を失うとか、対話型AIの精度の低さや人の思考力を奪うといった懸念が早くも出てきています。 生成AI・対話型AIの登場というAI業界での大きな変革はユーザー側からの視点で多くが語ら […]

  • 2023年5月16日

植田日銀総裁は海外投資家を味方につけるために金融緩和を継続するかも?

今回は日銀と日本株に関する話題です。最近、海外投資家の買いが入り日経平均が上昇し3万円台目前になっています。それと同時に円安ドル高が進み1ドル136円ほどになっています。 さて、4月9日に新たな日銀総裁に就任した植田氏にとって、今後の金融政策のかじ取りは極めて困難になると考えていました。 このまま黒田路線を継続して金融緩和政策を続ければ、円キャリートレードが本格化して酷い円安を招くリスクがありまし […]

  • 2023年5月15日

メルクは特許の崖を越えられるか

今回は製薬会社のメルク(MRK)についてです。 メルクは2021年8月30日に株価76.3ドルで紹介しました。メガドラッグとなった免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダの成長と、収益性の低い既存薬部門をオルガノンとして分社化し、収益性が拡大することを期待してのものです。 2018~20年にかけて収益は停滞していましたが、2021年からキイトルーダの収益増が会社全体を牽引するようになり、業績は大き […]

  • 2023年5月9日

「バーゼル4」の導入で先進国の景気後退からの回復力がますます弱まる

3月にシリコンバレー銀行、シグネチャー銀行、シルバーゲートが経営破綻し、クレディスイスがUBSに買収され、欧米の金融不安がマーケットを駆け巡りました。 その後銀行破綻は落ち着いたものの、今月に入りファーストリパブリック銀行が経営破綻しJPモルガンチェースに破格値で買収される形となりました。さらにパックウェストとウェスタンアライアンスも身売り報道が出て、5月に入り株価が急落しています。 ちなみにシリ […]