本日配信のアボマガ・エッセンシャルでは、食料需給の現状と今後について詳述しています。
食料需給について調べていて特に印象に残ったことを、今日のつぶやきで触れたいと思います。
世界の食料価格はパンデミックの発生した年である2020年夏ごろから、2022年のウクライナ戦争開始後数ヶ月にかけて大きく値上がりしました。
この間、ロックダウンで農家の生産活動は制限され、サプライチェーンは混乱し、気候変動による不作が起こりやすくなり、世界有数の小麦生産地のウクライナで戦争が始まりました。
世界の食料供給国は、パンデミックとウクライナ戦争が始まってから、一時的に食料輸出の禁止・制限措置を講じました。
しかしその後現在にかけて、食料価格は下落を続けました。小麦とトウモロコシの価格はパンデミック前に近い水準に戻り、大豆はそれよりやや高い水準ですがピークと比べればかなり下がりました。
2022年夏以降、今日まで食料価格が低下してきた背景には何があったのでしょうか。
穀物の供給が増えたことが価格の下落につながったことは間違いありません。ウクライナ戦争開始後に採られた各国の食料輸出禁止・制限措置の一部は解除されました。
しかし穀物在庫は特段増えたわけではありません。
他方、中国は食料安全保障の観点から2020年から食料輸入を急増させています。昨年のトウモロコシ輸入量はパンデミック前の4倍もありました。
実際の穀物の需給の緩みだけで価格急落が起きたとは考えにくいのです。
実は穀物価格急落の期間、投機家たちが穀物先物を空売りしまくっていました。
下図はトウモロコシ、大豆、小麦の先物取引における大口投機家のネット買い/売りポジションのチャートです。
図を見ると、いずれの穀物も価格が下落し始めた2022年から急速に売りポジションが膨れ上がったことがわかります。
トウモロコシと大豆は今年初めに過去5年間で最大規模の売り持ちとなりました。その後一部買い戻されましたが、現在も多くの売り建玉が残っています。
小麦は2022年~23年にかけて売りが急拡大し過去5年で最大規模に達しました。その後買い戻しと新たな売りが交互に起こりました。売りポジションは少しずつ解消されていますが、それでもまだまだ多くが残ります。
2022年夏から現在にかけての穀物価格の急落は、ヘッジファンドら投機家たちが急激な売りを仕掛けたために起こったのです。
投機家の売りポジションは将来どこかの時点で必ず買い戻されます。
日銀は国債買い入れを継続している一方で、米国ではインフレ再燃への懸念から利下げ延期論が強まっているので、円安は今後も続いていきます。
すでに今年も1~7月まで6433品目の食品の値上げが確定しており、年間平均値上げ率は19%に達しますが、食品値上げは来年以降も続きそうです。
★本日配信のアボマガ・エッセンシャルでは、穀物価格と株価が密接に連動してきた農業関連銘柄のフォローアップをしています。
穀物価格が上がるとこの銘柄の株価も上がります。
現在は穀物価格の低迷でこの銘柄の株価は低迷しており、個人投資家にとって買いやすい状況にあります。配当利回りは4%以上あります。
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