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市場・経済・金融

  • 2023年3月9日

賃上げどころでない:円安、インフレを価格転嫁できなくなっている日本企業

最近、経済学者の野口悠紀雄氏の本を読んで知ったことがある。 日本では輸入物価が上昇すると、その上昇幅の10分の1ほどが、数か月の遅れをもって消費者物価に反映されるという経験則があるとのことだ。 つまり輸入価格が10%増加すると、数か月後に消費者物価が1%増えるということである。 ただこの経験則は、企業がエネルギーや原材料などの輸入品の価格上昇を製品価格に完全に転嫁できたからこそ成り立ってきた。 昨 […]

  • 2023年3月6日

金融市場新時代で勝者になれる配当成長株

今回、アボマガ・エッセンシャルでは代替資産に関連するある銘柄を紹介しています。 新聞などを読んでいて、数年前から代替資産投資(オルタナティブ投資)という言葉をよく目にするようになりました。何故代替資産投資が着目されているのか、知っていますか? 低金利・低インフレ時代の終焉と代替資産投資スーパーサイクルの始まり 私は今年最初の配信記事で、「40年続いた低金利時代が終了し、金融市場に地殻変動が起こり始 […]

  • 2023年3月1日

米国は最低でも11%程度への利上げが必要だ

原油価格は一年前の水準に低迷し、天然ガス価格はピークから75%ほど暴落し、2021年3月頃の水準にまで落ち込んだ。 これから春を迎え暖房需要が減少していくなか、エネルギー価格が大きく落ち込みインフレは落ち着いていく。そう市場は高をくくっていた。 しかし今年に入り、米国経済はますます絶好調となり、インフレが再び強まりつつある。 米雇用者数、予想大きく上回る51.7万人増-失業率53年ぶり低水準htt […]

  • 2023年2月21日

日銀の政策が世界のマネーの潮流を大きく変えるのか?

欧米の中央銀行が金融引き締めを続ける中、日銀の今後の動きが気になる。 4月から日銀の新総裁に植田和男氏が就任する見通しとなっている。 市場では、植田新総裁のもとで緩やかに金融引き締め方向に向かっていくとの見方が多いようだ。 いま日本円の金利は、主要31通貨の中で最も低い水準にあるという。欧米だけでなく新興国の中央銀行も揃って利上げしており、日本だけが取り残された形だ。 もし市場の予想通り、緩やかな […]

  • 2023年2月14日

トルコ大地震はハイパーインフレを招くのか

発生から一週間経ったトルコ大地震について、気になることを書きたい。 今回のトルコ・シリア国境付近のM7.8とM7.5の二度にわたる大地震は、阪神淡路大震災の22倍のエネルギーに相当すると言われる。 被害の範囲は南北で300キロ、東西で450キロ。面積にすると13万5000平方キロメートルとなり、これを日本に当てはめてみると、関東、中部、近畿地方を合わせた広さになる。 阪神淡路大震災と比べて遥かに強 […]

  • 2023年1月24日

進む中国と豪州の関係改善

小麦、豪産豊作で下落 ウクライナ侵攻前水準https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67775740Q3A120C2ENG000/ このニュースを見て気になったのは、小麦価格がウクライナ侵攻前水準に戻ったことではなく、中国が豪州から小麦を「爆買い」していることです。 この記事に書かれている通り、昨年に中国は豪州からの小麦輸入を大幅に増やしました。 昨年1~10月の中 […]

  • 2023年1月17日

さよなら、パッシブ投資礼賛時代2

昨日の記事の続きです。今回は2022年が「勝ち組」と「負け組」に明確に分かれた年であったことと、アボマガ紹介銘柄のパフォーマンスについてお話しします。 大局的な見方だけでは見逃してしまう、勝ち組と負け組の二極化 同じ米国株でも、昨年のパフォーマンスには大きなばらつきがありました。 米国の有名な株式指数にダウ平均、S&P500、ナスダック総合指数がありますが、これらの成績に大きな違いが見られ […]

  • 2023年1月16日

さよなら、パッシブ投資礼賛時代

年明けから2週間経過しましたが、今回は昨年のマーケットのパフォーマンスをを振り返りたいと思います。 40年続いた低金利時代が終了し、金融市場に地殻変動が起こり始めた 昨年は世界的に、高インフレを鎮静化するための「金融引き締め元年」となった歴史的な年となりました。 2021年よりロシア、ブラジル、メキシコ、トルコ、韓国など新興国の中央銀行はインフレ対策のためにいち早く利上げを行いました。 昨年はその […]

  • 2023年1月13日

日銀の量的緩和政策に歯止めが掛からなくなり始めた

ここ最近は日銀の金融政策の動きについてあまり興味を持てなかったのですが(黒田日銀が日本の経済・金融を破壊することは確定した未来だと確信しているため)、久しぶりに少し調べることにしました。 きっかけとなったニュース:[2023/01/13 NHK]債券市場 長期金利 上限超え0.545%まで上昇 約7年7か月ぶり 市場関係者による中央銀行の金融政策に対する見方・意見を見聞していて、昨年からずっと違和 […]

  • 2022年12月26日

金融引き締めは現金融システムの終活にあたる

今回は今後の米国の金融政策の展望についてお話しします。 今年は世界的に高インフレとなり、先進国の中央銀行で金融緩和サイクルが終了し、利上げや量的引き締めが始まるという、金融において歴史的転換が生じた年となりました。 日銀も長期金利の上限を0.25%から0.5%へと拡大し、黒田総裁の退任が来年4月に控える中、金融引き締めへと方向転換していくようです。 また今年は市場とFedの意見の相違、対立が表面化 […]