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金融

  • 2023年8月28日

米ドル基軸通貨体制は終焉し、米ドルと新興国通貨が混在する多極化した国際通貨体制へ。

今月22~24日に南アフリカのヨハネスブルグでBRICS首脳会議が開かれました。 新たにアルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国が来年1月からBRICSに加盟することが正式に決まり、加盟国は11カ国になります。 BRICS首脳会議では、噂されたゴールドに裏付けられたBRICS通貨の発表はありませんでした。ロシアのラブロフ外相の発言から、BRIC […]

  • 2023年8月21日

中国の不動産危機、バーゲンセールの機会を与えてくれるかもね

お盆休みの間に中国の経済・金融に関わるニュースが世界を騒がせてきました。 事の発端は、中国最大の民間不動産開発会社である碧桂園(へきけいえん、Country Garden)が今月6日にドル建て社債2本の利払いを履行できなかったことでした。 碧桂園のドル建て債券の利回りは3000%に達し、市場は同社のデフォルトをすでに織り込んでいます。 不動産市場をめぐる懸念は碧桂園にとどまりません。香港と中国本土 […]

  • 2023年7月25日

米国の銀行はFedの利上げで純金利収入は大幅上昇したが経営リスクも高まった

先週から米国で4~6月期の決算シーズンに入りました。 その先陣を切った米国の大手銀行は、不動産投資で多額の損失を出したゴールドマンサックスは別として、概ね好調な業績でした。 好調な業績を象徴するのは純金利収入の大幅な拡大です。 JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、ウェルズファーゴ、シティグループの4行の純金利収入合計は過去最高の630億ドルに達しました。 一年前の497億ドルから27%の増加 […]

  • 2023年5月16日

植田日銀総裁は海外投資家を味方につけるために金融緩和を継続するかも?

今回は日銀と日本株に関する話題です。最近、海外投資家の買いが入り日経平均が上昇し3万円台目前になっています。それと同時に円安ドル高が進み1ドル136円ほどになっています。 さて、4月9日に新たな日銀総裁に就任した植田氏にとって、今後の金融政策のかじ取りは極めて困難になると考えていました。 このまま黒田路線を継続して金融緩和政策を続ければ、円キャリートレードが本格化して酷い円安を招くリスクがありまし […]

  • 2023年5月9日

「バーゼル4」の導入で先進国の景気後退からの回復力がますます弱まる

3月にシリコンバレー銀行、シグネチャー銀行、シルバーゲートが経営破綻し、クレディスイスがUBSに買収され、欧米の金融不安がマーケットを駆け巡りました。 その後銀行破綻は落ち着いたものの、今月に入りファーストリパブリック銀行が経営破綻しJPモルガンチェースに破格値で買収される形となりました。さらにパックウェストとウェスタンアライアンスも身売り報道が出て、5月に入り株価が急落しています。 ちなみにシリ […]

  • 2023年4月24日

米国を待ち受ける修羅場:景気悪化、金融混乱、インフレ、財政悪化、迫る債務上限

米国のFedが利上げを開始し金融引き締めに転じてから1年以上経過しましたが、その影響は欧米の金融や経済に拡がっており景気後退や金融危機への不安や懸念をいまでも高め続けています。 その最たる事例がシリコンバレー銀行の経営破綻であり、クレディスイスのUBSによる買収でした。 汚職政治家・官僚や麻薬密売人などのマネロンに手を貸し、アルケゴスとグリーンシルへの投融資で多額の損失を被った悪名高きクレディスイ […]

  • 2023年4月14日

湾岸諸国は豊富な石油マネーを使って欧米の影響力を弱めようとし始めている

英エコノミスト誌を読んでいたら、湾岸諸国のマネーの動きについての詳しい分析記事が載っていました。https://www.economist.com/finance-and-economics/2023/04/09/welcome-to-a-new-era-of-petrodollar-power 湾岸諸国は米国シェールオイル企業を潰すために2014年以降に価格競争を仕掛けたものの、計画は失敗し、パ […]

  • 2023年4月10日

商業用不動産市場の崩壊がもたらすもの

シリコンバレー銀行をはじめとした米国の相次ぐ銀行破綻で世界の金融不安が大きく高まりました。最近はやや落ち着きを取り戻したとはいえ、中小の銀行に対する信用不安はそう簡単に払拭できるものではありません。 そんななか欧米の金融に新たな火種がくすぶり始めています。商業用不動産市場、とりわけオフィス市場が急速に悪化しているのです。 一等地の高層ビルが売れなくなりつつある リーマン危機後の金融市場は中央銀行の […]

  • 2023年3月22日

量的緩和再開はFed崩壊への道

(引用開始)[2023/03/22 ブルームバーグ]FRBをインフレと銀行危機が挟撃-22日の政策決定に異例の不確実性 パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局がインフレ抑制と銀行危機への対応に追われる状況にあって、22日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の政策決定に金融界・経済界の全神経が注がれることになる。 21日に始まった今回の会合でどのような決定が下されるかは異例なほど不 […]

  • 2023年3月20日

中央銀行は数十兆~百兆円以上の債務超過状態にある

実は中央銀行の財務状況は、破綻したシリコンバレー銀行よりも遥かに悪いことをご存知ですか。 Fedの米国債等の自国の政府系証券の保有額(簿価)は82.4兆ドルありますが、純資産は425億ドル、政府系証券保有額の0.52%しかありません。 日銀は593兆ドルの日本国債保有額(簿価)に対し、純資産は5兆円、保有日本国債に比べて0.84%しかありません。 ECBはFedや日銀と比べるとマシですが、ユーロ圏 […]