トランプが世界大恐慌の再来を警告している

現地時間のこの前の日曜日に、トランプ前大統領は自身で設立したSNS「トゥルース・ソーシャル」内で「世界大恐慌の再来」について言及したことを、あなたはご存知でしょうか。

画像ソース: Truth Social

以下DeepL翻訳:

「私たちの経済に起こっていること、そして米国史上最大かつ最も愚かな増税の提案によって、ジョー・バイデンは現代のハーバート・フーバー(1929-1933年の米国大統領)として名を残すことになるでしょう。1929年よりもはるかに大きく、強力な大恐慌が起こるだろう。その証拠に、銀行はすでに崩壊を始めている!!!」

ちなみにグーグル検索で「trump great depression」と検索すると、意外にもこのツイートを引用したロシアのタス通信の記事が検索トップに出てきました。
https://tass.com/world/1587683

銀行の相次ぐ倒産は、1929年のウォール街大暴落から始まった世界大恐慌を特徴づけるものでした。

1929年に米国には25,568の銀行がありましたが、相次ぐ倒産や他行への吸収合併により1933年には14,771行と、4年前から実に1万以上、率にして42%の銀行が姿を消しました。

全米で取り付け騒ぎが起こりはじめ、ピークの1933年には全米4004の銀行が閉鎖を余儀なくされました。当時、預金保護の仕組みはなかったので、潰れた銀行に預金していた多数の人々は無一文になりました。

世界大恐慌は4年間も続きましたが、銀行の倒産が相次ぎ、信用収縮が続き、実体経済からお金が引き上げられる状況が長引いたことが根本的な理由です。

要するに、銀行の取り付け騒ぎの拡がりこそ、世界大恐慌の明確な兆候なわけです。

かつての世界大恐慌で銀行が相次いで倒産したのは、銀行が証券会社に多額を貸付け(ブローカーズ・ローンと呼ばれる)、それが証券会社の債券購入や口座開設者への信用貸しに使われ、株式市場の崩壊でこれら融資が焦げ付いたためです。

現在の銀行は、世界大恐慌やリーマン危機前のような危険な融資やサブプライムローンへのエクスポージャーを大きく減らしてきました。各個人の預金は全額またはほぼ全額、保護されています。

しかし今回の銀行破綻は、中央銀行が大規模緩和で大量供給したマネーを使って銀行が投資した米国債やMBSが、中央銀行の利上げ・量的引き締めにより含み損が拡大したことで生じています。

要するに、今回の銀行破綻は金融の番人、最後の貸し手である中央銀行の金融政策が招いたものなのです。そんな中央銀行も大量に買い入れた国債の含み損ですでに債務超過に陥っているところがあります。Fedは1.1兆ドルの債務超過らしいです。

今回銀行取り付け騒ぎが拡がれば、金融システムそのもの、そして中央銀行、フィアット通貨の信用が毀損されることになりそうです。

そうなれば預金保護があろうとなかろうと関係ありません。財産の大部分を預金として持つすべての人々が実質的に無一文になることになります。

そういう意味で、トランプ前大統領が警告している令和版世界大恐慌は、94年前より大きな被害をもたらすのではないでしょうか。