コミットメントと一貫性を活かすには最初が肝心
今回は何事もやり始めが肝心であることについてです。
何事もやり初めが大変であることに変わりはないのです。 このことを当たり前にして、継続して思考、行動していくことが大切になるのではないでしょうか。
コミットメントと一貫性を活かすには最初が肝心
コミットメントと一貫性とは一度心に決めたことや実行したことに矛盾のない行動を今後も行いやすいという人間の性質でした。
ということは別の言い方をすれば、コミットメントと一貫性は私たちが夢や目標に向かって進んでいくためのエンジンという、重要な役割を担っているといえます。
そこでコミットメントと一貫性を活かすのに肝心となるのは、最初の苦労をどれだけ乗り越えらえるかに掛かってきます。
実際、何事もやり始めは大変なものです。 というのはやり始めは知識や経験がなく、頭を意識的に使って考えたり行動する必要があるからです。
人間には無意識に直感的に働くSystem1と、意識的にゆっくり働くSystem2という二つの心理に分けられます。 経験や知識が溜まるとSystem1によって無意識に、楽に思い出したり想像したり行動したりできるのですが、ここまでたどり着くまでにはどうしてもSystem2を意識的に利用してじっくり考える必要があるのです。
しかしSystem2は非常に怠惰で疲れやすい特徴があります(→詳しくはこちら)。 意識的にSystem2を使うことに慣れていない人(今まで勉強や苦労を伴う行動などをあまりしてこなかった人)は、中々うまく使うことが出来ずにすぐ頭が疲れて嫌な気分になりやすいのです。
このためいままで苦労慣れしたことがあまりない人に限って、すぐ三日坊主になりやすくなってしまうのです。
人によっては目標を紙に書いたり他人に目標を話すなどすると、コミットメントと一貫性をより強く働かせて三日坊主になりにくく効果があることが知られています(→詳しくはこちら)。
しかしこれも結局はコミットメントと一貫性のエンジンが安定して掛かるまでの手助けになるだけで、結局苦労が伴うことに変わりはありません。 なので最初は誰でも苦労が伴うことを頭に入れておくことが大切です。
しかしSystem2を意識的に使って苦労しつつ努力を重ねていくうちに、だんだんとSystem2に頼らなくとも無意識に働くSystem1によって楽に思考、行動ができることもみな平等です。
自転車をこぐときも、こぎ始めはしっかりペダルをこがないといけませんが、スピードに乗ればそんなに目いっぱいこがなくてもスイスイ進めますよね。
そう考えれば、私たちが物事をやり始めるときにエネルギーを使うのは何も特別なことではないのです。
やり始めは大変であることを頭に入れて、やっていくうちにだんだんと慣れてきて自然とできるようになる。 継続して行えば誰でもコミットし続けられるんだという前向きなこともぜひ記憶しておいてくださいね。
最初から成果を求める必要はない
やり初めが肝心であることについて私の経験を踏まえて個人的な見解を言うと、最初から成果を求める必要はありません。 最初は成果が出るとか出ないとかはどうでもよく、「諦めずに継続できるか」というのが達成できればそれだけで十分だと思います。
例えば私も様々なことを自分なりに行動してきましたが、成果が出るまでにどれも時間が掛かっているものでして。 下は私がいままで取り組んできた内容の一部と、成果を実感し始めるまでの期間です。 むむむ、どれも長いですね...
項目 | 成果 | 成果が現れるまでの期間 |
---|---|---|
ダイエット | 体重が減り始める | 3ヶ月 |
本サイト | アフィリエイト収入を得る | 1年2ヶ月 |
The Economist誌の購読 | ニュースを多少流し読み程度でも十分理解可能 | 2年 |
大体こんなものです。 基本的に成果が現れるのは早くても3ヶ月は見越しておいたほうが良いのではないでしょうか。
よって最初はあくまで継続して慣れるだけでも大成功だと思って良いです。 成果が出ていなくても慣れさえすればコミットメントと一貫性によってライフワークにすることが出来ますから。
例えば人間にはただ接するだけで好きになるという単純接触効果というのがありますから、わからなくても上手く行かなくても気にしないでとりあえず量だけでもこなしてみるだけでも十分意味のあることなのです。
世の中は短期で成果を出すことばかり気にしていますが、そういった世相は無視してください。 そう簡単に短期で成果は出るものではありません。
自分の興味のあること、自分の裁量で活動できるものくらいは、マイペースに長期を見据えて行うのも良いものですよ。
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