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不自由への反抗を考える

   不自由への反抗、痛みや制限に対する反発心というのは私たちの心理にかなり根付いています。


   例えば道を歩いていると、たまに「危険!近づかないでください」という警告看板があります。 しかし不思議と、私たちはこういう看板を目にすると逆にどうなっているのかが気になってしまうものです。


   これも不自由に対する反抗です。 近づくなという制限、つまり不自由によって逆に私たちに近づきたいという反発心がより生まれてしまうのです。


   また世界の紛争、政治的反乱を考えてください。


   例えばイラクで起こっているテロや紛争は、イラク国内ではマイノリティであるイスラム教徒スンニ派が引き起こしています。 2006年や2014年に起こったタイのクーデターは、富裕層を支持するタイ軍部が貧困層にひいきした政策を行ってきた政権に対抗するために起こったものです。 中国では絶対的な権力をもつ共産党政権に対する、民主化を求めるデモが頻繁に起こっています。


   このように不自由への反抗は私たちの心理に深く根付いています。 そして不自由への反抗は至るところで見受けられるのです。


   それでは不自由への反抗が私たちの心理に根付いていることを何かしらに応用できるでしょうか。 一つ考えられるのは子供の教育に対する応用です。


   例えば子供に対して、あまり「~してはいけない」「~しなさい」といった強制をしつこく行うと子供に悪影響を及ぼしてしまう可能性があることです。 「勉強しなさい!」「宿題終わるまでゲームで遊んじゃダメ!」「あぶないからこのみちをとおってはいけません」といったセリフ、メッセージがよくあります。


   しかしこれらは不自由への反抗心という目線で見れば最悪です。 これらは子供たちにモロに制限を与えることになります。 その結果反抗心が生まれてさらに悪い方向に行ってしまう可能性があります。


   実際、勉強しなさいと言われると逆に勉強のやる気がなくなる子供が半分もいます。 逆に勉強しなさいと言われない子供の方が、自主的に勉強をするようになります。


   私たちにはInner responsibilityというものが宿っています。 これは自分の意志で責任をもって物事に取り組むことで、より責任をもって自ら行動できるようになる人間の一つの能力です。


   子供自身のInner responsibilityを刺激して、自主的に勉強をする気持ちを子供自信の心に形成することが何よりも重要となります。


   上のことは私の経験が何よりも証明しています。 私も東工大を卒業しましたが、両親から勉強しなさいと言われた記憶はありません。 気づいたら自主的に勉強を行っていて、楽しみながらずっと勉強を行っていました。


   途中高校を中退しましたが、その頃に既に勉強に対するInner responsibilityが私の中に形成されていたので、中退後も特に問題なく自主的に勉強を進めることが出来ました。(大手の予備校にも通っていません。基本は自宅で独学です。)


   高校を中退して、大手の予備校に依存しなくとも東工大に合格できるくらいですから、Inner responsibilityの力は絶対に大きいです。


   と同時に私が勉強に対するInner responsibilityを形成することが出来たのは、両親がガミガミ勉強しなさいと全く言って来なかったことが間違いなく大きいでしょう。 もし勉強しなさいと口酸っぱく言われていたら、きっと勉強をやらされている感覚に陥ってしまって自ら勉強したいという気持ちが芽生えることはなかったと思います。


   何事を行う場合にも、Inner responsibilityを植えつけることが必要です。 「~しなさい」といった指示、命令をしてしまうと不自由への反抗が働くだけではなく、Inner reoponsibilityの形成に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。 自分の意思を相手に押し付けるのではなく、相手自信に意思を芽生えさせることが何よりも大切になるのです。

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