当たり前を疑え-心理が生むリスクを理解し不確実を楽しむ-

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見た目がものをいう

   見た目は大事、見た目よりも中身が大事など、見た目をどれほど重視するべきかは各々考えがあることでしょう。 しかし少なくとも人間心理の観点からみると、見た目はかなり大事です。 見た目によって相手の態度、さらには自分の態度も変わってしまうのです。


   人の見た目によって好意性は生まれてきます。 これは異性・同姓かどうかは関係ありません。 男性であればかっこいい、女性であれば美しい人に対して、私たちは好意を抱いてしまう生き物なのです。 よく人は見た目が大事と言われたりしますが、心理学的な理由がちゃんとあったわけです。


   セールスマンが身なりをきっちりと整える理由もここにあります。 初対面のお客様に良い印象を持ってもらうための手っ取り早い方法が、外見を整えて好意性を生み出すことなのです。


   またネットの個人ブログや個人サイトで顔写真を公開している人は、腕組みをしたり自信に満ち溢れたような表情をしていることが多いです。 これも私たちの好意性にアプローチして、より多くの人にファンになって欲しいと願っているからだと考えられます。


   少し皮肉な例としては、ある研究結果によると被告人の見た目によって裁判の判決で被告人が刑務所に入れられる可能性が変わるのです。 つまり見た目が良いほど無罪となりやすく、あまりかっこよくない、きれいでない人に対しては有罪判決が出やすくなるのです。


   このように私たちの見た目は思った以上に相手の好意性に関わっているのです。


   さらに面白いことに、見た目が心理に影響を与える効果は何も現実世界にとどまりません。 仮想世界にいる自分も心理的影響を与えることができるのです。 特に仮想世界にいる自分は、現実世界の自分の心理を変えることが出来るのが大きな特徴です。


   ネットやゲームなどでアバターを作ることができますよね。 アバターとは仮想世界上の自らの分身のことです。 私も昔Wiiというゲーム機で女性アバターを作って、マリオカートでレーサーとして活躍させていました。


   アバターがどう自分自身の態度に影響を与えるのかというと、かっこいい、かわいいアバターを作ると、仮想世界で自信をもった行動ができるようになるのです。 例えばかっこいい、かわいいアバターは他のアバターに積極的に話しかけることができるようになります。 また相手に対して強気の態度を取ることができます。


   さらに凄いのは、仮想世界で取ってきた態度が現実世界の態度にも反映されるのです。 つまりかっこいい、かわいいアバターを使って仮想世界で積極的なアプローチをしていると、実際の私たちの態度もより積極的になれるのです。 現実世界で容姿に恵まれずに自信がない人でも、仮想世界で積極的に行動すれば現実世界でも積極的に行動することができるようになるのです。


   このように仮想世界での態度が現実世界の態度に反映されることをプロテウス効果と呼びます。 プロテウスとはギリシャ神話の海の神のことです。 プロテウスは他のものに変身する能力を持っているので、それが由来となってプロテウス効果と呼ばれています。


   このように現実世界、そして仮想世界でも見た目は私たちの心理に大きな影響を与えているのです。

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