当たり前を疑え-心理が生むリスクを理解し不確実を楽しむ-

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希少性とは

   6つの心理の最後は希少性です。 希少性とは数が少ないものや珍しいものをより値打ちのあるものと思い込んでしまう心理のことを指します。


   例えばバーゲンや通販で「限定100品!」「先着10名様限定」「今年最後のチャンス」といったキャッチフレーズで商品が販売されてたりしますよね。 ラーメン店とかでも先着10人限定のラーメンといった、限定性のあるラーメンを売っていることもあります。 限定のラーメンを求めて、開店前からラーメン店に行列ができていることだってあります。


   これらはすべて私たちの希少性を利用しています。 限定とか先着何名様という珍しさ、早く買わないと他の人に先に買われて買えなくなってしまうといった焦りが希少性を刺激し、購入に踏み切りさせるのです。


   商品によっては本当は限定の品ではないのにも関わらず、わざと限定性を表に出して希少性を働かせていることもよくあります。 例えばテレビの通販CMで「このCMをご覧になった人限定で、通常一箱の品を二箱差し上げます」というものをよく目にします。 一週間後、同じ時間帯にテレビをつけるとまた同じCMをやっています。 そして同じように限定性を強調したCMを流しています。


   別に本当は限定品でなくてもいいのです。 限定という言葉を使うこと自体が重要なのです。


   何故私たちには希少性が働くのでしょうか。 理由は大きく分けて次の二つです:

  • 数が少ない→価値があると考えてしまう連想
  • 不自由への反抗心

   まず一つ目は数が少ない→価値があるという風に連想してしまうことです。


   このように連想してしまうのは経済の需要・供給関係をみてごく自然なことでしょう。 スーパーに行っても、キャベツが豊作だとキャベツを安く買うことができますよね。


   逆に天候不順が影響でキャベツが不作だと、消費者のニーズに十分応えるほどキャベツを供給することができなくなるのでキャベツの価格が上昇しますよね。 供給できる数が少なくなるほど、キャベツの価値が上昇するのです。


   このような需給バランスを私たちは当たり前のように見ているので、数が少ない→価値があると連想するのは普通でしょう。


   もう一つの理由は不自由への反抗心です。


   不自由への反抗心というのは、入手したりするのが難しかったり入手するのに制限が掛かっていると、逆に私たちはその入手しにくいものをもっと入手したいと思うような気持ちのことを指します。


   不自由への反抗心が現れる一つの例として恋愛があります。 あまりモテていない人に対して魅力を感じないと思う方は多いことでしょう。 一方で多くの人にモテている男性、女性を好きになりやすい傾向があります。


   多くの人に持てているということは、それだけ競争が激しいということです。 そのためそう簡単にその異性の心を射止めることは出来ません。 こうした不自由がさらにその異性の価値を高め、付き合いたいと思う気持ちが強くなるのです。


   数が少ないものを購入するときも似たようなものです。 数が少ないと、他の多くの人との購買競争に持ち込まれます。 モタモタしていると他の人に先に買われてしまい、こちらが購入する前に売り切れになってしまいます。


   こうした不自由、自分の好きな時にいつでも買えるわけではない、というのが商品に対する価値を高め、私たちの購買意欲をさらに刺激するのです。

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