東京五輪を控えて次世代高速通信「5G」に浮かれすぎなニッポン


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東京五輪を控えて次世代高速通信「5G」に浮かれすぎなニッポン

2018/03/02

 

【2018/03/02 日本経済新聞】京セラ、設備投資1000億円で過去最高水準に 18年度、5G需要もにらむ

 

京セラは2018年度の設備投資額を17年度比2割増の1千億円超とする。スマートフォン(スマホ)や自動車に使う半導体部品など電子部品関連の投資を柱に、ITバブルで過去最高を記録した00年度並の高い水準となる。スマホ向け部品は足元で調整局面にあるが、19年度にも次世代高速通信「5G」の需要が立ち上がると判断。早期の増産対応で需要増に備える。

 

【2018/02/27 日本経済新聞】5G 世界で来年一斉に 日本も前倒し検討、IoTや自動運転に応用

 

世界の通信事業者や機器メーカーが次世代高速通信規格「5G」の2019年商用化に向けて一斉に動き出した。当初計画を1年前倒しする。スマートフォン(スマホ)向け高速通信のほか、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の進化やつながるクルマ「コネクテッドカー」の開発など、世界的な投資やサービスの高度化に弾みがつきそうだ。

 

 おいおい日経さん、5Gに浮かれすぎじゃない?

 

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莫大なコストが掛かり5G開発に積極的になれない通信事業者

 最近の日経新聞を眺めていると、あたかも5Gの設備投資や商用化がいよいよ始まり、活況していくかのような印象を与える報道が目立ちます。

 

 しかし実態は異なるようです。

 

 米国と韓国は2019年、その他の国でも2020年には5Gの商用化を目指しているようですが、2025年になっても全世界のモバイルユーザーに占める5G接続率は10%強にとどまるとの予測もあります。しばらくは4Gの1強時代が続きそうです。

 

世代ごとの移動通信システムのシェア推移

画像ソース:GSMA Intelligence ※PDFファイル

 

 現在、世界的に通信事業者はどちらかというと5G開発に消極的だと言われています。

 

 その一番の大きな理由は開発費用の大きさです。5G開発に関わる通信事業者、半導体メーカー、ネットワーク機器メーカー、ソフトウェア開発企業の、研究開発費から設備投資までを含めたトータルのコストは年間2000億ドル(20兆円以上)になると言われています。
【2017/12/18 Bloomberg】Upgrade to 5G Costs $200 Billion a Year, May Not Be Worth It

 

 このコストは基地局の建設や通信網の運営に関わるハードウェアやソフトウェアの更新費用、周波数帯の確保費用を支払う通信事業者の肩に圧し掛かります。

 

 50億人がモバイル通信に接続して新規ユーザーの獲得が難しくなっており、しばらく収入の伸びが鈍化すると見込まれる通信事業者にとっては、5G開発コストは非常に大きな負担となるのです。

 

 

 5Gの開発コストが高くつく一番の要因は、高周波帯の利用にあります。

 

 5Gは4Gと比較して容量が1000倍、最高速度が20倍、実効速度が100倍になると言われており、さらなる大容量化や高速化を推し進めるために高周波数帯(特に周波数が30GHz以上のミリ波帯)が利用されます。

 

 しかし高周波数帯電波は低周波数帯電波と比較して障害物の影響を受けやすく、それ故電波が遠くまで届かないというデメリットがあります。これは高周波数帯電波は直進性が高く、障害物を上手く回り込むことが苦手で、障害物にぶつかることで電波が途切れやすいためです。ミリ波は枝葉、雨、霧すら電波障害につながるそうです。

 

 そのため通信事業者は5G用に新たに沢山の基地局を建設しないといけないのです。電波の届く範囲が狭いので、電波障害を防ぐためにはその分多数の基地局("スモールセル"と呼ばれる)を(特に人口密度の高い都市部)の建設が必要となります。

 

 また使用する周波数帯域は増やさずに高速化するためのアンテナ技術「超多素子アンテナ技術」といった新技術も必要となり、新技術開発も5G開発コスト負担となります。

 

 5GはIoTとも密接に関わると言われており、5Gは通信の遅れの発生も4Gと比べ1/10にまで減るためロボットの遠隔操作や自動運転用の通信システムとしても利用可能と言われています。

 

 ただ、ロボットの遠隔操作や自動運転の本格化はまだまだ先であり、現在のところ通信事業者は5Gの収益化のための自信を持った戦略を描ききれていないようです。

 

 下は日本の通信事業者に訊いた5Gのメリットに関するアンケート結果ですが、メリットとして容量やスピードの増加は多くあげられているものの、通信事業者にとっての新たな収益源だと回答したのはたった9%しかありません。

 

日本の通信事業者が考える5Gのメリット

画像ソース:マッキンゼー ※PDFファイル

 

 先進国の通信事業者(特に米国)は今後しばらくは収入の伸びが減少したりマイナスの伸びになりそうであり、5Gサービスでの収益化戦略も描ききれていない現状において、バカ高い設備投資費用等が必要となる5G開発は2020年ごろ(東京五輪開催年)まではあまり進展しないだろうというのが専門家の見方のようです。

 

通信事業者の売上げ、設備投資費の推移予測

画像ソース:GSMA Intelligence

 

 

 2020年の東京五輪に向けて日本は5Gの打ち上げ花火を打とうとしているようですが、「浮かれすぎだよ」というのが正直な感想です。

 

 中国、日本、韓国は5Gの推進を掲げていますが、欧米以上に5Gの普及は進まないとみられています。5G通信網の導入に時間が掛かることや、LTEと比較したモバイル通信としての5Gの価値命題(5Gは一体どのような通信システムであるべきか)が不透明であるためです(要は5Gの具体的な社会への応用ビジョンや戦略が示されておらず、方向性がしっかりと定まっていないということ)。

 

欧米、東アジアの4Gと5Gの普及速度

画像ソース:GSMA Intelligence

 

 5Gは4Gまでと開発プロセスや技術面に大きな違いがあるだけではありません。全世界の人口のおよそ2/3にあたる50億人がすでにモバイル通信を利用し、4Gによりストリーミング動画を見られるくらいの高速・大容量な通信が出来るようになった現状において、いままでのように通信事業者が「通信速度をウリにした新規ユーザー獲得」によって収益を上げるのが難しくなってきています。いままで以上に通信事業者は収益拡大戦略を練って実行に移さないといけなくなるわけです。

 

 東京五輪というお祭り騒ぎに向けてむやみやたらに多額の投資をつぎ込もうとしている日本ですが、5Gによる収益化に関するそれなりの戦略を持った上での投資計画なのでしょうか。どうも私にはそう見えないな...

 

 最初に引用した、5G需要増に向けて設備投資を増やす予定の京セラは、現在に至っても2008年のフリーキャッシュフローの水準に戻せておらず、在庫回転率もジワジワ悪化中で経営効率は10年間改善されていません。

 

 KDDIの筆頭株主になったことで含み益や配当収入は増えていますが、本業を示す営業利益(配当収入は含まず)も2008年をいまだに上回ることができません。

 

京セラの財務データ

画像ソース:MORNINGSTAR

 

 こうした状態で5G向けの設備投資を増やすというわけです。在庫回転日数が10年間悪化の一途を辿って過去最高水準の設備投資をすることになり、あまり深い経営戦略があるようには見えません。

 

 ちなみにKDDIの筆頭株主は京セラ、次点がトヨタです。マッキンゼーによれば、日本での5G通信網の産業での活用は、自動車含む工業が最も恩恵を被るそうです。

 

主に自動車などの産業が5G の恩恵を受けると予想される

画像ソース:マッキンゼー ※PDFファイル

 

 KDDIは5G市場拡大で恩恵を被る電子部品・通信機器メーカーと自動車企業のあいだに挟まれ、大変ですな。

 

 そういうことのようです。5G、上手く行くといいですね。

 

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