全米を席巻する電子タバコ「ジュール」の恐るべき潜在力、そして危険性


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全米を席巻する電子タバコ「ジュール」の恐るべき潜在力、そして危険性

2019/09/10

 

 配信しているメルマガにて、いま全米中で一大ブームを巻き起こしている電子タバコ「ジュール」について触れる機会がありましたので、ブログにも載せておきます。

 

[アボマガ No.92]合併協議報道、そして電子タバコ規制論議本格化へ?の記事(一部)です。2019/09/10に配信したものです。

 

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革新的電子タバコジュールとその恐ろしい潜在力

 ジュールとは、サンフランシスコに本社を置く電子タバコ会社ジュール・ラボ(JUUL Labs)が製造・販売している電子タバコのことです。

 

 元々ジュールは2007年に設立されたパックス・ラボ(Pax Labs)が開発した製品で、2017年にパックス・ラボから分離独立する形でジュール・ラボが誕生し、いまではジュール・ラボがジュールの製造・販売を行っています。

 

 ジュールは2015年に頭角を現すと、瞬く間に米国の電子タバコ市場を席巻していき、2018年には米国の電子タバコ市場の70%超を占有するに至りました。現在は75%のシェアを誇ります。

 

画像ソース: Bloomberg

 

 電子タバコは未成年者を含む若者に最も人気があります。下図は2018年時点で、電子タバコを一度でも吸ったことがあるかどうかを米国人の年代別に分けたものです。18-29歳の若者のうち、実に85%が電子タバコを吸った経験があるのです。

 

画像ソース: statista

 

 ジュールが爆発的に普及した2017年から2018年にかけて、米国の高校生の電子タバコ利用率は「11.7%→20.8%」となり78%増加、中学生は「0.6%→4.9%」となり、48%増加しました。
[American Cancer Society]What Do We Know About E-cigarettes?

 

 これらを勘案すれば、いかにジュールが未成年者を含む米国の多くの若者に支持されているかがわかるものです。

 

 

 ジュールがここまで若者に人気のある理由は、フレーバーが豊富かつ利便性、ファッション性、カスタマイズ性に非常に優れているためです。

 

 見た目が非常にスタイリッシュで軽量・コンパクトで、従来のタバコパッケージよりも横幅は1/3未満です。アイコスやグローは手からはみ出しますが、ジュールは手のひらサイズで収まります。

 

 ポッドと呼ばれるカートリッジを本体に抜き差しするだけで簡単にセッティングでき、アイコスやグローで必要となるメンテナンスも不要なため、面倒な作業をせずに多彩なフレーバーを楽しめます。また充電はUSB形式で1時間でフル充電、パソコン経由での充電も可能です。

 

 アクセサリーも豊富で、本体に様々なデコレーションを施して個性を出せるカスタマイズ性やファッション性にも優れます。煙やゴミが出ないので、周りに迷惑を掛けたくない、環境への意識が高い若者も問題なく使えます。

 

 なお、クールなデザイン、多彩なフレーバー、パソコンから簡単に充電できる仕様はビジネスマン受けも良いと思われます。ジュールは若者のみならずあらゆる米国人を引き付ける潜在力があると考えます。

 

画像ソース: NIC IN JUICE

 

 

 さらにジュールで見逃せないのは、アイコスやグロー、ブルームテックという加熱式タバコをあらゆる点で上回る事実です。

 

 上述のようにジュールはサイズの小ささやメンテナンスの不要さで加熱式タバコに比べ優位ですが、それ以外にもジュールは燃焼式タバコ特有のポップコーン臭が出ないこと、加熱時間が不要で、吸い込むことで自動的に電源が入り、吸うのを止めれば勝手に電源がオフとなる点などで加熱式タバコよりも優れています。

 

 

 そして何よりも重要な点は、ジュールは加熱式タバコよりも圧倒的に吸いごたえがあり、高い満足度を得られることです。

 

 加熱式タバコはニコチン入りのリキッドを加熱することでニコチンを吸引しますが、紙巻きたばこと比べてニコチンが体内に吸収されるスピードが遅く、愛煙家にとって満足度が不足するという問題があります。

 

 満足度を高めるためにニコチンリキッドの濃度を高めようとしても、喉を傷めるリスクが高まるため、たくさんの量を吸うことはとても困難であり、結局十分満足することはできませんでした。

 

 他方、ジュールは正確にはニコチンではなく、「ニコチンソルト(ソルトニコチン)」という、ニコチン本来の成分に近い化学物質を使用しています。ソルトとは「塩基」を指します。

 

 ニコチンソルトの使用により、従来のニコチンリキッドでは達成できなかった、高濃度のニコチンを滑らかなのどごしで体内に早く吸収することが可能となりました。しかも少量で満足を得られるので、コストパフォーマンス面でも優位とされます。

 

画像ソース: Vape.Shop

 

 このようにジュールは加熱式タバコよりもあらゆる面で優れる一方、加熱式タバコにはないジュール特有の表層的なデメリットらしいデメリットは見つかりません。

 

 つまりジュールは燃焼式タバコシェアを飲み込むのみならず、アイコス、グロー、ブルームテック等の加熱式タバコのシェアすらも脅かす存在であり、長期的に世界中のタバコ市場全体を飲み込む潜在力を持つ、とんでもない製品なのです!

 

「出る杭は打たれる」

 しかし私はジュールが今後、爆発的に普及し世界を飲み込むとは思っていませんし、最悪規制により潰されてもおかしくないと考えています。

 

 何故ならジュールは潜在的健康リスクが非常に高いと考えられるためです。

 

 若者を中心に米国電子タバコ市場で圧倒的な支持を集めるジュールですが、実は従来の電子タバコとは比較にならないほど多くのニコチン(正確にはニコチンソルト)を含んでいます。

 

 下図は紙巻きたばこ、ジュール、電子タバコの一回の吸引で体内に吸収されるニコチン量の時間推移を表したものです。

 

 図から明らかなように、ジュールは平均的な電子タバコの何倍ものニコチンを体内に急速に吸収します。紙巻きたばこよりは少ないものの、それでも相当な量のニコチン(正確にはニコチンソルト)を短期間に体内に吸収することになります。

 

画像ソース: VAPEGRL

 

 また上述のようにジュールは一般的な加熱式タバコよりも高濃度のニコチン(ソルト)が早く体内に吸収され、しかも滑らかなのどごしのため、加熱式タバコよりも依存症リスクが高まると予想されます。

 

 さらにニコチンソルトは自然由来の成分ではなく人工的につくられた化学物質ですので、発がんリスクなどの潜在リスクが大きい可能性もあります。

 

 要するにジュールは、従来のタバコよりも健康へのリスクが低いと言われる一般的な電子タバコとは比べ物にならないほど健康へのリスクが高いと考えられるのみならず、人工的な化学物質を吸引するため、場合によっては燃焼式タバコにも引けを取らない、最悪これを上回る潜在的リスクも考慮しなければならないのです。

 

 ジュール・ラボはジュールがニコチンを含んでいることについては大々的に警告していますが、それが正確にはニコチンではなく人工的な化学物質であるニコチンソルトであることは伏せている傾向にあります。

 

 恐ろしいのは、米国のジュール使用者のうち、実に63%もの使用者がジュールにニコチンが常に含まれていることを知りません。

 

 それがニコチンではなく正しくは人工的な化学物質であるニコチンソルトであることを知っているか?という質問となれば、知らないと答える割合はさらに高まることでしょう。

 

 ここでいうジュール使用者が若者限定なのか、あらゆる年代を含んでいるのかはソース元の表現が曖昧で読み取れませんでしたが、少なくともかなり多くの若者がジュールの危険性を理解しないままジュールを愛用していることは間違いありません。

 

画像ソース: truth initiative

 

 以上のいくつかの事実やアンケート調査結果を踏まえれば、ジュールは客観的にみて大幅に規制せざるを得ない製品となります。

 

 

 最近、電子タバコへの風当たりは急速に強まっています。

 

 米国におけるタバコ規制に関して、現在まで次のような流れにあります。ここでFDAとは米国のタバコ規制当局のことです。

 

  • 電子タバコベンチャー企業の取締役の経験があり、電子タバコの普及に積極的だったゴットリーブ氏が今年3月に突然FDA長官を辞任した(後任は米国立がん研究所長だったノーマン・シャープレス氏)
  • 今年4月30日、FDAはアイコスの米国での販売承認を出した
  • 今年6月、FDAは電子タバコメーカーに求める販売継続申請の提出期限を10カ月以内に前倒しすることを提案
  • アルトリアとフィリップ・モリスの合併検討報道が出た後、FDA含む複数の米国機関が、主に未成年者への電子タバコの健康リスクを理由に、電子タバコを使用しないよう勧告したり、電子タバコの販売に関する規制強化を検討するなど、電子タバコに対する風当たりが急速に強まっている

 

 上の流れからFDAがアイコスよりも電子タバコ(つまりジュール)を遥かに危険視していることは明らかですし、危険視することは当然です。

 

 電子タバコへの風当たりを強めているのはFDAだけではありません。もはや全米中が電子タバコの本格的な規制強化を求めています。

 

 つい最近では、9月5日、米ミシガン州は米国の州レベルで初めてフレーバー付き電子タバコの販売を禁止しました。

 

 9月6日、民主党のディック・ダービン上院議員はシャープレスFDA長官に対し書簡を送り、電子タバコを規制し若者のあいだでの流行に歯止めをかけるのための行動を10日以内に取らないのであれば、長官職を辞任するよう要求しました。

 

 ここで少し目線を変えて、8月終わりにオピオイド中毒をめぐる最初の判決がJ&Jに対して出ましたが、州政府などがオピオイドの製薬会社や流通業者に対して数千件の訴訟を起こしており、オピオイドをめぐる問題は今後ますますヒートアップしていくことが予想されます。

 

 オピオイド問題で米国社会が大きく揺れる中、電子タバコをめぐる問題がここにきて強まるわけですから、相乗効果で電子タバコをめぐる問題はしばらく全米中で大きな論議を呼ぶことが予想されます。

 

 

 FDAは米国の若者のニコチン依存を減らすことを目的にこれまで動いてきました。健康への悪影響が科学的に証明しきれておらず、依存性のあるニコチンソルトを多く含み、燃焼式タバコよりも圧倒的にファッション性、利便性に優れ若者ウケのよいジュールは、規制当局の立場で考えればどうみても燃焼式タバコよりも真っ先に規制対象とすべきです。

 

 しかもジュールはタバコ市場全体に占めるシェアはまだ少なく、ベンチャー企業が開発した製品であり、大手タバコ会社にとってもタバコ市場シェア全体を奪われかねない、極めて脅威的な製品です。

 

 FDAは政治的圧力をほとんど受けないまま、いやむしろ政治的圧力がFDAの背中を押す形で、ジュールに対し厳しい規制をかけやすい状況にあるのです。

 

 ジュールはあまりにも革新的過ぎたのです。最悪、ジュールは規制により米国市場から事実上追放される可能性もあります。

 

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