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幸せはストックされにくいが損は簡単にストックされる

   Loss aversionは私たちが損に対してより敏感であることを教えてくれています。 私たちが損に対して敏感な例として、次のことがあげられます。 それは幸せはストックされにくいが、損の気持ちは簡単にストックされることです。

もし一年中温暖な気候だったら

   もしも日本が一年中爽やかな風が心地よい温暖な気候だったらどう思いますか。 多くの人にとっては本当にもう最高だと思うでしょう。


   だって、一年中軽めの服装で外に出かけられるんですよ。 ショッピングだろうが公園だろうが、海や山に行くのがとても楽しくなれますよね。


   だとすると、ずっと日本が温暖な気候だったら日本人の幸福度はもっと高まりそうではないですか?


   しかし実際はそんなことはありません。 ダニエル・カーネマンらによる心理学の実験で、温暖な気候で知られるアメリカのカリフォルニア州の人々の幸福度が他の州の人々よりも高いかどうかの調査が行われました。


   カリフォルニア州はロサンゼルスがある、西海岸の州です。 場所によっては一年を通して気温が安定していて、特にロサンゼルスでは8月の平均最高気温が30℃未満、1月の平均最高気温が18℃程度ととても過ごしやすいのです。 冬は寒く夏はクソ暑い土地に住む日本人にとってはさぞうらやましい限りでしょう。


   しかし実験結果では、カリフォルニア州の人たちの幸福度は他の州の人たちの幸福度と別に変わらなかったのです。 毎日毎日温暖な気候という、私たちを幸せに感じさせてくれる要素があっても、それは幸福度には結びつかないのです。

ストレス、あぁストレス...

   一方で次のようなケースを考えて見て下さい。 毎日毎日10時過ぎまで残業をこなし、上司からは毎回嫌な愚痴を言われながら仕事をやっています。 このときのあなたの幸福度はどうですか。


   ほとんどの場合であなたの幸福度は最低なことでしょう。 不満やストレスがだんだんと積もってきていると思います。


   私たちは毎日幸せなことが積み重なっても、その喜びをストックさせて大きな幸せを感じることはなかなかできません。 幸せに晒されれば晒されるほど、幸せに関する参照点が高く設定されてしまって最終的には喜びを実感することができなくなってしまいます。 いわゆる慣れというやつです。


   一方で自分に対して不幸なことが繰り返し起こると、そのような不幸はどんどんストックされていきます。 毎日残業を繰り返すと、徐々に肉体的にも精神的にも疲れが蓄積されてしまいます。 上司から嫌味を言われ続けると、どんどんストレスがたまっていきます。 損は雪だるま式にどんどんストックされるのです。


   損はどんなにちっちゃな損でも私たちを不快にさせます。 そしてちっちゃな損も、積もりに積もれば大きな損になるのです。

中国式水責め

   中国式水責め(Chinese water torture)というものがあるくらいですから。 中国式水責めとは、被害者を縄で縛って動けなくして被害者の額に水を一滴一滴垂らす拷問のことを指します。


   水滴一滴なんて別に大したことがないように思えます。 だけど想像してみてください。 水滴が目の前で自分の額の上にピチャ、ピチャ...と落ちてくるのです。 一滴一滴、ゆっくりとピチャ、ピチャ、ピチャ...


   少し経つと水滴がウザッたらしく思えて来てすぐさまふき取りたくなります、が、体は縛られているので水滴をふき取ることなんてもちろんできません。


   そうこうしている間にも途切れることなく、水滴がピチャ、ピチャ、ピチャ... イライラが募ってきても水滴は常に冷静に、ゆっくりとしたペースでピチャ、ピチャと額を責め続けるのです。


   時間が経つと苛立ちはいずれ水滴に対する恐怖心へと変わっていきます。 もうやめてくれ、そう思っても自分の目の前にゆっくりと姿を現す水滴、そして水滴が徐々に徐々に成長していく様子...そして...


   ピチャ...


   もうやめてくれ、やめてくれ...!! そんな被害者の気持ちをあざ笑うかのように、ゆっくり、ゆっくりとマイペースに額の上に落ち続ける水滴。 容赦のない水滴が徐々に被害者の心を蝕み、徐々に被害者の精神を狂乱へと導くのです。。


   水滴のようにまったく無害に思えるものでも、積もりに積もれば人の精神は半壊してしまうのです。 損に対しては塵も積もれば山となるのです。

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