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Denominator neglect-見せ方で受取り方は変わる-
いきなりですが問題です。
次のようにある二つの国での路上での暴力件数についてに統計が取られました。 二つの国、どちらが治安が悪いと思いますか?
- A国では毎年100人中2人が路上で暴力を受ける
- 人口200万人のB国では毎年26000人が路上で暴行を受ける
これを見てどう思いますか? B国の方が治安が悪そうに思いませんか?
だって毎年26000もの人が暴行を受けているんです。 26000人って中々の数字ですよね...
B国の方がA国よりも治安が悪いと思ったあなた、残念ながら確率の魔術師に翻弄されていますよ!
何故なら、A国では100人中2人が路上で暴力を受けているんです。 ということは二つの数字をそれぞれ2万倍すれば、200万人中40000人が路上で暴力を受けていることになります。
200万人換算してA国とB国の暴力調査の人数を200万人にそろえると、A国の方がB国よりも14000人多くの人が路上で暴行を受けていることになります。 確率に換算するとA国で暴力を受ける確率は2%、一方B国では1.3%の確率です。 つまりA国の方がB国よりも路上で暴力を受ける確率が1.5倍以上あるんです!
Denominator neglectとは
これはDenominator neglectと言われる現象です。 つまり分母無視ってことです。 分母とは上の例で言うところの100人とか200万人のことです。
それぞれの国に対して路上で暴力を受ける確率を計算すると、A国では2/100、B国では26000/200万ですよね。 このように確率を計算するときの分母に来るのが100人とか200万人のことで、Denominator neglectとは確率を考えるときにこうした「確率計算時の分母」を考慮にいれなくなってしまうことを指します。
私が何よりも驚いたのは、分母となる数字がはっきりと表記されていても分母を無視してしまうことです。 これは上の例で言えば、「100人」とか「200万人」という分母となる数字が明記されているにも関わらず、こういった数字を「見て見ぬふり」してしまうのです。
インパクトを与えるには
ちょうどこの記事を書いているときに、NHKのニュースでWHOが調査した世界の年間自殺者数についての報道がされていました。 その報道の中で、40秒間に1人の割合で自殺が起こっていることが伝えらえていました。
「40秒間に1人?」
よくHIVといった大量の人が亡くなるニュースが報道されるときに「~秒に1人」という表現が良く使われます。 しかし突然「40秒間に1人」と言われても、確かにかなりのペースで人が自殺しているんだなぁという漠然とした印象は受けますが、インパクトをリアルに感じられている人は中々いないのではないでしょうか。 私もこのニュースを最初見たときは、正直多いのか少ないのかがよくわかりませんでした。
40秒間に1人という報道は、視聴者にインパクトを与えることを目的としている場合は最悪です。 Denominator neglectにより私たちは40秒という数字は対してあまり重きを置かず、1人という数字に重きを置きがちになるからです。 1人というのはもちろんインパクトのある数字ではありませんから、40秒間に1人という表現はあまり人にインパクトを与えません。
例えば次のような2つが並べられて、どちらの方が死亡者数が多いと思いますか?
- 全世界の年間で200万人がHIVによって命を落としている
- 10秒に1人の割合でHIVで人が亡くなっている
パッと見では200万人がHIVで命を落としている前者の方がインパクトが大きくないですか? しかし実際に計算すると10秒に1人が亡くなるということは、年間では315万人の人が亡くなっているという計算になります。 つまり後者の方が前者よりも1.5倍以上の人が亡くなっているのです。
「40秒間に1人」から計算すると60×60×24×365÷40=788400人となります。 またネットで実際の年間自殺者数を調べたら、世界では年間で80万人以上の人が亡くなっているとのことでした。 ただしネットの見出しも「40秒間に1人」を使っていて、年間80万人以上の人が亡くなっているという表現は記事の途中に地味~に書いてありました。
最初に「年間80万人以上の人が亡くなっている」と報道され、さらにこれが40秒間に1人の割合であるという風に報道されれば「えっ、年間80万人ってそんなに頻繁なペースなの!?」と感じてインパクトも違っていたことでしょう。
それともこれだけ多くの人が亡くなっているニュースを報道するときは、インパクトを抑制するためにあえて「40秒に1人」という表現を使っているのでしょうか...
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少子高齢化が進む中、一向に経済が浮揚しない日本において、現行の年金制度だけでは必要最低限の老後生活を送ることすら厳しいことが明るみになりました。老若男女問わずすべての日本人は、生涯にわたって先行きの見えない状況下で生きざるを得ないという、衝撃的な時代を迎えているのです。
こうした時代に経済的に生き残るためには、年齢問わず、資産運用を通じたじぶん年金を早くから形成しておくこと以外に方法はありません。
私はこうした考えに基づき、2014年から長期投資を始め、現在まで粛々と将来を見越したじぶん年金作りに取り組んできました。
情報の洪水でどの情報を信じれば良いのかわからない現在、インターネットで調べた断片的情報をもとにした付け焼刃的な知識で資産運用しても、うまくいくはずがありません。
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それを決めるのは、あなた次第です。
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