利上げサイクル終了は市場大混乱の前触れ

世界各国の中央銀行による利上げ停止の動きが相次いでいます。

Fedが9月以降に2会合連続で政策金利を据え置いたことを始め、ECBは10月に11会合ぶりに政策金利を据え置き、イングランド銀行とカナダ中銀は9月以降、オーストラリア中銀は7月以降、政策金利を据え置いたままです。新興国の中央銀行のなかには、利下げを再開したところもあります。

エネルギー価格が昨年のピークから暴落したことで、国のなかにはインフレ率が落ち着いているように見えるところがあります。米国、ドイツ、カナダのインフレ率は4%を下回っています。

インフレが落ちつき、先進国中央銀行が相次いで利上げを停止し、利上げサイクルがひとまず終了したことで、市場では安堵の声が聞かれます。

しかし米国、日本、欧州のドル建て株価は、7月以降下落傾向が続いています。

金利据え置きが続けば、長期金利上昇が一服することへの期待から、利回りの小さい株式から、米国債を始めとした債券にシフトする動きが強まりやすくなります。

長期金利上昇の影響が実体経済に出始めるのはこれからです。現在欧米ですでに進行している、財務状況の悪い企業の倒産がさらに加速するだけではありません。

住宅ローンやカードローンの支払い負担が増し、家計も圧迫されていきます。米国の30年固定住宅ローン金利は一時8%台に達しました。これでは新規住宅購入は厳しく、住宅価格もいずれ下げざるを得ません。

それ以上に深刻なのは商業用不動産関連です。昨年から欧米の商業用不動産価格の下落が続いており、担保価値の低下と長期金利高止まりにより、不動産オーナーの借り換えが難しくなっています。

2024~27年にかけて、米国の商業用不動産ローン(CMBSなど不動産融資の証券化商品を含む)は毎年3800~5000億ドル(57~75兆円)程度ずつ満期を迎えます。

来年以降、相当な規模の商業用不動産ローンのデフォルトラッシュが待っていることになります。

預金金利負担の上昇と預金流出に苦しむ地方銀行は、総資産の半分以上を不動産関連の投融資に充てています。

商業用不動産ローンのデフォルトラッシュが起これば、銀行の不良債権が急増し、不安に駆られた預金者による急激な預金流出が起きます。

銀行は喫緊の資金調達のために、市場価格が暴落しているなかで保有債券を売らざるを得なくなります。すると銀行は巨額の赤字を計上し、さらなる預金流出を招くという悪循環に陥り、たちまち経営破綻してしまいます。

最終的に金利上昇は、政府の財政に影響が波及し、フィアット通貨の信用問題にまで発展していきます。

歴史的に、利上げサイクルの停止は景気後退・金融危機の合図となってきました。今回は単発の景気後退・金融危機というよりも、いずれ通貨の信用問題にまで発展し得る、長年にわたる大混乱の幕開けとなるかもしれません。

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