1110兆円の現預金が外貨預金にシフトしたらどうなるか

先週、三井住友銀行が25日から米ドル建て定期預金の金利を現在の年0.01%から5.3%に引き上げるとの報道が出ました。

米国の積極的な利上げを背景に、ネット銀行ではすでに5%以上の米ドル建て定期預金のサービスを提供しているところがありました。

ただ、大手行が米ドル預金金利を大幅に引き上げたことに意味があります。何故なら日本の金融資産の大半を保有する高齢者層のほとんどすべてが、大手行の口座に日本円を預金しているためです。

三菱UFJ銀行、みずほ銀行も、この動きに追随することでしょう。

預金金利にほとんど利息がつかないなか、日本円の現預金の安全神話は崩れず、現在まで現預金は増える一方でした。

1990年代後半から2020年にかけて長らくデフレが続き、モノ・サービスの価格が低下・低迷し続け、円の購買力が高まってきたため、利息の付かない現預金を大量に保有することに一定の意義がありました。

しかし2022年以降、日本でインフレが始まりました。食料・ガソリン・電気・ガスなど生活に欠かせないものの価格がどんどん値上がりし、物価高を感じない人は居なくなりました。

ドル円は110円台から140円台後半にまで急速に円安ドル高が進み、収まる気配はありません。

「このまま何もしないで日本円の現金・預貯金を持っているだけで大丈夫なのか?」という不安を全く感じずに過ごすことが難しくなっているのが現状です。

大手行がドル建て預金金利を5%超に引き上げたなか、高い利息と円安・ドル高が今後も続くとの期待で、高齢者のあいだで現預金が日本円から徐々に外貨にシフトしていく流れが生まれてくるかもしれません。

「年金はインフレに弱く、このまま何もしないと目減りしていくばかりです。そこで外貨定期預金で運用すれば、円安が進むと収入は増えていき、購買力を保てるようになります。為替がそのままでも、日本円のままより遥かに多くの利息を得られます。」

こんな報道が日経なりNHKなりで出てくれば、高齢者の気持ちはもっと揺らぐかもしれません。

今月20日に公表された資金循環統計によると、今年6月末時点の家計金融資産は2115兆円で、うち現預金(外貨預金除く)は1110兆円とすべての金融資産の52.5%を占めます。

この1110兆円の現預金のうち5%が外貨建てとなれば55.5兆円、10%交換されれば111兆円です。

昨年の日本の経常黒字は11.4兆円でしたから、現預金の5%、10%が外貨に替わるだけで、結構大きな円流出インパクトになります。

現在までの円安ドル高は日米金利差拡大に由来したもので、投資家・投機家の取引が主導してきました。家計の外貨シフトはいまの円安ドル高に織り込まれていません。

ザイム真理教財務省にとって、通貨インフレは膨大の借金を目減りさせるために有効な手段です。日本人の外貨運用が増えれば、海外の高金利と為替のダブルの効果により、その利子所得からかなりの税収を得ることができるようになります。

ちなみにアボマガ・エッセンシャルではこれまで数多くの米国株を紹介しており、これらに投資する過程で自然に円安ドル高の恩恵を受けることが出来ました。

2018年8月のサービス開始当時は1ドル111円でしたが、いまは1ドル150円近くになり、為替だけで30%以上のリターンが生まれました。

紹介時からドル建て価値が倍以上になった銘柄もあります。この銘柄に投資した場合、円建てリターンは160%以上に達しています。

★本日はアボマガ・エッセンシャルの配信日です。

今回は可哀そうな銘柄についての話題です。自社株買いをやめて負債削減を優先するという真っ当な資本配分計画を経営陣が発表してから、失望売りが続いてきました。

そのおかげで株価はファンダメンタルズからかけ離れ、配当利回りは8%を超えてしまいました。

高配当株は減配リスクが大きいですが、この企業は毎年安定したキャッシュフローを得られるディフェンシブ株で、配当支払い後のキャッシュフローから満期を迎える負債を十分に返済することが出来ます。

減配リスクはほとんどないのに配当利回りは8%を超えているのです。

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こうした時代は、配当に着目して地に足付けた長期投資をすることがスマートなやり方です。何故なら…

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