Fedのタカ派姿勢は変わらず、経済への実害が出るのはこれから

FOMCは先週、昨年3月から10会合連続で実施してきた利上げを見送りましたね。

米国のインフレ率(消費者物価指数の前年同期比伸び率)は、昨年6月に9.1%に達して以降、11カ月連続で減少し、5月には4.0%にまで落ち着きました。

そのためひとまず様子見として利上げを一時停止した形です。

しかしFOMCメンバーによる年末の金利予想は、前回の5.1%近辺から5.6%近辺にまで引き上げられています。

現在の政策金利は5.1%近辺(5.0~5.25%)ですので、これまで今年5月をもって利上げを終了するとの方針を変更し、年内にさらに2回利上げするとタカ派姿勢を強めたことになります。

そして忘れちゃならないのは、バランスシートの縮小の方針に変わりないことです。

3月のシリコンバレー銀行の破綻を受けてFedは銀行への緊急融資プログラムを実施し、Fedのバランスシートは一時急激に膨張しました。

しかしその後銀行不安が和らぎ緊急融資の利用が銀行不安前の水準にまで激減し、それに合わせてFedの総資産も減少し、いまでは銀行不安の発生直前の水準近くにまでFedの総資産は縮小しています。

※ただ6月に入ってからバランスシートの縮小が進んでいません。エコノミスト誌が「FedはQTを停止せよ」と主張していましたし、今後もバランスシートの縮小を続けるのかどうか、注視する必要があります。
https://fred.stlouisfed.org/series/WALCL

いずれにせよ、金利の高止まりが続き、市場流動性が徐々に干上がっている現状に全く変わりありません。

こうした引き締めによる経済への実害が出るのはこれからです。

・・・(続きはアボマガお試し版の配信記事をご覧ください)・・・

この記事のブログ公開日にアボマガお試し版(無料)にご登録された場合に限り、この記事の全文がメールにて配信されます。

アボマガお試し版へのご登録はこの記事下のご登録フォームから行うことができます。

▽アボマガ・エッセンシャルとは

アボマガは、「配当成長株+配当再投資」の組み合わせで複利を活用して配当収入を増やすことで、インフレに負けない生活を築き上げたい人たちを応援するメルマガです。

▽アボマガ・エッセンシャルで最近配信した記事

アボマガ・エッセンシャル(有料)にご登録されると、以下の記事を含め直近50記事をご覧いただけます。

●No.262(2023/06/19配信)
中国経済とコモディティに関する内容です。中国経済は予想以上に悪く地方財政も大幅に悪化しているため、従来の不動産主導の経済発展はこれ以上見込めません。よってコモディティ需要の長期停滞が心配されますが、本当のところどうなのでしょうか。

●No.261(2023/06/12配信)
いわゆる「バフェット銘柄」である配当成長株についてです。バフェット氏は、定期的な買い替えが必要な製品を売り、ブランド力があり、収益性・キャッシュフロー獲得力が高く、株主還元や費用削減に積極的であるといった点を評価しているのだろうと思います。

●No.260(2023/06/05配信)
ガス分野を得意とするあるエネルギー中流会社についてです。2021、22年に据え置いたことを除き20年以上にわたって増配し続けており「準配当貴族株」と呼べる銘柄です。インフレ時でも安定して増えていく配当収入を得たい人たちにとってぴったりの投資対象です。

●No.259(2023/05/29配信)
農業関連(食料関連)銘柄のフォローアップです。最近の食料・肥料価格の下落で大分割安になってきました。将来のさらなる食料価格の値上がりに対する保険、家計の負担増大に対する保険を掛ける逆張りのチャンスが広がっています。

→アボマガ・エッセンシャルのご登録方法