日本株が一時的に世界の株式相場をリードする時代がやってくるかも

先週木曜日、日経平均株価が1989年12月29日につけた取引時間中の最高値38,957円44銭を34年2カ月ぶりに更新しました。

熱狂ムードというよりは、史上最高値の更新は夢にも思わず、感慨に浸った人が多い印象で、そこまで騒がしくない雰囲気のなかで最高値更新となりました。

報道の通り、日本株を買っているのは海外投資家です。日本の個人投資家は米国株・世界株にしか目がないどころか、日本株をここ数か月間売り越してきました。

海外投資家が日本株を選好している理由として、米国株に比べ割安なこと、円安を追い風とした企業業績の改善、企業が自社株買いに積極的になりこれが定着したこと、東京証券取引所主導のコーポレートガバナンス改革への好感があげられます。

ただそれだけでなく、中国株が下落の一途を辿り、海外投資家がアジアへの投資対象を中国から日本やインドに移しているという、アセットアロケーションが進んでいることも大きく追い風となっています。

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では海外投資家は日本株に投資するための資金をどのように調達しているのでしょうか。

手持ちの外貨をただ円転して投資している?それは考えにくいでしょう。そうであれば1ドル150円台にまで円安進行しません。

彼らの調達方法の一つは日本円を直接借入で調達することです。これはバークシャーが日本の商社への投資のために使ったやり方です。

昨年4月~11月中旬までの海外発行体による円建て債の発行額は総額2兆5000億円でした。昨年一年間の海外投資家の日本株の買い越し額3.1兆円と比較して、大きな規模です。

また外貨をただ円転するのでなく、同時に円売り外貨買いポジションを取る、為替ヘッジつきの円転で資金調達する動きも見られます。

海外投資家は円安進行でドル建てリターンが小さくなることをリスクだと考えています。

そこで日本円の直接借入と為替ヘッジつきの円転により資金調達をすると、円安進行により発生する損失を回避できます。

しかもいま海外投資家にとって、これら2つの資金調達は非常に旨みのあるものとなっています。

いま日本はマイナス金利ですから、超低金利で日本円を借りられます。

日米金利差が大きく開き、量的政策も日米で真逆ですから、海外投資家は為替ヘッジするだけでリターンを得ることができます。日本株の投資リターンに上乗せできます。

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これら2つの資金調達方法にとって、Fedの利下げと日銀の利上げは逆風となります。

市場の観測通りに、今後Fedが利下げし、日銀が利上げをすると、これら方法による海外投資家の日本円の調達コストは増えてしまいます。

ところが米国では経済が好調で、新規雇用者数は予想を大幅に上回り、食品・エネルギーを除くコアインフレが最近再び上昇しており、インフレ再燃への懸念が高まっています。

かたや日銀は、副総裁がマイナス金利解除後の利上げに後ろ向きであることを公言しました。

日本の実質GDPは2期連続のマイナス成長で、個人消費の落ち込みが続いており、価格転嫁を容易にできる大企業を除いて十分に賃上げできるとは考えにくく、インフレ率は緩やかに低下しています。

Fedの利下げ、日銀の利上げは、起こったとしても市場の予想よりも小幅にとどまる可能性が、日に日に増しています。

もしこれら金融政策が小幅にとどまるか行われなければ、米国株の売りが起こりやすくなる一方で、海外投資家の日本株投資のための資金調達環境は今後も好天が続きます。

中国株、米国株が低迷する中、日本株が世界の株式市場をリードする時代が(短命だと思いますが)やってくることはなきにしもあらずです。

さて、もしこうした相場がやってきたとき、米国株と世界株に投資し日本株を売り越してきた、日本の個人投資家たちは何を思うのでしょうか。彼らの投資行動に何か変化は起きるのでしょうか?

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