今月のFOMCで、Fedは来年に3回の利下げを計画していることが明らかになりましたね。
市場はずっと予想していた来年からの利下げ開始が的中したことで浮かれており、楽観が広がっています。
しかし今度の利下げは果たして株高につながるのでしょうか。
たしかに利下げは現金を調達しやすくし、運用利回りが低下した中でハイリターンを求めて株式への投資を促します。
でも前者は現金そのものを供給することを意味しませんし、後者は投資家の気分を盛り立てる(というか運用利回り低下という厳しい状況を作り出し、リスクオンに移るよう投資家の尻を叩く)だけに過ぎません。
肝心なことは市場に資金が供給されるかどうかです。
Fedは利下げには前向きですが、量的引き締めを現在の年間1.14兆ドルのペースで今後も続ける予定だとしています。
量的引き締めが続けば、準備預金は減少しやすくなるので、銀行は融資しにくくなります。
現在米国経済は好調で、利上げにより利ザヤが高まってきたにも関わらず、銀行は融資を増やすどころか貸出基準をより厳しくしており、融資に消極的です。
いくら利下げしても、新たなマネーが供給されなければ株高は起こりません。
かつて米国債の半分を保有していたFedと海外政府・中央銀行は、どちらも保有を縮小したり売却しています。
これからはより一層、銀行、年金、保険、ミューチュアルファンド、ヘッジファンドといった民間マネーが米国債を買い支えなければなりません。株式市場も同時に支えながら。
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以下、記事の副題です。
・「市場には楽観が蔓延する」・「『隠れQE』が強気相場を生んだ」・「利下げは金融危機を招き得る」
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