[2023/08/31 Bloomberg]トウモロコシ輸出の王座を失いつつあるアメリカ
半世紀以上もの間、アメリカの農家はトウモロコシの国際市場を独占し、世界の家畜を養い、備蓄を満たし、加工食品を製造するために、どの国よりも多くの重要な作物を出荷してきた。
しかし、今は違う。8月31日に終わる農業年度で、アメリカはトウモロコシ輸出の王座をブラジルに譲った。そして、もう取り戻すことはできないかもしれない。
※原文をDeepL翻訳
ブラジルは世界的な食料輸出国で、トウモロコシと同じく飼料に多く使われる大豆の輸出量はすでに世界トップです。
さらにトウモロコシの輸出量でも、今年度米国を抜いて首位となり、来年度も続きそうだとの見通しを米国農務省が出したのです。
ケネディ政権時代から現在にかけて、米国がトウモロコシ輸出で首位の座から転落したのは、壊滅的な干ばつ後の2013年の1年間だけでした。 2年連続で2位となったことはありません。
ブラジルの農業生産・輸出国としての地位が高まっているのには、いくつかの理由があります。
第1に、世界的に農地面積の増加が世界人口の増加に全く追いついていない中、ブラジルは農地面積を増やすことに成功してきました。
これによりブラジルの穀物生産量はこの20年間に2.6倍に増えました。
これは決して褒められたものではありません。アマゾンの森林地帯を燃やして農地に変えてきたからです。
今後もこの手法により、農地面積を増やすことが出来ます。もちろんこれは森林破壊であり、地球環境に物凄い負荷をかけているので、限度がありますが。
第2に、これが最も重要なのですが、ブラジルから海外への食料輸送コストが大きく減ってきました。
ブラジルは輸送インフラが脆弱で、穀物輸出の輸送コストが米国より大きいという弱点を抱えていました。そこでブラジルは2010年代に、中国などから資金を呼び寄せ、港湾、鉄道などのインフラ整備を進めてきました。
その結果、北部の港湾の整備が非常に進み、今年遂に、中国への穀物輸出で米国よりも穀物輸送コストが小さくなったのです。
中国が大豆輸入先を米国からブラジルに切り替え始めたり、ブラジルのトウモロコシ輸出額が今年米国を抜きそうなことの最大の理由はこれです。
ブラジル南部のサンパウロ州にあるサントス港でも、中国資本で港湾の拡張工事が進められています。
またブラジルは穀物の保管スペースが少ないというボトルネックを抱えており、これを改善すればますます物流におけるコスト優位性が高まっていきます。
第3に、世界的に米ドルを貿易決済に使わない流れが確実に強まっています。
米ドル依存は、米国の金融政策、ヘッジファンドの投機などを通じて、新興国の経済・金融を長年不安定にさせてきました。
こうした状況を打破すべく、新興国は米ドル依存を減らしたいと考えてきました。
そしてウクライナ戦争の勃発を契機に、新興国は次々と二国間協定を結び、現地通貨を決済に使い、米ドルの使用を減らすことで合意してきました。
ブラジルは非ドル貿易圏創設を主導するBRICSのメンバー国です。ルラ大統領が今年、自国通貨による決済を世界中の国々に呼び掛けたことは記憶に新しいところです。
新興国は人口増加・都市化により食料・飼料需要が増し、輸入による調達をもっと増やさなくてはなりません。ブラジルから輸入すれば、米ドルを使わずにこれら必要なコモディティを調達できるようになります。
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今回はブラジルについてです。ブラジルは食料だけでなく、石油・ガス、鉄鉱石などの商品輸出もこれから増えていきます。
現在はEV、再エネ需要の拡大で資源価格が長期的に値上がりしていくスタート地点にあたります。
これは2000年代に似ています。当時、中国がWHOに加盟して工業生産・輸出が本格化し、資源価格は値上がりしていきました。
このときブラジル株はサブプライムローン危機が起こるまでの間、6倍に値上がりしました。
現在は2000年代と状況が似ているのですから、かつての強気相場が再来しても不思議ではありません。
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