バブル崩壊を見越して現金保有ばかりに集中すると購買力を落とす

現在の米国株式市場はどう考えてもバブルです。

昨日の配信でも、S&P500銘柄の時価総額トップ10の銘柄の株価収益率が30倍近くあり、ごく限られた銘柄に株式が集中しているというバブル末期に似た状況にあることをお話ししました。

こうしたバブルには乗らず、市場が熱狂し陶酔に至り、その後地獄に突き落とされる様を横目で楽しむのが良いというのは、私の本音です。

これを聞いてあなたは「いまはポートフォリオのすべてを現金で持って置き、市場が暴落するまでひたすら待っているのが良い」と考えるかもしれません。

答えはノーです。

世界大恐慌、インターネットバブル、リーマンショックの前は、インフレ率がそこまで大きくなかったりマイナスでしたので、投資用現金を大量に保有しておくこともそこまで悪くない選択肢だったかもしれません。

しかし現在のような高インフレが続いている時期は、現金を大量に保有し続けることは購買力を落とし、マイナスの実質リターンを垂れ流し続けることに他なりません。

そもそもポートフォリオの大半を現金で持つということは、現金というある種の金融商品に集中投資するということです。

投資の基本原則である分散投資に背くだけならまだしも、原則に背いて購買力をひたすら低下させているのであれば、何も言い訳できません。

インフレに乗じて値上げを行い、収益を伸ばせている企業がいま多いと言われます。

たしかにアボマガ・エッセンシャルで紹介しているある飲料メーカーが公表している数字を見ても、コロナ危機以降に2割以上値上げできているようです。

キャッシュフローを安定して獲得し伸ばせている配当成長株に投資して再投資すれば、インフレに負けない投資ができます。

市場の調整に備えて現金を持つことが大切な一方で、インフレ対策のために一定程度配当成長株といった銘柄を保有しておくことも大切なのです。

株式バブルが続いているなかでも、割安で長期的な配当成長を期待できる優良銘柄が決してないわけではありません。

現に、いまでもアボマガ・エッセンシャルではこうした銘柄を新規紹介したり、買い増しをすすめています。

そもそも、株価の暴落が起きてから貯めておいた虎の子の投資資金を割安な銘柄につぎ込むことは、類まれな胆力・勇気を持っていない限り、ある程度投資経験を積んでからでないと実行するのは大変難しいでしょう。

割安で長期の配当成長を期待できる個別銘柄なり投資信託なりが見つかったら、少しずつでも良いので投資していく方が、ポートフォリオのバランス改善につながりますし、投資の練習にもなります。

▽アボマガ・エッセンシャルとは

アボマガは、「配当成長株+配当再投資」の組み合わせで複利を活用して配当収入を増やすことで、インフレに負けない生活を築き上げたい人たちを応援するメルマガです。

銘柄の将来の配当成長力を分析するには、ビジネスモデルやその参入障壁を理解し、直感と論理を駆使して量的だけでなく質的にも分析することが必要です。これは人工知能には難しいことでしょう。

配当成長力を把握するために、どの点に着目しながら銘柄を分析すればよいのか?

アボマガを毎週読むことで、銘柄の具体的な分析を通じて、配当成長力を把握するための手法を学ぶことができます。

私が各銘柄のどの要素に着目して論じているのか、ここを意識して1年、2年とお読みになり、将来あなたが自力で銘柄発掘するためにお役立てください。

▽アボマガ・エッセンシャルで最近配信した記事

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●No.265(2023/07/10配信)
記事前半では現在の株式市場の現状と脆さについて分析しています。記事後半は昨秋から株価が60%以上値上がりし、時価総額の7.7%もの巨額の自社株買いを発表した、キャッシュフロー豊富なある素材セクターの銘柄についてです。

●No.264(2023/07/03配信)
米国最大のスーパーマーケットチェーンであるクローガーについてのフォローアップです。全米2位のアルバートソンズとの246億ドルでの買収・合併が成立するかどうかは依然不透明ですが、その結果によらず高い株主還元を維持できそうです。その根拠を述べています。

●No.263(2023/06/26配信)
グリーンスチール分野に積極的に取り組み世界をリードする銘柄について詳細に分析しています。2030年にはグリーン関連売上が3~4割程度にも達する可能性があり、利益は長期的にグングン伸びていきそうです。

●No.262(2023/06/19配信)
中国経済とコモディティに関する内容です。中国経済は予想以上に悪く地方財政も大幅に悪化しているため、従来の不動産主導の経済発展はこれ以上見込めません。よってコモディティ需要の長期停滞が心配されますが、本当のところどうなのでしょうか。

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