昨日のブログ記事で、高配当利回りの株は減配・無配リスクが高く、トータルリターンが悪くなりやすいことをお話ししました。
今年から新NISAが始まりましたが、NISA経由の個別株投資では高配当株が人気と言われます。
新NISAでは非課税機関が無期限となり、配当所得も非課税のため、高配当株への投資はますます増えそうです。
日本の高配当株の代表的なETFに「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」があります。
組入銘柄を見てみると、海運、素材、エネルギー、商社、金融関連の銘柄が全体の4分の3以上を占めます。
こうしたセクター・業種は、いずれも景気や商品価格によって業績が大きく変動します。
配当の原資は現金収益ですから、景気後退や商品価格の急落というマクロ環境の悪化により、こうした銘柄は減配・無配に転じやすくなります。
株価は一度でも急騰すれば売り抜けてリターンを得ることができますが、配当は毎年受け取るもので、常に安定して支払ってもらわないと困るものです。
そのためには同じ高配当株でも、マクロ経済状況の良し悪しによらず、常に安定して現金収益を創出できる企業に投資しなければなりません。
こうした企業は生活必需品、ヘルスケア、テレコム、サブスクリプション型情報産業に属する企業に多くあります。
「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」に組み入れられているのは、生活必需品はJTのみ、ヘルスケアは武田薬品工業のみ、テレコムはソフトバンクのみ、サブスクリプション型情報産業は一つもありません。なんともショボいものです。
海運、素材、エネルギー、商社、金融といったマクロ経済に影響されやすい業種でも、すべての銘柄が配当目当ての投資対象としてダメというわけではありません。
ただ、高配当株に投資するのであれば、配当を犠牲にしないで済むほどの現金収益を常に創出し伸ばせられるかどうか、この点をきちんと確認することが大切です。
目先の配当利回りの大きさだけに注目して投資をすると、何年か後に痛い目に遭います。