60:40ポートフォリオは時代遅れだとブラックロックが切り捨てる衝撃

・・・(引用開始)・・・
[2023/04/18 ブルームバーグ]60・40ポートフォリオは時代遅れ、新体制下の戦略必要-ブラックロック

ブラックロックのストラテジストらは高金利時代を乗り切る手段として、株式6割・債券4割の60・40ポートフォリオの戦略を捨て、パブリックおよびプライベート資産への投資と戦術的な債券投資を組み合わせることを提案した。

ブラックロックの調査部門、ブラックロック・インベストメント・インスティチュートのストラテジストらはリポートで、「伝統的な資産配分を解体し、公開株と債券に幅広く投資する戦略から離れる」ことを推奨した。

「旧来の前提は、主要中央銀行がインフレ押し下げのためにリセッション(景気後退)入りすることも辞さずに利上げをしている現在の新たな体制を反映していない」と指摘した。
・・・(引用終わり)・・・

ブラックロックの「60・40ポートフォリオで運用するな」という忠告は非常に説得力があります。

何故ならブラックロックは株式・債券のETFとインデックスファンドを提供・運用して、そこから信託報酬を得て大儲けしてきた企業だからです。

昨年末時点で8.6兆ドルあった運用資産総額のうち、8割超は株式と債券です。公開株と債券に幅広く投資する戦略から離れ、プライベート資産を増やすことを推奨することは、ブラックロックの利害に反します。

つまりこれはブラックロックの本音です。60・40ポートフォリオの一時代は終わった、パッシブ投資の一時代は終わったと本気で考えているのです。

60・40ポートフォリオ、パッシブ投資は、長期にわたる低金利環境で株式・債券の価格が上昇し続けたなかでもてはやされた投資手法です。

しかしいまFedはインフレ退治を優先しており、利下げは期待できない。株式と債券の相関も強まっている。だからこうした投資手法は上手くいかない。そうブラックロックのストラテジストは言っています。

要するに60・40ポートフォリオ、パッシブ投資は、低金利環境という特別な環境があったからこそ上手くいったに過ぎないと認めているのです。

このことはアボマガお試し版でも年初にお話ししました。

さよなら、パッシブ投資礼賛時代
https://www.avocado-fes-thought.com/blog/20230116-byebye-passive-investment/

さて、株式・債券への長期にわたる投資ブームが起こったもっと直接的な要因は、確定拠出年金や退職口座、変額保険商品などを通じて、ベビーブーマーたちが将来の年金形成のために株式・債券投資を長期で続けてきたためです。

そしていま、年金ファンド、保険ファンド、中東の政府系ファンドなど総額1京円を超える莫大な金額を運用する人たちがが、高インフレ・高金利環境でも高利回りで長期安定運用できると興味関心を抱いているのが、代替(オルタナティブ)資産です。

広義の代替資産にはREIT、ゴールドなども含まれますが、ここでいう代替資産とはプライベート不動産、インフラ、プライベート・エクイティ、クレジットといった分野を指します。

低金利から高金利環境に変わっても、年金マネー、政府系ファンドマネーが向かう先の資産クラスの価値が大きく上昇するという法則には変わりありません。

「勝てる」資産クラスはもうわかっているのです。しかし問題があります。個人が代替資産ファンドに投資するには、少なくとも1億円とか10億円以上を出資する必要があるのです。我々のような「貧乏人」は代替資産ファンドに投資したくても出来ないのです。

「勝てる」資産クラスはわかっているのに、投資制約から投資できない。ほとんどの庶民は指をくわえて値上がりを傍観するしかないという、悲しい現実があります。

★でも実は私たちのような「貧乏人」でも代替資産に投資する「裏ワザ」があります。別に怪しい金融商品ではなく、上場銘柄に投資するだけです。

毎年15~20%程度の成長が見込める代替資産にご興味のある方は、アボマガ・エッセンシャルにご登録し、No.247、253をご覧ください。

▽アボマガ・エッセンシャルで最近配信した記事

アボマガ・エッセンシャル(有料)にご登録されると、以下の記事を含め直近50記事をご覧いただけます。

●No.254(2023/04/17配信)
太陽光発電の世界的な普及で凄まじい恩恵を受ける金属についてお話ししています。この金属は需要の7割を太陽電池向けが占めると言われるなか、供給は減少傾向で開発は進んでいません。これでは深刻な需給逼迫となり、価格が2倍にも3倍にも急騰しても仕方ありません。

●No.253(2023/04/10配信)
記事の前半で欧米の商業用不動産市場が悪化しており、預金流出にあえぐ銀行のさらなる危機に発展しかねないことを書いています。記事後半では不動産市場、金融崩壊が起こってもそれを機会に変えて、二けた成長を続けられる金融株についてお話ししています。

●No.252(2023/04/03配信)
インフレや食料危機対策となる農業関連銘柄のフォローアップをしています。残念ながら食糧在庫は26年ぶりの低水準で、農家の最大の支出項目である肥料の供給は増えておらず、食料価格が低下していくとの見方は「根拠なき願望」でしかありません。

●No.251(2023/03/27配信)
無借金で、黒字の現金収益を稼ぎ続けている鉱山会社を紹介しています。資源価格の値上がりだけでなく配当金が出るため、利息の出ない実物資産以上に効果的なインフレ対策ができます。

→アボマガ・エッセンシャルのご登録方法