鉱山銘柄への投資で通貨インフレ対策

今回アボマガ・エッセンシャルでは、安定してキャッシュフローを獲得できる鉱山会社を紹介しています。

先週のFOMCでパウエル議長は米国の銀行システムは健全で強靱、年内の利下げはないと述べ、インフレ対策を最優先する姿勢を明確にしました。量的引き締めも維持するとしています。

これにより欧米の銀行破綻が続き、インフレよりも世界大恐慌を心配するべきと思われるかもしれません。

しかしインフレは想像以上に悪いです。米国のインフレ率が6%と依然として高いことはもちろん、もっと厄介な問題があります。

粘着インフレ率というものがあります。これはアトランタ連銀が算出する数値で、消費者物価指数に含まれる財・サービスのうち、価格変動の頻度が比較的低いもののインフレ率のことです。コアインフレ率をさらに濃縮したものと考えてください。

全く話題にされていませんが、米国ではこの粘着インフレ率が急上昇し、いまでは通常のインフレ率(消費者物価指数の伸び率)を上回っているのです。

粘着インフレ率は上昇も下落もしにくいのに通常のインフレ率を上回っているということは、今後も高インフレが続くということです。

画像ソース: FRED

英国でもインフレ率が10%を超えてしまいました。

Fedが本気でインフレ退治したいなら政策金利を11%程度にまで引き上げなければなりませんが、現在は5%にも達しておらず程遠いのが現状です。

Fedの現在の金融政策はインフレ退治、金融システムの安定の双方において中途半端な感じがします。

となると、待っているのは「ペーパーマネーの紙くず化」です。高インフレとFedの信用崩壊による通貨インフレが待っています。

これは米国だけの話ではありません。欧州でも日本でも同じです。来年に渋沢栄一の肖像が使われる新一万円札の流通が始まりますが、その孫の渋沢敬三は戦後に蔵相となり、通貨インフレ抑制のために新円切り替え・預金封鎖・財産税を実施し全国民の財産没収に踏み切った人物です。

私は運営するサイトで2015~16年ごろからペーパーマネーの紙くず化に警鐘を鳴らしてきましたが、そろそろ本気で心配しないとヤバいと思います。

ペーパーマネーが紙くずになったときに人々がよりどころにするのは実物資産です。ゴールドはその代表的資産です。

実物資産そのものに投資することも悪くありませんが、利息が付かず保管費用が掛かる点がネックですし、最終的に高値で売らなければ保有する意味がありません。

そこで視点を変えると、鉱山会社に投資するという選択肢が出てきます。鉱山会社の投資妙味は次の点にあります。

・資源価格の値上がりで業績や株価は実物資産以上のペースで上昇していきます。そのため投資額が少なくても大きなインフレ対策効果を期待できます。

・配当金もインフレ率を上回るペースで伸びていき、実質賃金が下がり続けるなかで購買力を高めることができます。

・配当金は株式を保有していれば勝手に入ってくるので、売却する必要はありません。高値で売却をしなければならないとのプレッシャーが抑えられます。

・配当金を再投資すれば、株数を増やし、資産価値や受取配当金の伸びがますますインフレ率を上回りやすくなります(ますますインフレに強くなります)。

このように、鉱山会社への投資は実物資産そのものに投資するよりも大きなメリットがあります。

もちろん、業績が低下したときに株価や配当が急減しやすいとか、経営や財務など企業固有のリスクはあります。

ただ今回紹介する鉱山会社はとある鉱物資源で寡占的地位を持ち、この資源事業の投下資本率は60%を超えており、ここ11年連続でプラスのキャッシュフローを得ています。

キャッシュフローの大半を配当として株主に還元しています。財務はほぼ無借金の状況です。

いまは欧米の銀行破綻とFedの金融引き締め方針継続により、良い感じに株価が下がってきており、そろそろ買い始めても良いかな、といったところです。

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