中国の不動産危機、バーゲンセールの機会を与えてくれるかもね

お盆休みの間に中国の経済・金融に関わるニュースが世界を騒がせてきました。

事の発端は、中国最大の民間不動産開発会社である碧桂園(へきけいえん、Country Garden)が今月6日にドル建て社債2本の利払いを履行できなかったことでした。

碧桂園のドル建て債券の利回りは3000%に達し、市場は同社のデフォルトをすでに織り込んでいます。

不動産市場をめぐる懸念は碧桂園にとどまりません。香港と中国本土に上場している国有開発業者38社のうち18社が上期(1-6月)の赤字を暫定報告しました。

国有企業は、デフォルトに陥った民間企業の未完成プロジェクトを引き継ぎ、住宅購入者への引き渡しを確実にすることで市場を支えてきました。

碧桂園は今月17日に破産申請した中国恒大の4倍のプロジェクトを抱えていると言われます。国有企業がプロジェクトを十分に引き継げず、住宅建設がますます滞る懸念が出てきています。

中国の信託業界の大手の中融国際信託が資金不足により、現在、少なくとも30の商品で支払いが滞っているとの報道も出ました。中融などが販売している信託商品の多くは中国恒大のような問題を抱えた不動産開発会社が運営する住宅プロジェクトが裏付けとなっています。

地方政府の財政も悪化しており、昨年秋に中央政府が地方政府による融資平台への土地使用権の売却を禁止したことで、唯一の収入源が断たれてしまいました。

地方政府と融資平台の負債合計は中国GDPの100%を上回っています。雲南省、貴州省、天津市などでデフォルトリスクが取りざたされています。

中国経済のデフレへの懸念も高まっています。7月の経済指標は、鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資でアナリスト予想を大きく下回る成長率でした。

16~24歳の若者の失業率は20%台の高止まりが続き、中国政府は遂にデータの公表の一時停止を決めてしまいました。

こうした一連の報道を見ると、中国の経済・金融状況は想像以上に深刻であり、不動産市場の崩壊が銀行セクターに波及して、壮大な金融危機に陥るのではないか、そのように思っても仕方ありません。

でも逆張り投資家の視点だと、こうした悲観が金融市場に蔓延して世界の金融市場がメルトダウンしてくれることは願ったりかなったりです。

待ちに待った大バーゲンセールがやってきて、狙っていた有望銘柄を大量に仕込むまたとない機会になるからです。

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本日号外を配信しました。中国の経済・金融をめぐる懸念で株価が急落し、投資妙味が高まってきた3銘柄についてです。

いずれもキャッシュフローを安定確保し財務は健全で、現在の配当利回りは5%を超えています。

今後の値動き次第では大バーゲンセールが訪れるかもしれません。脱炭素産業の本格的な進展が控える中、今回は最後のバーゲンセールとなりそうですので、買いそびれることなく。

大底を探りすぎて買いそびれるくらいなら、早めに買い切ってしまったほうがはるかにマシです。

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