銀行不安再燃!Fedの緊急融資策は3月終了の見通し

銀行不安が再燃しています。

米国の地銀であるニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)と日本の地銀であるあおぞら銀行が、先週発表した最新四半期決算で最終赤字を報告して市場を驚かせました。

いずれも米国の商業用不動産ローンの一部が焦げ付き、多額の引当金を計上したために、最終赤字となりました。

ドイツ銀行も最新決算で米商業用不動産関連の引当金は1億2300万ユーロと前年同期の4倍に膨らみました。

NYCBは総資産のおよそ半分が集合住宅、オフィスなどの商業用不動産ローン債権です。米国の他の地銀もNYCBと同じく資産の多くは商業用不動産ローン債権です。

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米国では2022年からオフィス市況が悪化してきました。新型コロナパンデミックでオフィス空室率が上昇したことと、2022年3月からFedが利上げを始めたためです。

2021年にロックダウンを解除してから2年以上経過しましたが、米国のオフィス空室率は現在も悪化が続いています。

集合住宅(アパート)は、パンデミックが起きてから需給逼迫で販売価格は歴史的な高水準を記録しましたが、昨年に市況が悪化しました。

昨年の集合住宅の販売数は2014年以来の最低水準に達し、価格は15%程度下落しました。

2022年に米国債利回りは急上昇し、集合住宅の利回り(キャップレート)との金利差は大分縮んでおり、集合住宅の投資妙味は小さくなっています。

米国債利回り(長期金利)が低下すれば商業用不動産の利回りは再び魅力を増します。それゆえ、商業用不動産市場の関係者は今年Fedが複数回利下げすることをすこぶる期待していました。

ところが先日のFOMCでFedが利下げに消極的な姿勢が露わになりました。1月の新規雇用者数は市場予想の2倍近くに達し、3月の利下げはほぼなくなりました。

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商業用不動産の担保価値が低下し、金利が高止まりするなか、これから巨額の商業用不動産向け融資が返済期限を迎えます。

今年から来年にかけて5600億ドルの商業用不動産関連ローンが期日に直面します。CMBCなどの不動産担保証券を含めると1.2兆ドルに達します。

米国の地銀は、これから2年間にわたる借り換え地獄を乗り切れるのでしょうか?

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これまで地銀はローンの焦げ付きや預金流出などで経営が苦しくなっても、昨年3月にシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻を契機に導入されたFedの緊急融資プログラム(BTFP)を使って資金調達できました。

しかしBTFPは3月11日に終了することが決まっています。今後地銀が資金調達に用いる米国債等の担保は額面でなく市場価格で評価されるので、長期金利が高止まりするなか、資金調達は一気に大変になります。

より大きな利回りを求めて銀行預金からマネー・マーケット・ファンド(MMF)に現金を移す動きはいまも続いています。先週、米国ではシリコンバレー銀行破綻の混乱期以降で最大規模の預金流出が起きました。

地銀にほんの少しでも破綻の兆候が出てくれば、SNS上でその噂は一瞬にしてひろまり、ネットバンキングで皆一斉に預金を引き出し、地銀の資金は一瞬でショートします。

地銀ショックを契機とした「マグニチュード9.0」が、米国の金融市場、ひいては世界の金融市場を直撃するおそれがあるのです。

★NYCBとあおぞら銀行はともに、配当利回りは長らく5~6%台が普通の高配当株でした。

ところが想定外の最終赤字に転落したため、NYCBは四半期配当を0.17ドルから0.05ドルに減配、あおぞら銀行は無配になりました。

株価は暴落してしまい、高配当を目当てにNYCBとあおぞら銀行に投資した人たちは目も当てられない状況になっています。

高配当株はリスクが高いと、最近私は「今日のつぶやき」でよく申し上げております(私も実際の投資で痛い目に遭ったことがあるものです)。

高配当株には良い銘柄もある一方で悪い銘柄もたくさんあります。ただ配当利回りの大きさだけで投資対象を選ぶのではなく、良い銘柄/悪い銘柄をきちんと見分けるスキル、眼力を持たなければなりません。

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