優良銘柄のバーゲンセールは予想外に早く終わることがある

株式市場では生成AI、半導体バブルがいまだに続いています。現行バブルの象徴であるエヌビディアの時価総額は一時、マイクロソフトを抜き首位に立ちました。

ところが市場の熱狂の裏で、今年3月途中から本当の意味で米国金融市場からお金が吸い上げられ始めています。

金融市場は危険極まりない状況に入っているように思えます(詳しくは本日配信のアボマガ・エッセンシャルをご覧ください)。

さて、以前のブログ記事にて、インターネットバブル崩壊期の3年間でほとんど値下がりしなかったセクターや値上がりしたセクターがあると話しました。

それ故、個別銘柄に目をやれば優良な割安銘柄があったはずだと書きました。

[2024/03/11]バブル≠全銘柄がバブル

24年前に当時のインターネットバブルが弾けたのも3月からでした。2020年3月にバブル崩壊が始まり、同年9月に本格化し、2002年9月まで続きました。

大半の人はバブル崩壊と聞くとすべての株式が一斉に下落したと考えがちです。

ただインターネットバブル崩壊の時は、必ずしも一概にそのように言うことは出来ませんでした。

バブルが膨らんだハイテク関連銘柄は、2000~2002年の3年間に株価は大暴落しました。

セクターのパフォーマンスを見ると、コミュニケーション・サービスは1999年比で64%暴落、情報技術は72%暴落しました。この影響でS&P500は3年間で38%下落しました。

他のセクターを見ると、確かに2001~02年にかけてはどのセクターも下げ基調で、特に2002年は米国株全般が下がりました。

この影響で、1999年比の2002年の騰落率はほぼすべてのセクターでマイナスでした。しかし金融、ヘルスケア、エネルギーセクターの3年間の下落率は10%に満たないですし、生活必需品は5%上昇しました。

当時、ハイテク関連を除けば、バブルのピークであった1999年にもそれなりに割安な銘柄があったことになります。

1999年に割安になっていた優良な配当成長株に投資し、配当再投資を続けていれば、バブル崩壊期であっても資産や受取配当金を増やすことは出来たのです。

当時値上がりした生活必需品セクターのうち、コカ・コーラ、P&G、ハーシー、旧フィリップモリス(現:アルトリア)について調べてみました。

いずれも長年安定してFCFを伸ばしてきた、優良な配当成長株です。

下図はインターネットバブル崩壊前後のこれら4銘柄の株価推移です。

コカ・コーラは1998年~99年にかけて株価が大きく下がりました。2000年以降では、軟調な株価が続いたものの大きく値を下がることはありませんでした。

その他3銘柄は、いずれも2000年初めまで株価が大きく下がる局面がありました。しかしそこで底打ち反転し、バブル崩壊で米国株が下がり続ける中でこれら銘柄の株価は上昇傾向が続きました。

これら3つの優良な配当成長株は、インターネットバブルの崩壊が始まった2000年3月頃に最大のバーゲンセールが訪れていたのです。

何故P&G、ハーシー、旧フィリップモリスは早々と値上がりし、コカ・コーラも2000年以降の株価下落が緩やかで済んだのか。単純な話です。業績が良かった/悪くなかったからです。

株価は長期的に企業利益、FCFによって決まります。これはS&P500といったインデックスにも、個別株にも同じく当てはまります。

当時、コカ・コーラ、ハーシー、旧フィリップモリスは値上げで業績を伸ばすことができました。P&Gは値上げ戦略を取りませんでした、安い商品を多く売ることで収益を伸ばすことが出来ました。

2000年の最安値のとき、コカ・コーラとP&Gは、大底時でもP/Eレシオがそれぞれ44倍、20倍あったので、バリュー投資家が買うのは難しかったかもしれません。

他方、ハーシーのP/Eレシオは大底時に11.6倍、旧フィリップモリスのP/Eレシオは5.9倍しかなく配当利回りは10%超えでしたので、バリュー投資家なら十分買えたはずです。

★優良銘柄を安値で掴むには、市場全体の動きばかり気にしていてはいけないのです。

この点について、本日のアボマガ・エッセンシャル配信記事で深掘りしています。

金融市場の不透明さが増しています。いざ市場が混乱に陥ったときに動転、萎縮せず、機敏に動いてバーゲンセールにある優良銘柄を掴めるよう、事前準備にお役立てください。

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