中国では最近、高官の解任が相次いでいます。
習氏は7月に秦剛氏を外相から突然解任し、その約2カ月後には李尚福国防相の更迭が報じられた。さらに習氏は、核兵器を管理する人民解放軍ロケット軍の指導部も何の説明もなく刷新。
解任された秦剛氏はこんな人物です。
秦氏は3月の記者会見で、中国の憲法の小冊子を取り出して「台湾は中国の神聖なる領土の一部だ」との前文を読み上げた。そのうえで「台湾問題は中国の核心的利益の中の核心だ。中米関係の基礎中の基礎であり、越えてはならない最初のレッドラインだ」と強く米国を牽制(けんせい)した。
李尚福氏は?
[2023/06/04 NHK]中国国防相 台湾について米などけん制 米中関係では譲歩求める
台湾について、「核心利益の中の核心だ」と強調し、「外部勢力が台湾を利用して中国を抑え込み、中国の内政に干渉していることこそが、情勢が緊迫する根源だ」と述べ、アメリカなどを強くけん制しました。
その上で「われわれは最大の誠意と努力を尽くして平和統一を勝ち取りたいが、武力行使の放棄は約束しない」と述べ、習近平指導部の方針を改めて示しました。
李尚福氏の後任として、王毅氏が外相に復帰しましたね。彼の立場はこうです。
中国で外交を統括する王毅政治局委員は、北京を訪問している河野洋平 元衆議院議長と会談し「『台湾有事は日本有事』という主張はでたらめで、危険だ」と述べ、日本を重ねてけん制しました。
もうおわかりでしょう。
習近平国家主席は、台湾情勢の緊張を高めようとしている強硬派の人物を更迭し、軍の権力を弱めようとしているわけです。
逆に言えば、もし習近平の権力が崩れてしまうと、危険になります。混乱は軍にとって最高の栄養です。
中国国内の混乱が外部に向かえば最悪、第二の日中戦争ですし、内部に向かえば最悪、第二の文化大革命となります。
文化大革命は大躍進政策の失敗で権力を弱めた毛沢東が、復権のために、国防相の林彪と手を組んで仕掛けた権力闘争です。
しかし紅衛兵は暴徒化して収拾がつかなくなり、軍が出動する事態となり、党・政府が崩壊したなか、軍の力が強まり、結果的に林彪が毛沢東を脅かすほどの権力を握ることになりました。
文化大革命で紅衛兵たちがあれだけ暴れまわったのは、当時若者の失業問題が深刻で、就職できないことへの不安・不満が爆発したことが大きいです。
現在、中国の若者の失業率は20%を超えており、50%近くに達しているとの話もあります。中国政府は若者失業率の公表をやめてしまいました。
彼らが暴徒化すれば、たとえ反習近平でなかろうと、当時の紅衛兵のように習近平を崇め奉ろうと、中国国内が大混乱に陥る危険があります。
習近平は少なくとも表向きは独裁的な権力を確立し、大躍進のような大失敗を起こしたわけではありません。文化大革命のような出来事は自身の権力基盤を不安定化させ、軍の権力を強めすぎるリスクがあり、ほとんどデメリットしかありません。
習近平は、文革の再来を恐れているのです。
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